がらくた （新潮文庫）

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不行き届きなこと、って言葉。ヤらしさが無くエッチを伝えるのに、とても便利な言い回しだと思う。
それにしても不倫の話ばかり書いているのに、女性に人気のある著者。これって女性の代弁なのですか？

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江國さんの小説に出てくる大人の女性って、大人の余裕を持ち合わせている女性ばっかり。
自分の子供な部分を見せ付けられて、惨めな気持ちにさせられる。
ミミのように。
ただ、「そんな大人の女性に将来なりたいか？」と問われたならば、あまりなりたくない…。
でも、この大人の余裕にたまに触れることは、女性として必要なことだと思う。

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2010/03/22 久しぶりに新作を読む。最近もれなく不倫してるようなきがするが、この人の文章はやはり落ち着く。

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恋愛というより、なぜか性の色が濃い。ちょっと狂気さえ感じてしまう。でもいやらしくない生々しさ。人の目とか規制概念とかに囚われない人たちだからこその関係なんだと思う。桐子さんとみみちゃんの世代を超えた関係はなんだか好き。写真のお礼に広辞苑、笑いました。

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自分が大切に守ってる大好きなものも他人からみたらがらくた

私は違うんでって清々しく言えるミミちゃんカッコよかった

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遠くってどこにあるんだろう。すぐ近くが一番遠いのかも知れない。でもそれはそのままでよくて、だから焦がれる。

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なんの事件も起きない、
静かに高級な日常がながれるだけの小説。
柊子さん視点では恋愛小説かも。
美海ちゃん視点では青春小説かも。
でも、ジャンルはどっちでもよくて、
コーヒーと、好きな音楽と一緒に
土曜日の午後を過ごすのにちょうどいい感じ。
ステッペンウルフは、聴いてみたいかも。

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最近、消化不良感で終わる作品が続いてる気がする…(-"-;)

今回の作品もそんな感じ。
健全でも、不健全でも美しさを損なわない世界観は好きなんだけど、個人的にはそれとなく感じられる結末が欲しいところ。
初期の頃は、もう少しそれがあったのだけれど、いつの間にかそれが無いのが江國作品の常套になってしまった？

相手を束縛しない（フリ？をする）ことで、お互いの所有欲を確かめ合う原夫婦も理解出来ないし、読み始めに予想した通り、原の浮気相手の一人になってしまった美海にも幻滅。
美海には、澱んだ大人の世界に足を踏み入れるのではなく、十代らしい（亘くんとの）恋を貫いて欲しかったなぁ…。

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随分前に文庫化されたのは知っていたが、何となく手に取らないままだった。
40代の女性の一人称と、15歳の少女の一人称とで交互に描かれた物語。
江國作品では、異なった立場の女性の視点から、同じ時間を眺めるようなものが好きだ。
「ホリー・ガーデン」、「神様のボート」、二人ではない複数の人間だが、「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」もそうだ。
ただ、この「がらくた」はどうかというと、うーん。
面白かったが、そこまで心惹かれなかった。うまく言えないが、主人公である二人の間にあまり繋がりを感じられなかったせいかもしれない。勿論二人の間に共通に介在する人間は複数いるんだけど、その人間の内面が見えないのも印象に欠けている原因かも。
また忘れた頃に読み直せば感想も変わるかもしれない。

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島清恋愛文学賞受賞作。
この小説に登場する人たちはとても自由です。というより、一見する限り、とても自由な生き方をしています。
けれど、自由になるためには、それなりの覚悟と勇気が必要なはずです。自由には責任が伴います。自ら大きな責任を負って、生きていかなければなりません。世間からははみ出してしまうでしょうし、周りの人の理解を得るのも難しいでしょう。自由に生きるということは、実はすごく孤独な作業なのかも知れませんね。自由な生き方には憧れますが、その一方で怖ろしくもあります。
ひと目見たところ自由を尊び、楽しんでいるような彼ら、彼女らも、満たされない何かを求め、拠りどころを探し、拘束されることによって安らぎを得たいのかも知れません。それとも、そのようなことはあえて意識の外に置いて、心の赴くまま、奔放に振舞っているのでしょうか？それがあたかも、ごく自然なことであるかのように装って。
これはたいへん不道徳な小説です。けれど、江國さんの手に掛かると、どうしてこんなにもエレガントな優しい物語に仕上がるのでしょう？がらくたとは、壊れてしまったもの。捨て去るべきもの。悲しくて、それでいてなお、愛おしいもの・・・そんな気がします。

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大人の恋TOP3　江國香織のEROSって帯ですが、拡大広告だと思う。
特に事件も何も起こらない。
夫婦1組とその娘の母、リゾート地の父(父母は離婚した)娘、その父の店の従業員♂、その娘の母、登場人物は少ない。
裕福と知性とスタイリッシュ？とにかく身近なストーリーではない。
'12.01.04読書完了

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江國さんの小説を読むと、いつもだけれど読後が何とも言えない空気になる。
言葉でその作品の感想を決定してしまうのはとても惜しいような気がする。
けだるくまとわりつくような、あぁ、この子はきっとあの人と関係を持つのだろうなと
思わせる通りにまた、そうなるのだけれど、それが少しも私を不機嫌にさせない。
きっと何もかもがこの作品の人たちの中で通過点にしかなりえないからだと思う。
結論を出さないこの空気の良い淀み方が私は本当に好きだと思う。
無理やり、何でもかんでもに結論をつけたがって、私は私の中で一つ一つの
物事に決着をつけたがっている。けれど、そうそう決着がつくことなんてないし、
また新しい決着をつけるものがでてきてしまうのだ。
だからこの続いてきた時間とこれから続いていく時間の間を切り取った
江國作品は私にはたまらない。

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いつまでもこんな恋愛至上主義の作品を書ける作者はすごい。子育てしているとそういったことが遥か昔のことに感じられ、自分とは程遠いことのように思えてくる。それでも恋愛のドキドキは楽しめた。野ばらの解説に納得。彼の本も読んでみたくなった。

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ある映画のレビューで、「純愛が一番怖い」といった言葉があったけれど、彼女の小説にはまさにその怖さがある。恋愛小説という位置づけだけれど、まるでホラーを読んでいるかのように、背筋がぞっとする瞬間が必ずあるのはそのせい。この小説だと315頁。

“亡くなった夫を崇拝しすぎていて、他のことには一切関心がない”さやかさんは、離婚を経験したミミの母に「生きている相手に対して、感情を不変のまま保存することはできないのよ」と言う。

対して柊子さんは、ミミと“存在も不在もすべて所有したい”夫の前で確信をもって言う。「ほうっておけば果物は腐るけれど、ジャムにすればとっておける」と。