ドル亡き後の世界 Ａｍｅｒｉｃａ Ｄｉｓｓｏｌｖｅｄ （Ｅｃｏｎｏ‐Ｇｌｏｂａｌｉｓｔｓ）

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妄言の書だな。
ここまで言えるのはあっぱれ。
著者は誰も反論してこないって息巻いてるけど、誰からも相手にされていないだけでしょう。
ただ、一々反論できる知識が自分には無いことが寂しい。

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副島ｻﾝはおもしろいおっちゃんだと思います。

彼が分析している内容について賛否あろとも予想した結果については概ね当たっています。

当たっていることを持って、彼の論理が正しいというわけもありませんが、ただ、読んでみて自分は有益と考えております。

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2012年ぐらいに1ドル１０円ぐらいになり、ドルに代わる世界基軸通貨なるものが誕生する。

この作者の言う事はこれまで結構当たっているらしい。
政治家の政策の内容だけでなく、どの派閥の誰が発言したかということも重要みたいだ。専門的な話が多くて信憑性については自分には分からなかった。しかし、こういう見方もあるんだなと思った。

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ちょっと左翼的な手法での記述と俺だけが知ってるんだ的な態度、そして『未来が分かってしまう』という一線超えた発言。
以上３点が著者自身の性格的な欠点で、人によって大きく好みが別れるタイプ。
小林よしのりが好きな私でもちょっと引いちゃいましたw

でもこの一冊を読むと読まないとでは、経済に関する見方がかなり変わるでしょうね。
アメリカ嫌いになれること間違いなしw

一つ著者にツッコミたいのは、それだけ分析力が優れていると自負しているのなら、就任して間もない頃に書かれたとはいえ、何故鳩山由紀夫に期待していたのか。
鳩山の実家イコール、著者が完全否定されている一族と関連する大会社。
これぐらいは分析出来なかったんでしょうかねぇ？

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大変興味深い内容だった。
新聞には事実だけを書かれている。実は制限付きで。
勉強し続けないと、理解できないことをわかりやすく書かれている。
今後の日本が良くなる事を期待したい。

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2010年予測のために読んだ3冊目。
今回読んだ本の著者の肩書きは「評論家」だ。外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授等を歴任、と書いてある。

著者の経済予測は、冬季オリンピック終了後の来年3月にドルと米国債が暴落し、夏に一度戻すものの、年末にかけてアメリカは恐慌に突入。オバマは任期半ばで辞任し、2012年にドン底を迎える。その後3年をかけて、世界覇権はアメリカから中国へ移っていく・・・という内容。

前2冊と同様、経済素人である私は、ここでは、その予測内容について評価や感想を書くことはしないこととし、この本から得た情報や、著者の主張をメモとして書き出したいと思う。

しかし、今まで2010年予測のために読んだ3冊の中で、本著がもっとも激しい口調で、今回の経済危機を招いたとされる各人・各政策を非難している。
経済評論家とは、ここまでカラーを出さないといけないものなのか、とすら思わされた。

【読書メモ：本書から引用させていただいています】

・　米国債は、すでに利回りで計算すると10年もので３.2%くらい。今後、証券そのものの額面割れを受けて、10年ものの年率がどんどん上がる。この米国債が値下がりし、長期借入金の利回りが跳ね上がる。そのときが、アメリカがデフレ経済からインフレへの転換の時期となる。

・　オバマ政権の財政・金融政策の主導権を誰が握っているか？また、それがどのような権力力学であるかを見ることが重要。
財務長官のティモシー・ガイトナーは弱冠48歳で、背後にポール・ボルカー元FRB議長が後見役としてついている。ボルカーは、ロックフェラーの金融面での直臣。彼が院政を敷いて、ガイトナーに表向きは政策を実行させていく体制。ラリー・サマーズ国家経済会議委員長は、オバマから助言を求められることが多いが、政治的後ろ盾がない。

・　米ドル基軸通貨体性（金・ドル兌換体性）は、一度すでにぐらついている。ニクソンショック時に、金とドルの兌換が各国政府の中央銀行とFRBの間で停止され、一旦はシステムが崩壊した。
その後、基軸通貨としての裏付けを、金からロックフェラーが得意とする石油に変えることで、世界の通貨・貿易体制そのものを維持することができた。原油の取引決済は必ず米ドルで行うこと、という不文律を世界通に強制し、実行させることで成り立った通貨体性である。

・　中国は、アメリカと親密な関係のある、上海閥（太子党、石油党）の王岐山が副首相として、経済・金融政策の舵取りを行っているように見えるため、しばらくは、中国は日本と同じで、米国債を買い続ける。
しかし、胡錦濤派からは、米ドルに変わる新たな国際準備通貨が必要、IMFが各国の外貨準備の一部を直接管理すべきだ、という論文が発表されている。中国が米国債を引き受けない、売り始める可能性もある。

