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紙の本
陰陽師 夜光杯ノ巻 (文春文庫 「陰陽師」シリーズ)
著者 夢枕 獏 (著)
博雅のもとを夜な夜な訪れる異国の美しい女性。語れども声は聞こえず、哀しい眼で見つめ、翌朝には、残り香とともに消えるその女が気になった博雅は、晴明に相談する。晴明は、帝より...
陰陽師 夜光杯ノ巻 (文春文庫 「陰陽師」シリーズ)
陰陽師 夜光杯ノ巻
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商品説明
博雅のもとを夜な夜な訪れる異国の美しい女性。語れども声は聞こえず、哀しい眼で見つめ、翌朝には、残り香とともに消えるその女が気になった博雅は、晴明に相談する。晴明は、帝より博雅が賜ったという、吉備真備が唐より持ち帰った音のならぬ琵琶に興味を惹かれる。果たして女性の正体は?「月琴姫」など全九篇を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
月琴姫 | 7−41 | |
---|---|---|
花占の女 | 43−79 | |
龍神祭 | 81−117 |
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書店員レビュー
陰陽師は映画になった...
ジュンク堂書店三宮駅前店さん
陰陽師は映画になったりコミックになったり、一時期の流行だと思っていたら、夢枕獏氏の作品には、流行だけでないなにかがありました。
シリーズをしばらく読んでいなくて、久しぶりに読んでみたら、やはり、おもしろい。
収録作「食客下郎」ラストの、博雅の台詞、
「いつ、おれが、どのような死に方をするにしてもだ…(中略)この世に、おまえがいてよかったと、おれはしみじみと今、そう思っているのだよ、晴明―」
に感動します。
源博雅と、安倍晴明のこの友情あっての、夢枕・陰陽師。
一話ずつの読みきり形式なので、どこから読んでもおもしろい。
初めて読む人にも、しばらくはなれていた人にも、おすすめです。
ジュンク堂書店三宮駅前店漫画館 水島
紙の本
清明、博雅の名コンビによる平安時代の神秘な世界の謎解き
2010/01/17 21:28
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに夢枕獏の陰陽師を読んだ。この文庫本シリーズは飽きが来ないようにという配慮なのか、集中して出版しない。忘れた頃に次が発刊される。確かに飽きが来ることはないのだが、忘れ去られてしまわないのだろうか? もう少し間隔を詰めた方が良いような気がする。
今回は9編の短編が集められ、「夜光杯ノ巻」と題して出版された。いずれのエピソードも、清明邸の庭を眺めながら、安倍清明と源博雅の二人が風流にも、庭の草花を愛でながら酒を酌み交わすところから始まる。
そして、事件が起きた現場に行こう行こうということになり、二人が揃って馳せ参じるわけである。清明が博雅から話を聞いた段階で、清明の方ではもうあらかた原因と結果が分かってしまっているようだ。現場へ行くのはその確認に過ぎない。現場に行くまでは、清明は博雅に自分の推理を話しはしない。それを博雅は気に入らず、「勿体ぶる」のは清明の悪い癖だと断じて責めるのである。
この辺りまではどの話にも共通している。それ以外では、今回のエピソードは比較的穏やかで、百鬼夜行という雰囲気はなく、鬼が人をバリバリ喰ってしまうようなグロテスクな場面は出てこない。したがって、それを期待していた読者には、物足りないかも知れない。
本書においては、京にある雲居寺の高僧、浄蔵師が二度登場する。三善清行の子息で徳の高い僧侶である。清明も博雅も歴史上の人物だが、歴史上著名な人物をしばしば登場させるのは、歴史愛好家にとっても興味深い。
浄蔵師については、前編はともかく、後編は高齢の高僧とは思えない恋愛の悲話である。このシリーズのエピソードは、百鬼夜行もあるが、男女の恋愛が成就せず、まだ諦めきれない相手に対する想いが落ち着き場所を求めてさまよっているというものも少なくない。
龍神祭では、蝉丸が登場し、蝉丸とともに三人で神泉苑を経由して天竺まで旅をするという面白い趣向もある。久しぶりに読んだが、相変わらずの娯楽傑作であった。うっかり気付かず、読まなかった長編の文庫版もあるようなので、早速、平安時代の闇の世界を堪能しよう。
電子書籍
「呪の話」はもう聞かないwww
2018/12/06 07:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『陰陽師 第10巻 夜光杯ノ巻』はまた短編集ですが、なんと収録作品9編。
博雅の笛にまつわる話が2編:「竜神祭」、「無呪」
幽霊話2編:「菊屋敷」、「魔界物小僧」
物や生き物の精が出てくる話3編:「月琴姫」、「月突法師」、「蚓喰(みみずく)法師」
地獄の獄吏が登場する話1編、「食客下郎」
恋バナ1編「浄蔵恋始末」。
どれもそれぞれの味わいがありますが、博雅の楽器に対する愛情がもろに分かる「月琴姫」や博雅の笛は神も妖も感動させるということが語られる「竜神祭」と「無呪」がほほえましくてお気に入りです。
「浄蔵恋始末」は70歳超えた坊さんの遅すぎた春ともいうべきストーリーで、お相手の女性は60過ぎで病にかかり余命いくばくもないおばあさん。40年前に出会って一時結ばれた仲だったそうで。そうね、忘れられない恋ってあるよね、なんて思いながら読みました。
相変わらず簀子で酒を酌み交わして語り合う晴明と博雅ですが、この巻では博雅が晴明の「呪の話」をもう聞こうとしなくなってるのが面白いですね。