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ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)
空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわな...
ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)
ザ・ロード
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商品説明
空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして—。世界は本当に終わってしまったのか?現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【ピュリッツァー賞(2007年度)】【「TRC MARC」の商品解説】
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書店員レビュー
基本的な状況設定についての説明が省かれ...
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん
基本的な状況設定についての説明が省かれ、進行途中の物語の流れにいきなり直面させられるようないささか唐突な書き出しの筆法にも関わらず、この小説の舞台となる世界を覆う全体的な雰囲気や情景の質感といったものに、最初の10頁も読み進まないうちから自分があまりにもすんなりと違和感なく相対し得ていることに驚いた。昨年一年の経験が大きく与っているのはもちろんであろうが、それにしても「〈その日〉の後の世界」じたいがもはや、畏怖を覚えつつ暗い情熱をもって夢見られる想像上の現実などではなくなっているのかもしれない。感覚のうえで、それくらい地続きになってしまっているのである。
本作において著者は、ある種典型的な終末ものSFの外観を借用しつつ、人間的な基盤の崩壊した世界で主人公親子のたどる過酷な道行きと苦難の日々を、細部の厳密さのきわだつ独特の強靭な文体で、むしろ直線的に描ききってみせる。繰り返される親子の対話の中で、少年のイノセンスと彼に寄せる父親の悲痛な心情が浮き彫りになるが、両者の思いは必ずしも真直ぐには行き合わず、時にすれ違う。そこに生じる信頼と葛藤のドラマもまた、読み所のひとつ。重厚な異色作。井上
紙の本
やっぱりこの人は現代アメリカ文学で忘れてはいけない人の一人
2019/01/24 22:20
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アカデミー賞を受賞した「ノーカントリー」(日本では「血と暴力の国」というタイトルで書籍化されている)の原作者として有名。85歳でご健在だ。核戦争?で廃墟となったアメリカを食べ物を求めて放浪する親子を描く。世紀末の世界というと「北斗の拳」をすぐに思い出すのだが、あの作品と比べ女性があまり登場しないということにこの作品のリアルさが伝わってきて怖い。おそらく、一番大事なものは食べ物という世界では女性は真っ先に腕力のある男性の食料となってしまうだろう(もちろん、その前にレイプも)。そんな世の中ではハッピーエンドは無理だろうが、考える中での最高のハッピーエンドの一つではないかと私は信じる