・　金融政策は、倒れそうな銀行を救済すること。そのために中央銀行が資金をどんどん出して支える。その理由は、民間銀行がつぶれると、1国の信用秩序が壊れて、お金が世の中を回らなくなるから。本来は中央銀行だけが金融政策を行うべきであり、政府が手を出してはならな���。
財政政策は、政府が直接お金を出して、公共事業を行うこと。
世界中の国々で、今年4月のG7くらいから、金融政策より財政政策がさかんになっている。

・　アメリカは、金融危機と財政破綻に対応するために、FRBが、実態は紙くず化しつつある住宅ローン担保債権のようなリスク資産を民間部門からどんどん買いあげ、民間銀行がその不良資産のせいで破綻するのを防ぐために資金をジャブジャブと供給している。
それだけでなく、米財務省が発行する、米国債（税収裏づけのない赤字国債）をも事実上、がぶがぶと引き受けざるを得なくなっている。
こういう「お金と国債の交換」は、国家財政にとっては禁じ手であり、本当は違法である。アメリカは、それをこじつけの法律解釈などを行い、迂回融資をしてる。FRBの総資産は、3兆ドルに近い水準に達している。
オバマ大統領が2月に打ち出した7870億ドル（80兆円）の財政出動の効果が来年にはそろそろ切れる。すると更に、FRBがリスク資産と米国債を引き受けざるを得なくなる。
　
・　日銀の自己資本の部は、年率で8%程度の増加。これは特筆すべきこと。白川日銀は、中央銀行が民間の借金を無制限に引き受けたり、日本政府の借金を肩代わりして不健全にどんどん日銀券を垂れ流すことをしない。

・　アメリカの不良デリバティブ取引は、まだ2000兆円以上あると思われる。この整理のために、今後、通貨の切り下げ（デノミネーション）を行い、例えば、1ドル100円を、10円にすることで、対外債務を棒引きにする可能性がある。

・　アメリカが、時価会計にこだわらなければならない理由は、デリバティブズの売り買いですでに出して帳簿上で確定してしまった利益は本当はまだ未確定であり、金融先物取引が絡んでいるので未実現利益だから。時価会計制度は、それらを確定してしまうという性質を持っているのである。

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わかりやすく書かれている。

日本の置かれている状況がよくわかる。
巻末についている銘柄の選定もいい。

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著者の予測
~2010.3：さしたる変化なし
2010.3~：ﾊﾞﾝｸｰﾊﾞｰ冬季ｵﾘﾝﾋﾟｯｸが終了し、為替、株、国債の世界的な暴落が起きる
2010.春~夏：一旦持ち直し
2010.夏~：米の金融崩れ
2012:どん底。1ドル=10円

リスク
・FRBの資産（=負債）が3兆ドル超え。
・米国債とドル紙幣を刷りまくりすぎ。
・商業施設版サブプライムローン（CMBS）とそれをさらに組み込んだCDOが残っている。CMBSを担保とした資金供給は、現在のところ2010.6末まで。
・住宅ローン債権を組み込んだRMBSを米の二大住宅公社、ファニーメイとフレディマックが世界中に大量に売った。この二社が破綻すると、金融危機が世界を駆け巡る。

特記
・中国中央銀行総裁は、ドルに代わる国際通貨として、IMFのSDR（特別引き出し権）という権限を拡大して充てることを提案。
・2008年の年金は、市場運用の失敗で9.6兆円損した。
・日本から米に流れ込んでいるドル建て資金は800兆円？
（政府と民間、米国債その他）
・格付け：AAA=健全、AA=準健全、A=破綻懸念先、BBB、C=破綻先
・元財務・金融大臣の中川昭一氏は、米国債を買い増ししたくないという態度を取っていた。経済危機国支援のため、日本の外貨準備高1兆ドルのうち0.1兆ドルをIMFに拠出した。その翌日、「酩酊会見」をし、失脚した。記者会見前の昼食に出されたワイングラスに睡眠剤が入れられた？（玉木林太郎財務官？）
・福田元総理の退陣劇の裏：一部の財務官僚が、日本の外貨準備高から数兆円を拠出して、ファニーメイとフレディマックの社債を購入する計画を立てていたが、福田元総理と伊吹元財務大臣・渡辺金融大臣が見抜き、福田氏が退陣することで阻止した。

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ニュース等では好評されない
アメリカ経済の実態について、
多少、誇張はあるかもしれませんが、
面白く論じておられます。

これをもとに、実態はどうなっているのかを自分で調べる足がかりというか、きっかけにはなりうると思います。

正月、札幌→東京で、吹雪で飛行機が飛ばない最中、一気に読みました。

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細かな部分は気にせず読まないと。ざっくりとした今後の経済の考え方にはうなずける。だって基軸通貨のドル刷りすぎ、米国債大丈夫か？

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2012年が大底。1ドル60円を目指す。（30円以下の可能性も）。2010年秋から米国債が暴落。末には恐慌突入。2010年末～2011年に日経平均5000円以下で、水・空気・クリーンエネルギーの有力銘柄を書い（※リストあり）

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副島氏、おもしろい！
こんな楽しい毒舌、他にはないです。

