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江戸のセンス 職人の遊びと洒落心 (集英社新書)
扇子職人の浅草文扇堂主人が語り尽くす、江戸職人、庶民のセンス、発想、そして粋のスピリット。江戸職人、庶民文化の生き証人とも言うべき荒井修の膨大な知識を、案内人いとうせいこ...
江戸のセンス 職人の遊びと洒落心 (集英社新書)
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商品説明
扇子職人の浅草文扇堂主人が語り尽くす、江戸職人、庶民のセンス、発想、そして粋のスピリット。江戸職人、庶民文化の生き証人とも言うべき荒井修の膨大な知識を、案内人いとうせいこうがとことん引き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
荒井 修
- 略歴
- 〈荒井修〉1948年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業。荒井文扇堂四代目社長。桑沢デザイン研究所講師。
〈いとうせいこう〉1961年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業。活字、音楽、舞台、テレビなどで表現活動を行う。
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紙の本
遊び心に根ざした豊かな江戸文化
2013/07/06 04:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Papermania - この投稿者のレビュー一覧を見る
桑沢で講師もやっておられる扇子職人・荒井修氏の講義をまとめた本。
出てきたキーワードがどれも新鮮だったのでまとめておく。
のぞき:どれだけ描かずに相手に伝えるか。柄のトリミング、扇上でのコントラストの付け方、空き地の重要性。相手を「覗かせる(=引き込む)」デザイン。
さしがね・ぶんまわしを使った直感的で正確な柄作り:イラレやフォトショのチュートリアル的なもの。計算・理論でなく再現性・実用性・応用性の高い手法。
見立て:一部の要素・シンボルを抜き出して、いかに物語を伝えるか。例えば『うさぎと亀』なら、亀甲模様と杵(うさぎは月で餅をついているから)で表せる。ただし見立てには共有しているコンテクストの程度を把握する必要がある。同じ日本人でも伝わる人・伝わらない人がいるということ。表現の裏に何が隠れているか。
文字のデザイン文化:見立てから発展した、アレンジという発想。柄や紋だけでなく、文字も飾るように。抱き字・鏡・牡丹字・印形(いんぎょう)・角字サイコロ・角崩し文字など。てっきり西洋からのものと思っていた牡丹字・角字サイコロ的表現が実は江戸時代から存在していたと知り驚き。
色からの想像:誕生色(想紅・恋路十六夜・恋染紅葉など)。物語の共有。色一つから情景をイメージしてみる。二色だけでイメージや人を表現してみる。
職人的発想方法の訓練:どう洒落倒すか、ふざけるか、遊ぶか。ポチ袋・祝儀袋・会触れ・交換会・手ぬぐいあわせ。
品のいい粋:さりげない洒落心。小洒落た、小ぎれい、小粋など小さいことを大事にする江戸職人気質
デザインに必要なのはロマン。
などなど、これまで全く触れてこなかった豊かな江戸文化が修さんの親しみやすい語りで目の前に鮮やかに広がった。江戸時代の人は、一つ一つの物事に洒落た遊び心を忍ばせて、日常を楽しんでいたのだなと思う。彼らが持っていたイメージ世界の豊かさや、それを楽しむ心、見習いたいものである。