紙の本
ライトノベル系時代小説の開幕
2011/09/11 10:35
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
疲れていたのか、和みを求めていた気分だったので、ものすごく可愛らしい表紙に惹かれて手を出した本書。
サブタイトルの『もののけ本所深川事件帖』から類推するに、これはきっと『しゃばけシリーズ』みたいな感じだな。
じゃあきっと、癒されるだろう。
と予測して読み始めた。
結果は、期待通りに癒され、しかも楽しくって大満足。
『しゃばけシリーズ』はしっとりと情緒あふれる感じだが、本書は元気いっぱい、明るい気持ちになれる。
一言でいえば、オサキモチの周吉とオサキが活躍する時代劇なのだけど、オサキとはなにか?
オサキとは一説によればイタチのようであり、また一説によれば小さな狐のようであり、要するに見た目は可愛らしい動物であるらしい。
しかしその本性は妖狐であり、尻尾の先が二つに裂けていることから「オサキ(尾裂き)」の名が付けられている。
また、オサキを使役する人間はオサキモチと呼ばれ、代々、その家の人間にオサキは憑く。いわゆる憑き物筋の家柄だが、周りから疎まれ、迫害されるのが常であったらしい。
ということで、本書の主人公であるオサキモチの周吉は役者にしてもいいような美形だが、どうしようもなく野暮な男だ。
が、常人にはないような力を持ち、白いキツネのように愛らしく、しかし口の悪いオサキとともに、奉公先とわが身に降りかかった厄介ごとに立ち向かう。
周吉のとぼけた性格、ユーモアたっぷり、しかも洗練されたな語り口で、すいすいと読める本書は、ライトノベル系時代小説だ。
周吉とオサキだけでなく、奉公先の主人夫婦やその一人娘、謎の浪人と、個性の強い脇役たちも勢揃い。
語り口がライトなのでさっくりと読めてしまうが、周吉とオサキは共につらい過去を背負っているし、語られている内容は鬼となってしまった人間の心である。
読み終えてみると、意外と中身の詰まっていた感触に、満足のため息が出た。
また、お気に入りのシリーズが一つ増えちゃった。
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オサキモチの主人公が活躍する時代物。
主人公の青年とオサキのやり取りは面白いし、脇キャラも個性的なのだけど(特に蜘蛛ノ介)、どうにも物語として楽しむところに至らない。
小さなエピソードを重ねて大きなお話にする手法はよくあるのだが、そのエピソードがあまりにバラバラでおいていかれてしまった感じ。
設定はすごく好きだっただけに残念。
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表紙のカワイイ絵柄からもわかるとおり、ポップでキュートな時代小説で、今、こんな話が読みたい、と思っていた欲求を満たしてくれる作品でした。
ところで、佐平次が登場するシーンで、氏名の漢字表記が、佐平次だったり、左平次だったり入れ替わるんで、てっきり叙述トリックへの伏線かと思ってしまいましたが、単なる誤植だったようです。
これから読まれる方は、同じ轍を踏まぬようお気を付けを。
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主人公とオサキのコンビはなかなか魅力的だったが、いかんせん読んでいて首をかしげる部分が多い。お話にのめりこもうとすると逆に交わされてしまうような感じで、最後の章になるまでなかなか気分を乗せられなかった。
他の登場人物の蜘蛛之介や、鵙屋のしげ女など含みを持たせた感じのところも表現が控えめすぎて??となる。この先続刊が出れば納得がいく部分もあるのかもしれないが、そういう伏線ならもう少し控えめに張ってほしかった。
キャラクターとネタは面白そうなんだけど、構成がわかりにくいので星3つ。
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しゃばけに乗っかった感じかなぁ、と思って手に取ったというのは否定しないかんじです。書く人が違えば雰囲気は違うなぁと思いますが。
読みやすいとは思うのですがー…。
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このミスシリーズの隠し球という事で、このシリーズには
珍しく時代ものです。ただの時代ものではなく妖怪ものが
合わせ技で読ませてくれます。
主人公の周吉とその相棒の妖怪オサキが周囲の殺人事件、
そして恋仲になりそうな娘、お琴の誘拐の捜索に身を
乗り出す...といった時代活劇です。
殺人事件や誘拐事件の真相とそこに至る下手人の
動機など、やや説得力に欠ける部分もあり、
時代ミステリとしてはやや弱い...かしら?
