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名作。
中世・近代・現代の戦争の根本を悟ったのではと錯覚してしまいました。
挿絵が、一部有り、非常にイメージしづらい中世の武器が理解を助けます。
当然受験勉強的世界史の副読本になるぐらい解りやすい。
にしてもこの値段は安い。
第二次世界大戦期には、兵士、将校そして技術者が必要となり、軍隊がより複雑化したという箇所には納得
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ヨーロッパの社会と戦争の関係について、書かれた本である。特に中世における戦争の位置は、今まで、わからなかった部分がわかった。戦争を普通の手段として使って、大きな罪悪感をそれほど、伴わなかった。生活の一部だった。
でも、専門書なので、致し方ないが、面白さは、少し、足りない感じがある。
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年代別にヨーロッパでの戦争方法の変遷について記載されています。
第1章「封建騎士の戦争」
第2章「傭兵の戦争」
第3章「商人の戦争」
第4章「専門家の戦争」
第5章「革命の戦争」
第6章「民族の戦争」
第7章「技術者の戦争」
興味があったのは中世~近世初期だったので
第4章まで読んで、後は流し読みです。
史実の戦争に基づいて戦略、戦術について解説しているのではありません。
社会における戦争の関わりについて述べている資料になります。
年代別、国別に記載されていてわかりやすいです。
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簡潔な文章で約千年間のヨーロッパ史を戦争という側面から語る。戦争とそれに加わる人々が、19世紀頃までは宗教ではなくほとんど常に金銭を目的としていたこと、技術の発展が軍隊を科学者・専門家集団にしていったこと、その軍隊を支えるためには社会経済全体の生産・補給が必要とされたことが、その時代ごとの文脈で規模や言い方は変わるが、繰り返し指摘され、強調される。
ヨーロッパというものの歴史を概観するには非常にまとまっていて良著だと思う。私は文体などを苦に感じることはなかった。
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Just AWESOME!!
ヨーロッパ史における戦争について、これだけ客観的に淡々と、そして俯瞰して見れるように記した本はないと思う。すばらしすぎる!
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文句なしの名著。内容の高質は言うまでもないが、翻訳で出てくる悪文は少なく、挿入された挿絵も良い塩梅である。
ヨーロッパの戦争史を俯瞰するに当たって、一冊で見事に取捨選択されている。文庫で安いし、読んでまず損しない本である。
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欠点が無い訳ではないが(訳語がこなれていない等)、名著の誉れにたがわぬ素晴らしい短著。解説も無駄が無い。
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ヨーロッパ史における、社会と戦争の関わり、その変遷をたどる。テーマは封建騎士のやや限定された地域の時代に始まり、商人、傭兵、職業軍人、革命、民族、技術者、そしてエピローグとして核・あるいは現代のテロとの戦いについて。
戦争の歴史は、それを可能にした・あるいは招いた社会の歴史でもある。歴史の複雑な因果関係、玉突きを追う。
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同じ『戦争』という言葉であらわされていても、
視点を変えると、時代ごとに勝つためのルールががらりとかわっているということで、すごくおもしろい。
でも、英語を直接翻訳したような感じの文章で、
語順や句読点の位置で、すごく読みづらい。
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戦争と政治と経済の関係性について理解を深めるのに役立った。この本を読むと他国からの攻撃に備えて軍事強化は抑止力的にも有効とより強く感じた。平和を訴える人たちは、こういう軍事史を読んだ上での主張なのか、はたまた、軍事史を読むような人間だから国防の強化を望む意見を(自分が)採るのだろうかということに興味が芽生えた。「戦争と平和」は対極の関係にあるのか、相互補完的な関係なのか、考えるのに良いきっかけになると思う。
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時代ごとの戦争の目的や規模、戦略などの移り変わりが細かく書かれている内容。騎士や傭兵から始まり、近代は技術者中心流れまで、ほんと常に戦争してる歴史だなと改めて思った。
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タイトル通りの本。
ヨーロッパ史で重要な「戦争」の変遷を軍事的な内容だけでなく政治的経済的な事象も含めた解説で「点」ではなく「線」で感じれる内容でした。
ただ、全体的に「知っていることが当たり前」なことは省略・簡略化されすぎててヨーロッパ史に疎い人間にはちょっとしんどかった。
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戦争は社会の性質を規定する・・・
逆に社会は戦争の性質を規定する・・・
ヨーロッパのこの1000年の歴史を振り返り・・・
社会が変化するに従っていかに戦争が変化したのか・・・
そして逆に、戦争そのものがいかに社会を変化させたのかについて辿る・・・
今日の世界が戦争を通じていかに形成されたのかが分かる・・・
ヨーロッパについての本だけれども、もちろん日本だって同じ・・・
今のような社会になったのは、第2次世界大戦で敗れた結果を通じてですよね・・・
本書は騎士が戦争の中心だった1000年前、封建制の時代から振り返る・・・
段々と重装の騎士が戦場で役に立たなくなってきて、さらにその維持にもお金がかかりすぎることがわかってくると・・・
