あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。それは、すべて屋敷に引き取られた養女・香織のためだった。十数年後、顔を変え、他人の身分を手に入れた僕は、居場所がわからなくなっていた香織の調査を探偵に依頼する。街ではテログループ「JL」が爆発騒ぎを起こし、政治家を狙った連続殺人事件に発展。僕の周りには刑事がうろつき始める。しかも、香織には過去の繰り返しのように、巨大な悪の影がつきまとっていた。それは、絶ったはずの家系の男だった—。刑事、探偵、テログループ、邪の家系…世界の悪を超えようとする青年の疾走を描く。芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしサスペンス長編。新たなる、決定的代表作。【「BOOK」データベースの商品解説】
巨大な陰謀の裏には、誰にも知られることのない、ひとつの小さな恋愛があった。「邪」の家系に生まれた僕は、巨大な「悪」を超えられるのだろうか−。世界の悪を超えようとする青年の疾走を描く、書き下ろしサスペンス長編。【「TRC MARC」の商品解説】
僕は顔を変え、身分を変え、ただ彼女の幸福を願う―。
巨大な陰謀の裏には、誰にも知られることのない、ひとつの小さな物語があった。
父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。それは、すべて屋敷に引き取られた養女、香織のためだった。
十数年後、僕は自分の存在を消滅させるため顔を変え、他人の身分を手に入れ、人生の傍観者として生きる。そして、居場所が分からなくなっていた香織の調査を探偵に依頼する。街ではテログループ「JL」が爆発騒ぎを起こし、政治家を狙った連続殺人事件に発展。僕の周りには刑事がうろつき始める。香織にはまるで過去からの繰り返しのように、巨大な悪の影がつきまとっていた。
相次ぐテロ、不可解な殺人事件が続く中で、僕は運命にあがなう存在として彼女のために行動を起こす。そこには、「邪」の家系の本質ともいえる絶対的な男の存在があった。
刑事、探偵、テログループ、邪の家系……世界の悪を超えようとする青年の疾走を描く。芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしサスペンス長編。新たなる、決定的代表作。【商品解説】
目次
著者紹介
中村 文則
- 略歴
- 〈中村文則〉1977年愛知県生まれ。福島大学卒業。2002年「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。05年「土の中の子供」で芥川賞、10年「掏摸」で大江健三郎賞を受賞。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
京都BAL店が今イチ...
ジュンク堂書店京都BAL店さん
京都BAL店が今イチオシの作品です。著者は新潮新人賞(「銃」2002年)でデビュー後、野間文芸新人賞(「遮光」2004年)、芥川賞(「土の中の子供」2005年)、大江健三郎賞(「掏摸」2010年)を受賞し、今ノリにノッている作家です。この作品は中村文則の集大成と言ってもいいかもしれません。
「邪」の家系として父親に育てられようとしていた主人公が一人の少女を守れるために父親の殺害を決意。その十数年後、顔を変え名前を変えて新たなスタートを切る。主人公が出会うテロリストや医者、探偵など魅力的なキャラクターだけでなく、様々な”悪”が登場し、物語を不気味な存在感で覆っています。唯一人の少女への愛のためにもがき、手を汚し、苦悩した末に選択した道の行方は・・・
長いトンネルを抜け出たような不思議な爽快感のある結末に、読んでいる側まで救われたような感動を覚えるエンターテイメント・サスペンス小説です。
京都BAL店文芸書担当
中村文則さんの「スリ...
ジュンク堂書店天満橋店さん
中村文則さんの「スリ」を読んでから、本作も読んでみようと思った。
芥川賞を獲った「土の中の子ども」があまりに暗かったため、苦手意識が芽生え、それ以降彼の作品と関係をもてずにいた。
前作、本作とも彼の中にある悪への意識は相変わらず強い。けれど、暗さという感覚より、救いようのない闇の深さへの諦念と感じられるようになった。
読ませ方を変えてきたのか、単に私の未熟な精神が少しはましになったのか。
どちらにしても中村文則という作家を避けてきたことを後悔した。
生まれてきた環境や成長の過程をゆがめられることで、人はどんな悪にでもなれるのだと痛感した。「邪悪」を作り上げることに最後の精力を使い果たした父と、その父から逃れるために「邪悪」になってしまった息子。一度組み込まれた「邪悪」という精神は、生涯身にこびりついて離れることはないのだと思い知らされた。ただ、本作は前作のような身を抉るような結末ではなく、ほんの少しだが生きる、ということの意味を残してくれたいい作品になっていると思う。
文芸担当中村
紙の本
中村哲平監督映画化原作
2018/05/23 05:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶対的な悪として作られた文宏の運命に惹き込まれていきました。愛する人へのピュアな思いにはホロリとさせられました。