とは言え、このミス選考の大森望氏の絶賛コメントに
あるように、確かに周吉とオサキとの掛け合い漫才の
ようなコンビの会話はなかなか面白く、まだまだ謎の
多そうな剣術士、テキ屋などキャラには魅力もあり、
続編以降シリーズ化して欲しいと思わせます。
時代ものの入り口としてはいい作品なのかも。
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読み味はかなりライト。
改行も頻繁ですし、言葉遣いが現代風なので時代物を読みなれていない人でもとっつきやすいと思います。
オサキの口調がかわいらしいし、それに振り回される周吉もぼんやりしている感じがかわいらしい。
しかし非常に回りくどいというか、なかなか本筋にお話が進みません。
周吉の能力が徐々に明らかになるのはともかく、その能力を披露するたびに「オサキモチ」であることを説明したりオサキと比較したりする文があるのがちょっとくどいように思いました。
また、登場人物のおもわせぶり方がギャグ漫画のようです。
周吉を追い出した側である新市がどうしてあんなことになったのか、とか真犯人の動機だとかをもっと丁寧に読みたかったなぁと残念な部分も多かったです。
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うーん。「しゃばけ」にちょっと似ていて,設定はとっても面白いんだけどな。読んでいて,枝道にそれるそれる。あっちこっちに話が飛んで,まとまりがない。ある状況を説明するために,別の状況に話が飛んで,その状況のまた別の状況を説明するためにさらに別の状況に話が飛んで。まあ,最終的な着地点にはちゃんと到達するんだけど,なんだかバラバラなピースをこねくり回してやっとパズルが出来上がった,みたいな感じ。物語の世界にぐっと入ろうかなって思っていると,つまみ上げられて別の場面に落とされちゃうみたいな。もうちょっと,物語の道筋がしっかりしてると面白い!って言えるけどな。
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このミス大賞の『隠し玉』賞……って、つまり審査員特別賞みたいな感じ?
江戸で、妖怪絡みで、主人公はイケメン手代なんだけど……なんだろう、何だか色々中途半端な感じなんだ。
江戸面も中途半端。
イケメン要素も中途半端。
妖怪も中途半端。
殺陣の類も中途半端。
ミステリーも中途半端。
ラブロマンスも中途半端。
期待してたのに、微妙にむず痒い読後感だった…(´・ω・`)
てか、やたらと改行がおおくて、ラノベかケータイ小説みたいだった。
改行が多いって、読みづらいもんなんだね。。。
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しゃばけと夏目を混ぜたみたいな感じの時代もののファンタジー小説です。キャラは個性的でオサキ(狐の妖怪)も可愛い、主人公の周吉も美形で天然ボケ、しかも強い。解説を先に読んだので最初に言ったとおりしゃばけと似た感じなのは分かってたんだけど、ちょっと文章が読みにくいのが難点。場面の切り替えとか、時間が行ったりきたりする辺りが時々読んでて??ってなってしまう。続編が出るならその辺も解消されるといいな。
個人的に解説が分かり易いというか、例にラグナロクや夏目など私が良く知ってるような作品をあげてくれたのが嬉しかった。
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読む前に「『しゃばけ』みたいなのかな?」と思ったら、やっぱり「しゃばけ」みたいでした。あとは『夏目友人帳』とか。
割と淡々と話しが進んで行くので謎解き感もないし、基本主人公がピンチになる事がない(オサキがいる上に、たちの悪い妖狐を1人で退治できるなんて不思議な能力まであるんだもの人間相手にピンチになりようがないですよ・・・)ので盛り上がるところもないというか・・・。
キャラ萌えできるほどでもなかったので正直続きが出てもあんまり買わないかな〜と。
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2010.06.21 読了
なんだかおしい。
次の次くらいまでいけばかなりいい感じになりそう。
後味が若干良くないかも。
いろいろすっきりしない。
わかるけど、おしい。
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なんだろう?面白くなりそうな手触りはあるのに肩透かしをくらうような…
え!?そっち行っちゃう???みたいな。。。
でも成長していって欲しい気がする
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解説を読むと、デビュー作になるのかと思うんですが、ちょっと今手元に無くて、記憶が…
良い所までいったけど落選した応募作を手直しして、軽く楽しい話にしたらしいです。多分。
ちょっと、構成とか、全体の流れが悪いような気がしたのは、そのせいかもしれません。
私の興味を引かれた部分が、話の本筋では無かったのが、私にとっては残念でした。
今後、長続くのなら、その辺も書いてくれるだろうかと、期待しときます。
お話的には、ホラーなミステリー風味の江戸あやかし話し、で良いんだろうか。淡い青春風味?
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「しゃばけ」みたいなファンタジー時代物?
”オサキ”という妖怪に憑かれている主人公が、
如才無く過ごす江戸で、妖怪絡みの事件に巻き込まれる。
って、題材的には有りそうな、無さそうな。
ファンタジーな色のほうが強いので、あまり時代物を意識せず、
さらりと読めたりして。
続編に続くのかな。ちょっと微妙なところかも。