傭兵が戦争の中心となっていき・・・
戦争こそが富と地位をもたらす機会だったので、戦争の商業化が進んでいき・・・
ヨーロッパが世界へと手を伸ばし始めた大航海時代には・・・
(ヨーロッパの視点からの)発見や交易が莫大な富をもたらすようになり、商人(海賊?)が戦争の中心となり・・・
略奪や交易によってヨーロッパ諸国にもたらされた富が各国に軍隊を常時持つことを可能にしていき・・・
常時軍隊を持てることによって、軍隊が専門集団化していき、職業軍人、戦争のプロが戦争の中心となり・・・
フランス革命からのナポレオン戦争がヨーロッパに国民国家、民族という枠組みを植え付け・・・
ナショナリズムが湧き起こり、民族、国民が戦争の中心となっていき・・・
第一次世界大戦を経て戦争は国家の総力戦となり桁違いに戦争の規模が大きくなり・・・
過去もそうだったけれども、特にこの時期から加速度的に様々な兵器の登場が戦争を変えていき、極めつけの核兵器、大陸をあっという間にひとっ飛びするミサイルの登場により、技術者が戦争の中心となっていき、現代へと至る・・・
ザッと1000年・・・
ヨーロッパが繁栄し、世界の中心となり、そして二度の世界大戦で没落したこの1000年間・・・
ヨーロッパでは、「平和」とはごく稀な現象でしかなかった・・・
一時的に確立されても、長くは続かず、非常に脆く、不安定なものでしかなかった・・・
というのが、よくよく見てとれる・・・
過去、ヨーロッパこそ戦争の本場でしたね・・・
そりゃあ、これだけ戦争してたら複雑怪奇にもなるわ・・・
そして・・・
本文のあとの解説が非常にわかりやすくて・・・
著者の平和観がよくまとまっている・・・
ということで引用・・・
著者の確信は・・・
平和とは秩序に他ならず、平和(秩序)は戦争によってもたらされるというものである。
つまり、戦争は新たな国際秩序を創造するために必要なプロセスなのであり、そして平和とは、創り出されるものなのである。
その意味において、戦争の歴史は人類の歴史と共に始まったものであるが、平和とは比較的に新しい社会現象であると言える。
だって・・・
ああ、そうすると・・・
今(まがりなりにも)平和であるのは・・・
それはボクらにとっての平和なんであって・・・
この平和(秩序)を良しとしない人たちや国がいる以上・・・
この平和というのは常に脅かされ続けるということですね・・・
そう、今の社会に合ったまた新たな戦争(今はテロが中心でしょうか、それともサイバー空間でしょうか?)によって・・・
ヨーロッパの歴史にそんなに興味ないや、という人は268Pからだけでも読んでみるとイイかも・・・
そんなに長くないし・・・
でも中身は濃いかと・・・
オススメ・・・
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[ 内容 ]
中世から第二次世界大戦に至るまでのヨーロッパで起こった戦争を、テクニックだけではなく、社会・経済・技術等の発展との相関関係においても概観した名著。
二〇〇九年に改訂された新版の本邦初訳。
[ 目次 ]
第1章 封建騎士の戦争
第2章 傭兵の戦争
第3章 商人の戦争
第4章 専門家の戦争
第5章 革命の戦争
第6章 民族の戦争
第7章 技術者の戦争
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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マイケル・ハワード(奥村房夫・奥村大作訳)『ヨーロッパ史における戦争』中公文庫、2009年(原書初版1976年)
戦争の技術面・社会制度などを書いたものである。封建騎士の戦争から第二次世界大戦までを扱う。
とくに火砲に注意してよんだが、14世紀の臼砲(一日一度発射)や、火縄銃の発展、ライフリング、射程、18世紀の大砲部品の規格化、後装銃(伏射を可能にした)などが、興味深い。
1472年にミラノ公がつかった大砲は一門あたり20〜30頭の馬で引かねばならず、弾丸を運ぶためには40頭の馬が必要だった。たいへん重い兵器だったのである。また、跪いていれば、大砲の弾はほとんど損害を与えなかったとされている。
16世紀にはマスケット銃が登場する。初期のマスケット銃の射程は300ヤードほどで、長弓の400ヤードよりも短かった。15世紀から16世紀にかけて、オラニエ公マウリッツが「軍事訓練」をやり、傭兵を兵隊へ変えた。かれの士官学校にヤコブ・デラガルディがおり、デラガルディはグスタフ・アドルフに仕えた。火打ち石式マスケット銃の三列編成では一分に三発程度の発射能力があった。
大砲の機動性を改良したのは、スウェーデンの製鉄業者ルイ・デ・ギールで、人力でも動かせる野戦砲が開発され、実体弾や散弾を発射でき、発射速度は(それまで一時間に二三発だった)のが、マスケット銃と変わらない速度になった。
基本的に戦争は、騎士の時代では土地の相続権などの係争について「神の審判を仰ぐ」行為であった。中世後期に傭兵がでてくると「金しだい」になり、大航海時代から17世紀あたりまでは、交易品を奪う「ビジネス」だった。しかし、交易品の略奪ではなく、交易そのものが儲かると分かると、戦争はビジネスのジャマになり、18世紀はできるだけ相手を戦わずに相手を餓えさせるようにするのが、うまいやり方になっていく。これをかえたのが、フランス革命とナポレオンであり、かれの軍隊は「理念」のために戦い、ビジネスなど関係なかった。しかし、生き延びるためにあちこちを略奪している。革命防衛のために市民は徴兵され、兵士の数はそれまでになく増え、国民戦争になっていくが、復員させるシステムがなかったので、外国に追いやられ、そこで略奪したり、軍税を課して生存するしかなかったのである。19世紀の工業の発達は第一次世界大戦の新兵器をもたらしたが、戦争の目標は相手国の殲滅か、自国の恒久的な平和をもとめるものであり、要するに、「敵」の潰滅など達成不能な目標だった。結局、戦争を支える経済が崩壊して終戦になる。第二次世界大戦の「制空権」の話は非常に印象的であった。戦争の重点が経済であるなら、戦場で兵士を殺すよりも、直接飛行機で無防備な市民を狙うのが、結局、生産や人員補充を不可能にする点で有効でなのである。つまり、「銃後」の破壊こそ戦争の重点になり、原子爆弾もこの発想からつくられていくのである。