おい、ダメリカよ！
お札を刷るだけ刷って、国の借金に当てるってありかいな？！
２０１０年末を、いい意味で楽しみにしています。

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数年前にはドルがなくなる（基軸通貨の地位を降りる）とはイメージできませんでしたが、今まで彼の著作で述べてきたことがかなりの確度で当たってきたので、本書のタイトルをみて思わず手に取ってしまいました。

本当に１ドル１０円になってしまうのでしょうか、今週の円ドルの動き（１ドル８５円）を見ていると、つい数年前が１２０円程度であったことを考えると、あり得るかもしれません。彼は金価格の高騰は昔から述べていて、現在その通りになっているので、為替についても根拠無く言っているとは思えません。

巻末に暴落時に買うべき株一覧があります、興味のある銘柄について定期的にチェックしていきたいと思いました。

以下は気になったポイントです。

・オバマ大統領は、ホワイトハウス執務室において、日常たった３人の人間（奥さん、首席補佐官のエマニュエル、サマーズ国家経済会議委員長）である（ｐ２９）

・銀行勘定は会計学の原理原則に従って、一般企業と違って、資産と負債勘定が逆になる、つまり中央銀行の資産が増えるとは、民間企業で考えれば負債が増えることを意味する（ｐ３４）

・２００９年８月３１日につけた高値（１万７６７円）より高くなることはない、大銀行・証券・生保は自己売買部門の含み損を半分程度処理したが、今後、本当に隠しこんでいる簿外の大損が本格化するため（ｐ４２）

・ノックイン債（ハイイールドボンド・ファンド）等の高利回りの危険な商品には、ノックイン価格（元本確定条件が外れる価格）があり、とても危険（ｐ４９）

・アメリカは１ドルが６０円になればアメリカの工業製品に輸出競争力が生まれることを知っている、ドル安になればアメリカも真面目に輸出で生きてゆく（ｐ６２）

・アメリカの金融は、ふたたび大きく崩れる、米長期金利が跳ね上がり、デフレからインフレになった時に、米ドルは暴落、ダウ平均も暴落する（ｐ７７）

・米議会が２０００年にデリバティブ取引監視を免除した、その時に１００兆ドルだった市場は２００８年６月には６８４兆ドルとなった、CDSやCDO(債務担保証券）の拡大がある、CDOとはサブプライムローンを証券化したものを、さらに細切れにして他金融製品と合成したもの（ｐ９２）

・中国はSDR（IMFのもつ特別引き出し権）という新しい通貨が米ドルに取って代わるべきだと、２００９年３月に中国は表明した（ｐ１０１）

・２００９年５月に行われた「ストレステスト」は、大銀行１９行とSEC検査官のペーパーでのやり取りのみで、立ち入り検査は無し、結果は７．４兆円の資本不足のみと発表（ｐ１３７、１３９）

・アメリカは１９９８年から日本がやったことと全く同じことをやった、当時アメリカは救済せずにきちんと破綻処理させるべきと言っていた（ｐ１３９）

・現在のデリバティブの取引残高は全体は６００兆ドル（６京円）
あり、２００兆ドルが処理されずに残っている、日本は過去１５年で２００兆円の不良債権以外に、２０００兆円の契約残高を消した（ｐ１５７）

・アメリカは２００兆ドルのうちの１０分���１（２０００兆円）を処理する必要あり、１ドル＝１０円にすると１０分の１程度の処理で済む、２０１２年頃に実施される可能性あり、そして額面通り返却するだろう（ｐ１５９、１９７）

・２００８年７月危機において、日本の３つの大きな金融機関が致命的な打撃をうけた、農林中金・三菱UFJ・日本生命である（ｐ１６３）

・ストレステストの結果、シティバンクの資本不足は５５億ドル（５０００億円）とされたが、実際には５０兆円は必要、現時点では４．６兆円の公的資金を投入、３０兆円の政府保証枠がある（ｐ１７７）

・２００８年３月２８日には、アメリカ政府とSECにより、「アメリカ時価会計の放棄」レターが発行された、その内容は、「各企業は独自基準採用可能、それに基づき債権区分の変更可能、時価会計の実質的放棄可能」とした（ｐ１８１）

・中川元財務大臣は、あの有名な酩酊会見の前日（２月１３日）に、１０００億ドル（９兆円）をIMFへ拠出する調印式を行っており、これに対して世銀総裁は怒ったはず（ｐ２０４）

・アメリカはドルの価値を守るために、金の値段を先物市場で下げようとするはず、グラム２８００円が底値か、今後も金は買うべき（ｐ２１６）

・日本の優良株は、日経平均が５０００円になるのが買うタイミングである（ｐ２２８）

・素材関連：住友金属工業（５４０５）、空気をきれいにする：富士通ゼネラル、太陽光発電・燃料電池：昭和電工、住友化学、東海カーボン、三菱重工業、水をきれいに：旭化成、小松製作所、川崎重工業等

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非常に面白かった。出版後2年半経っているが、副島氏の予想はほぼ的中している点が驚きだ。故中川財務大臣の死に関して陰謀であったか事が分かり、興味深く読ませて頂いた。