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- カテゴリ:一般
- 発売日:2010/03/12
- 出版社: 福音館書店
- サイズ:21cm/205p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8340-2550-7
紙の本
絵本が目をさますとき
著者 長谷川 摂子 (著)
長年、子どもと絵本を読みつづけてきた著者が、子どもへの思い、絵本への思いをこめてつづる絵本案内。『母の友』連載に加筆修正し、一部書き下ろしを加えて単行本化。【「TRC M...
絵本が目をさますとき
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商品説明
長年、子どもと絵本を読みつづけてきた著者が、子どもへの思い、絵本への思いをこめてつづる絵本案内。『母の友』連載に加筆修正し、一部書き下ろしを加えて単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
月刊「母の友」の好評連載が単行本になりました。本書は、長年子どもと絵本を読みつづけてきた著者が、子どもへの思い、絵本への思いを、若い母親"K子ちゃん"への手紙にこめてつづった絵本案内です。K子ちゃんからの様々な問いかけに、著者は具体的な絵本を取り上げ、絵本読みの場での豊かな体験を織り交ぜながら、子どもの成長を見つめて答えます。絵本案内であると同時に、子育て中のお母さんに限りないエールを送る一冊。【商品解説】
著者紹介
長谷川 摂子
- 略歴
- 〈長谷川摂子〉島根県生まれ。東京大学大学院哲学科中退。公立保育園で保育士として6年間勤務した。「人形の旅立ち」で椋鳩十児童文学賞、坪田譲治文学賞、赤い鳥文学賞を受賞。
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紙の本
正直、K子さんの長谷川への依存ぶりに異常さを感じてしまいます。やはり、ある時点から自分の判断で本を選ぶようにならなければ。もちろん、本を読まない、という選択も含めて。でも、本について人に教えるっていうのは、教わるよりずっと楽しいんです、ホント・・・
2010/12/18 23:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
発作的に絵本関連の本を読みたくなります。絵本、ではなくて絵本について書いたもの。最近では、君島久子『「王さまと九人の兄弟」の世界』(を読みましたし、そこそこ古いものであれば、長新太『子どもの本諸国漫遊記、五味太郎・小野明『『絵本をよんでみる』、松居直『絵本の現在 子どもの未来』がありました。
2000年以降であれば松居直『絵本のよろこび』、椎名誠『絵本たんけん隊 小さな まぶしい タカラモノをさがしに…』、脇明子『読む力は生きる力』、五味太郎『絵本を作る GOMI TARO PICTURE BOOK WORKSHOP』、神沢利子『同じうたをうたい続けて』などを読んでいます。
児童書を積極的に読む、という意識はありません。ふと思いついたときに手にしている、そんな感じでしょうか。個人的には作家のもののほうが型に嵌らず面白いとはいえます。長新太、五味太郎の本は思い出すだけで頬のあたりが緩んできますし、椎名誠の自由な、それでいて的確な選択眼も流石です。神沢利子のものなどは、実作者の人生をすら感じさせ、ただただ頭が下がってしまいます。
それに対し、松居直は、出版に携わる者、君島久子は研究する者、脇明子は大学で教鞭をとる者として児童書、絵本について語ります。どうも、実作やもの作りの現場から離れる人の話ほど、決まりきって大げさ、いかにも教えてやろうふうのものになる傾向にあるようです。で、長谷川摂子は子どもたちと絵本を読み、詩やわらべうたを歌い、お話をしたりしている、読者である子どもに対する最前線にいる人です。
この本は、その長谷川が子育てに忙しいK子さんへの書簡の形をとって、成長する子供たちに合わせた本を紹介していくものです。読んでもらえば分かりますが、はじめての絵本に始まり、最後は成長した子供たちに相応しい本で締めくくられます。連載された月刊誌の関係で、福音館書店の本が多いのはいたし方ありません。これは贔屓、ということではなくこの分野における福音館書店の占める役割の大きさの反映でもあるのでしょう。
