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読割 50
紙の本
セピア色の凄惨 文庫書下ろし/長編ホラー (光文社文庫)
著者 小林 泰三 (著)
「親友を探してほしい」。探偵は、古ぼけた四枚の写真を手がかりに、一人の女性の行方を追い始める。写真に一緒に写っている人々を訪ねていくが、彼らの人生は、あまりにも捩くれた奇...
セピア色の凄惨 文庫書下ろし/長編ホラー (光文社文庫)
セピア色の凄惨
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商品説明
「親友を探してほしい」。探偵は、古ぼけた四枚の写真を手がかりに、一人の女性の行方を追い始める。写真に一緒に写っている人々を訪ねていくが、彼らの人生は、あまりにも捩くれた奇妙なものだった。病的な怠惰ゆえに、家族を破滅させてゆく女。極度の心配性から、おぞましい実験を繰り返す女…。求める女性はどこに?強烈なビジョンが渦巻く、悪夢のような連作集。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
待つ女 | 27−79 | |
---|---|---|
ものぐさ | 83−125 | |
安心 | 131−180 |
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紙の本
こういう本に出会うと、得した気持ちになります。ホラー作家だと思っていたのが、いつの間にかミステリを書く、しかもかなり立派な、と考えを変え始めていたら、連作でこのレベルまで来てしまった。お見事!
2010/10/28 18:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒田潔のイラストは、いかにもホラー小説らしいもの。といっても表立ってグロテスクだとかオドロオドロしいとか、そういうものではなく、でも官能的というのとは明らかに違っていて、どこか透明感のある冷たさ、怖さがあるわけです。しかも、白地に黒の線描でまとめることはしないで、赤を一箇所入れる、その効果たるやまさに「血と薔薇」です。
カバー後ろの案内
セピア色の凄惨◇小林泰三
「親友を探してほしい」。探偵は、古ぼけた四枚
の写真を手がかりに、一人の女性の行方を追い
始める。写真に一緒に写っている人々を訪ねて
いくが、彼らの人生は、あまりにも捩くれた奇
妙なものだった。病的な怠惰ゆえに、家族を破
滅させてゆく女。極度の心配性から、おぞまし
い実験を繰り返す女…。求める女性はどこに?
強烈なビジョンが渦巻く、悪夢のような連作集。
カバーデザイン 斉藤秀弥
カバーイラスト 黒田 潔
カバー印刷 堀内印刷
文庫書き下ろし
書下ろしらしく構成は面白いです。私などは目次を眺めて、ああだこうだと色々考えてしまいました。でも、悩むほどのことはありません。そのままです。つまりレイという女性を探してほしいという女性と、それを請け負った探偵の、まずは依頼内容の確認の様子と、一週間ごとに必ず経過報告を求める依頼人に対する報告部分とからなっている、そう思ってください。最初の「探偵と依頼人」はプロローグ、最後のそれはエピローグだと思ってください。
そう理解すれば、その間に四つの報告書があり、それをめぐる三つの会話がある、そういう構成です。ちなみに、依頼人は年齢不詳ではありますが、探偵から「お嬢さん」といわれ「それほど若くはない」と答えていますから20代後半でしょうか、探してほしい相手のことをどんどん忘れてしまう点を除けば、ごく常識的な考えをもった女性です。
それに対して探偵のほうは、といえば、これまた年齢不詳というところまでは似ていますが、正直、真面目に探偵をする気があるのかどうかよく分かりません。しかもです、彼の依頼人に対する態度もですが、報告する内容のほうも、これが果たして依頼に応えているのか疑問を抱くようなものばかり。おまけにそこに登場する人間は、異常なまでにねじれています。どれほどのものかは、読んで味わって、苛ついてもらうとして、簡単に内容に触れれば
探偵と依頼人
待つ女 :大学祭で思い切ってナンパしてみた男と、翌日、デート先の公園で出会うことの出来た女との人生・・・
探偵と依頼人
ものぐさ:楽して人並み以上の生活をしたい、それが女が思う「人並みの生活」。収入の少ない夫を会社に行かせたあとは・・・
探偵と依頼人
安心 :何をしていても不安で仕方がない、たとえば金魚、水道水のカルキが悪いという、でもどう悪いのか実験を・・・
探偵と依頼人
英雄 :だんじりで父親が死んで以来、だんじりを見る気もしなくなっていた少年をいつも庇っていてくれたおじさんんは・・・
探偵と依頼人
で、立派にミステリしています。最後は、立派! 予想外でした。