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紙の本
ベイジン 上 (幻冬舎文庫)
著者 真山 仁 (著)
中国の威信を賭けた北京五輪の開幕直前。開会式に中継される“運転開始”を控えた世界最大規模の原子力発電所では、日本人技術顧問の田嶋が、若き中国共産党幹部・〓(とう)に拘束さ...
ベイジン 上 (幻冬舎文庫)
ベイジン(上)
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商品説明
中国の威信を賭けた北京五輪の開幕直前。開会式に中継される“運転開始”を控えた世界最大規模の原子力発電所では、日本人技術顧問の田嶋が、若き中国共産党幹部・〓(とう)に拘束されていた。このままでは未曾有の大惨事に繋がりかねない。最大の危機に田嶋はどう立ち向かうのか—。時代の激流と人間の生き様を描く著者の真髄が結実した大傑作。【「BOOK」データベースの商品解説】
〔東洋経済新報社 2008年刊の修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
証明:事実は小説より「危」なり
2011/07/13 08:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かいらぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前回の書評は2007年、中越沖地震の後だった。
そして再び、東日本大震災を受けて書評の筆をとった。震災以上に日本という国を揺るがしたフクシマ危機をデジャブのように感じさせる小説、それが本書であるが、を思い出したからである。
表題のベイジンとはつまり北京のことであるが、オリンピックを目指した猛烈な発展とそれを支えるための原発建設の物語である。原発はどこの国でも膨大な利権がからむため、政治の動きに翻弄され、現場のエンジニアが目指す安全指向が捻じ曲げられ、国家の威信と利権を貪る道具として作られてしまうことが物語として繰り広げられる。そこには腹黒い政治家、闇組織も当然のように群がってくるが、これを撥ねのけるのは、エンジニアの信念である。
物語は中国を舞台として、安全性よりも利権を貪ることに重きを置く政治家や闇組織、事故発生時に捨て身で収束を図る現場エンジニアたち、保身に走る「責任者」たち、重大な危機に直面してもパフォーマンス優先の政治家たち、が描かれている。これらをそっくりそのまま日本人キャストとしたものがフクシマ危機であり、デジャブである。
この小説を読んだのはちょうど1年前だった。その時の感想は、「中国ならありうる、そして中国で事故が起きればたちまち日本は被害を受けるではないか・・・」というところだ。しかし、これは安全神話を刷り込まれた末の安っぽい感想に過ぎなかったことがわかった。これを読んで、われらの足元を見直すことすら発想できなかった。そして、「素人」の小説家が想定ができることを日本の「専門家」そして政治家たちは誰も想定できなかったことが3・11で証明されたのだ。
小説に次のような件がある。
「メルトダウンを防ぐには水があればいいんですよ」
「消防車の高圧ポンプを使って、海水で冷やすわけにはいかないんでしょうか。」
「ヘリからも同じことができると思います」
「我々が原子炉の暴走を止められなければ、世界中の原発が停まるかもしれません」
そして「フクシマ」は「ベイジン」を超えた・・・
事実は小説より「危」なり、が証明されてしまった。
電子書籍
日本の現状をも考えられる1冊
2017/11/26 13:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国での原発建設をテーマにした小説です。日本での311の件との直接の関連はないものの、考えさせられる内容です。