とはいえ、取り上げられる本は、ただただ定番の誰もが知っているものだけではありません。私が知らないものもずいぶんあります。『三びきのやぎのがらがらどん』『ぞうのババール』『ぐりとぐら』あたりはともかく、『タンク・タンクロー』『のらくろ小犬時代』『あんぱんまん』『あんみつ姫』となると、今までの児童文学論者は目を背けて来たものも扱います。数も多い。ここらは、本当に普通の子供たちに直に接している故の選択でしょう。
ま、私などは図書館の司書さんや、長谷川のような専門家の意見ではなく、あくまでも自分の目や同世代の友人たちの話を聴いて本を選んできて、大して失敗もしていないので、K子さんの長谷川への依存ぶり(長谷川のK子さんへの、ともいえます)のほうが気になって、人によってはそういう関係の中で薦められる本に不自然さを感じる人もいるかもしれません。でも、選ばれた本は私が見ても面白そうなものばかり。
優しい温かみのある色合い、今村麻果の愛らしくシンプルな装画、手に優しい桂川 潤の造本、スタジオタカハシの沢山の写真、この本片手に本を選んでいれば、失敗することは絶対にない! そういう本ではないでしょうか。最後に目次を写しておきます。是非、実物で確認してみてください。 なお、本書は、月刊誌「母の友」2000年4月号~2002年3月号連載に加筆修正し、一部を新たに書き下ろしたものだそうです。
目次
1 はじめての絵本 :『くだもの』『バルンくん』
2 遊びと物語 :『おつきさまこんばんわ』
3 歌う絵本 その1 :『おおきくなったら』『こっぷ こっぷ こっぷ』『たまごのあかちゃん』
4 歌う絵本 その2 :『おだんごぱん』『ぐりとぐら』『めっきらもっきら どおんどん』ほか
5 くりかえしの楽しさ :『三びきのこぶた』『どろにんぎょう』『きつねとねずみ』
6 物語への橋渡し :『おおきなかぶ』『おやすみなさい コッコさん』
7 物語絵本と子どもの心の成長 その1:『てぶくろ』『バルンくん』『絵本はともだち』『おおかみと七匹のこやぎ』
8 物語絵本と子どもの心の成長 その2:『三びきのやぎのがらがらどん』
9 しあわせな絵本:『ぐりとぐら』
10 生まれてきてよかったというメッセージ:『ぞうのババール』
11 絵本の読み方のコツはある? :『がちゃがちゃ どんどん』『ぬればやまのちいさなにんじゃ』『きょだいな きょだいな』
12 笑いをさそう絵本 :『いない いない ばあ』『ごろごろ にゃーん』『もこ もこもこ』『ぐやん よやん』『あそぼうよ』
13 ユーモアとナンセンスって? :『ふしぎの国のアリス』『めんどりのルイーズ』ほか
14 長新太の魔法の庭 :『にゅーっ する する する』『キャベツくん』『つきよ』『あかいはなとしろいはな』
15 スズキコージ・ワールド :『きゅうりさん あぶないよ』『世界の神話・世界の民話』『ひつじかいとうさぎ』『すいしょうだま』『大千世界のなかまたち』
16 片山健の「暑リみつき絵本」 :『どんどん どんどん』『おなかのすく さんぽ』
17 良い絵本とは――昔話絵本を選ぶとき:『三びきのやぎのがらがらどん』『三びきのこぶた』『ふくろにいれられたおとこのこ』『つるにょうぼう』『しろいむすめマニ』『ねむりひめ』
18 絵本の中の子ども その1 :『とん ことり』『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』ほか
19 絵本の中の子ども その2 :『じのないえほん』『こいぬのくんくん』『あがりめ さがりめ』ほか
20 子どもの目・大人の目 その1:『あんぱんまん』『ぐりとぐら』『おおきくなったら』ほか
21 子どもの目・大人の目 その2:『ぼくの絵本美術館』『あんみつ姫』『おしゃべりなたまごやき』ほか
22 童画について :『絵本論』『小人といも虫』『おやゆびちーちゃん』『童画の世界』
23 存在の不安を癒す快い絵本 :『それいけ! アンパンマン』『ヘヤー・インディアンとその世界』ほか
24 K子ちゃんへの最後の手紙 :『冒険者たち』『宝島』『床下の小人たち』『大きな森の小さな家』
あとがき