「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
東大卒僧侶の「お坊さん革命」 お寺は最高のエンタメ発信地 (講談社+α新書)
著者 松本 圭介 (著)
気鋭の僧侶による「素晴らしいのにパッとしないニッポンのお坊さん」への提言。自身が企画した「お寺カフェ」などの体験で学んだこと、新卒で飛び込んだ仏教界で見たことや感じたこと...
東大卒僧侶の「お坊さん革命」 お寺は最高のエンタメ発信地 (講談社+α新書)
東大卒僧侶の「お坊さん革命」―お寺は最高のエンタメ発信地
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
気鋭の僧侶による「素晴らしいのにパッとしないニッポンのお坊さん」への提言。自身が企画した「お寺カフェ」などの体験で学んだこと、新卒で飛び込んだ仏教界で見たことや感じたことをつづる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
松本 圭介
- 略歴
- 〈松本圭介〉1979年北海道生まれ。東京大学卒業。法名・釈紹圭。浄土真宗本願寺派僧侶、布教使。光明寺所属。インターネット寺院『虚空山彼岸寺』設立。著書に「おぼうさん、はじめました。」等。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
聖域なき議論のための「課題図書」。
2010/08/22 16:50
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『おぼうさん、はじめました。』の著者が、お坊さんを始めてしばらく経ち、いろいろ考えいろいろ実践しています、ついては、こういう提案があります‥‥という本。
わたしは著者と同じ浄土真宗の僧侶で「寺族」だ。寺で暮らしている家族のことをそう言う。学生の時は一応お寺を離れて東京や京都で一人暮らしをしていたが、今は北海道の生家・お寺で暮らしている。いわゆる「どっぷり」状態である。そうなると、お寺が「世間一般」とは異なり、結構特殊な環境であることがよくわからなくなってくるし、お寺が何のためにあるのかも、やっぱりよくわからなくなって来る。そして、世間一般の人と自分との間にある「お寺」や「宗教」、「仏教」などとの向かい合い方、理解の仕方、そういうのが全然違うことにもどんどん鈍感になってくる。
それじゃあやっぱりいけないわけで、それもあって読んでみた。
‥‥うーん。耳が痛い。「どっぷり」に気を付けて暮らしているつもりだが、やっぱり気を付けても気を付けすぎることはないとあらためて思う。
いろんな提言がなされている。「その通りだ!」も「それはどうかな?」も「そんなこと言っても‥‥」も、いっぱい詰まっている。たくさん唸らされたり汗をかかされたり気が滅入ったりした。
なかでも「そうそう!」と思ったのは、「在家」の考察と、お葬式についての考察である。
真宗の僧侶が一人のこらず「在家のお坊さん」であることからくるいろいろな矛盾は、著者にまかせておかず、わたしもきちんと考えなくてはいけないと思う。(しかしどうやって考えていけば良いのか。)
また、僧侶が「直葬」や「無縁社会」など、葬儀形式や看取りの変化のあれこれ、人と人とのつながりの希薄さなどを考えるとき、「根底には「このままでは自分たちの生活が維持できなくなる、だから今のうちになんとかしなければならない」という、宗教的な動機とは関係のない世俗的な動機があるにもかかわらず、それを直視することなしに、宗教的理念で装ってしまっている」問題も指摘される。「無意識になされる保身的な議論」が怖いということである。「仏教界を、世界を、本当に良い方向に持って行きたいと思ったら、私たちは聖域を残さずに真剣に議論しなければならない。」そのとおりだなあと思いつつ、課題の深刻さにお腹がきりきり痛む。
一般向けか僧侶向けか、対象がどうもはっきりしないように思って読んだが、それは関係ないことに気付いた。どのような思いで書かれた本であれ、もらうべきものがいっぱいあるからわたしのための本である。
また、真宗の僧侶ではない人が読んでも、お坊さんの「本音」以上のものが聞けるので大変おもしろいと思う。提言もある。
読書感想文なんかとは別の意味での「課題図書」だと思う。特に真宗の僧侶は必読だ。そして「聖域を残さずに真剣に議論しなければならない。」
重要な課題をたくさんありがとう、正直「うへえ」です。‥‥なんて言ってばかりいないで、しっかりしなければ。