- カテゴリ:一般
- 発行年月:2010.5
- 出版社: 角川学芸出版
- サイズ:19cm/257p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-04-621428-7
紙の本
短歌の作り方、教えてください
短歌初体験のアーティスト・一青窈を、俵万智が1年半にわたってマンツーマン・レッスン。定型と仲良くなりたい人に役立つヒントが詰まった、画期的な短歌入門書。穂村弘を迎えた吟行...
短歌の作り方、教えてください
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商品説明
短歌初体験のアーティスト・一青窈を、俵万智が1年半にわたってマンツーマン・レッスン。定型と仲良くなりたい人に役立つヒントが詰まった、画期的な短歌入門書。穂村弘を迎えた吟行会も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
俵 万智
- 略歴
- 〈俵万智〉1962年大阪生まれ。「心の花」所属。角川短歌賞受賞。歌集に「プーさんの鼻」など。
〈一青窈〉1976年東京生まれ。「もらい泣き」で歌手デビュー。著書に「明日の言付け」など。
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紙の本
俵万智さんと一青窈さん 一年半にもわたる短歌のマンツーマン「実作レッスン」の記録
2010/06/13 18:44
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歌人の俵万智さんと歌手の一青窈さん。
このお二人が共演した一冊!一年半にもわたる短歌のマンツーマン「実作レッスン」の記録、です。
「世の中には誰かが何かにあてた
たくさんの伝えたいことだらけで溢れていて
その中から言葉という媒介を選び
短歌という手段を選び
三十一文字におさめる作業は一見すると小さな企みのように見える。けれど私は書かれている文字以外の世界すべてを見ることができるこの”短歌”という宇宙に魅せられて…」
とまえがきで、一青窈さんは語っていました。
伝えたいことだらけで溢れていて…というフレーズは彼女らしいなぁ~、これまで音楽で表現していた、そのあふれんばかりの気持ちが、どんな短歌になるのだろうか…。
おのずと期待は高まります。
「歌に何かふくらみをもたせるためにはどうしたらいいんでしょうか?」一青さんの問いに、俵さんは「自分の”想い”を出発にすることじゃないかな」とアドバイス。
まずは短歌の種の見つけ方からはじまり、
日常の詠い方、
コミカルな短歌とは、
字余りでもオッケー、
駄洒落も立派なことば遊び…と、実作レッスンが続きます。
一青さんの短歌に、俵さんの推敲が入ります。
「彼女が、だんだん定型と仲良くなって、自分らしさをうまく出せるようになっていく過程が、この一冊には記録されています。その過程は、短歌の難しさだけではなく、短歌のおもしろさ、言葉の不思議さに満ち満ちているものでした。」
俵さんはあとがきで、こうふり返って言われていました。
のびのびしたダイナミックな短歌だなぁ~一青さんの作る短歌の印象です。例えば、こんなかんじ。
「もらい泣き」情熱的なアレンジで叩くカホンはンバラカンバラカ」
一青さん作のこの短歌に、俵さんの推敲が入って、次のような改作に。
「もらい泣き」スパニッシュアレンジで叩くカホンはンバラカンバラカ」
さらに推敲され、最終的には次のような完成形に。
「もらい泣き」スパニッシュっぽいアレンジで叩くカホンはンバラカンバラカ」
まさに一青さんにしか歌えない一首ですと言われる俵さんのコメントに、大きくうなづくのでした。
歌人の穂村弘さんとご一緒の吟行会、歌人の斎藤斎藤さんとご一緒に題詠歌会もありました。
一青さんの溢れんばかりの想いを込めた短歌世界の変遷、どうぞじっくりと味わってください。(^-^)
紙の本
15回の短歌実作レッスン、万智先生は本当にやさしい。
2010/10/25 12:46
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
俵万智×一青窈の組み合わせは何とも魅力的なので、すぐに手に取っ
た。往復書簡という形での15回の実作レッスンがあり、その間にゲスト
に穂村弘さんを迎えた本郷界隈の吟行と歌人の斉藤斎藤さんを迎えた題
詠歌会が入っている。はてさてどうなるのか?興味津々である。
「ハナミズキ」の例を挙げるまでもなく一青窈は優れた詩人である。
短歌に関してはまったく初心者と言う彼女だが、やはりどんな歌をよむ
のかと期待してしまう。しかし…。斉藤斎藤さんは彼女の短歌は「とこ
ろどころとぐろを巻いている」と言っている。斉藤氏はほめてるのであ
ろうが、ちょっと短歌をかじった程度の人間(僕です)が暴言をはくと、
とぐろの巻き過ぎっ!って感じだ。では、一青さんの歌、「野次写メラ
ー 長く伸びるは片手のキリン upupで あきはばらばら」。う〜む。
しかし、こんな歌にも万智先生はやさしい。すごいなぁ。そして、この
後、添削かと思ったら、先生は感想を言うだけで推敲して別案を出させ
るのだ。初心者にいきなり推敲っていうのはなかなか厳しいぞ。
でも、ここで一青窈はかなり大胆に最初の歌を変える。これは俵万智
もスゴい!と驚いている。とはいえ、一青さん、先生の話をちゃんと聞
いてないじゃないか、って感じもあるのだが…。そこが一筋縄にはいか
ないクリエイターってことなのか。誰もが「うまい!」っていうような
歌を作るよりは一青窈らしくていいのかもしれないが。定型に苦しみな
がらも最後の方ではちょっとクリア出来たような彼女であった。読んで
みると自分も短歌作れそう、とヘンな自信が湧いてくる一冊である。