紙の本
副知事としてやってきたことはわかるが,まとまりがない
2010/07/24 10:23
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
小泉首相時代に道路公団民営化で中心的やくわりをはたしてきた著者が,石原都知事に説得されて副知事になったいきさつから,参議院議員宿舎の建設をやめさせた話,羽田空港国際化や東京の地下鉄経営統合など,さまざまな話題がとりあげられている. 道路公団の話題もところどころ登場してくる.
副知事としていろいろ努力しているようすはわかるが,あまりまとまりのある本とはいえない. とくによくわからないのは,田中真紀子の税金物納にからむ電話に対応した話など,なぜこの本に書く必要があったのか? まとまりがなくて,作家が書いた本とはおもえない.
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東京から提案していくこれからの日本の成長戦略という視点で興味深く読めた。
たとえば、結果的には誘致に失敗した2016年オリンピックの話。先進国としてのオリンピックを開催することで世界をリードしていくというビジョンを読むと、2020年にぜひ誘致を実現させてほしいと感じた。
2016年のリオデジャネイロは勢いのある途上国型オリンピックになるだろう。それとは方向性が異なる先進国型オリンピックで、21世紀もまだまだ東京が、そして日本が健在だと世界にアピールできる未来を期待したいです。
東京のエコ戦略や水道ビジネスなど、経済的に成長しきった国家がさらに力を発揮していくには、これから発展する国への助力が大事。首都の行政って、都市の内部だけでなく、国全体、ましてや世界にも広がっていくんだと思うと、やはり他の自治体とは異なりますね。
僕はやはり東京都が好きなので、今後も世界の中でも重要な都市であってほしいと願っています。
猪瀬氏は作家ということもあり、文章によって内容が盛られている部分もあるとは思うが、都市づくりの内側を垣間見れる点でとても面白く読むことが出来ました。
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東京の副知事として、見て、聞いて、考えたことを次々に紹介しているため一貫してまとまった話ではないが、著者から見た今の都政の課題、肝所がわかる。
作品自体の出来は、多少自己アピール的な要素もあり、それなり、といったところ。
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行政に素人として参加したときに見える問題、懸念を書いた本。
長いこと同じことをやっていると過去のやり方があったりしてできないことを新鮮な考え方で、加えて頭の良い人の語りで指摘していく。
こういうのに対する反論も聞いてみたいな。
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ツイッターでの情報から買ってみた本。さらっと読めた。
なんにせよ、業界の論理にとらわれないことは大切。
東京都と他の道府県はまた状況が違いそうだなぁ。2010/8
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水道水が飲める国は世界で11カ国。またその中でも全国で飲用可能なのはスイス、フランス、ニュージーランド、日本だけである。
東京の副知事を務めている猪瀬さんが、東京の取り組みや問題点をわかりやすく伝えている。役人、とくに重役なんて毎日出勤して新聞を読むのが仕事みたいなイメージがあった僕には(←偏見すぎる)、東京の副知事はこんなに幅広く大きな取り組みを行っていたのかと衝撃をうけた。また東京はこんなに多くの分野でこんなに面白い取り組みをしていたんだ!と、行政に対する興味も湧いてきた。大変おもしろい本だと思う。
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これを読むとなぜ彼が都庁の職員からよく思われていないかがよく分かった。①そもそも外様扱い②余計なこと言う
水ビジネスやエコ戦略、高速道路と個別の事案は背景や今後の展望が展開されているんだけど、大局観が無いなぁと思いました。まぁ副知事なので大きな事書いて石原さんと意見が違ったりすると面倒だから、という配慮だろうと思うけど。
この本で読んだ猪瀬さんの考え方は共感できるけど、石原都政の継続と考えるとどうだろうね...
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いくつもの政策の形成過程に言及しており、
back of the envelopな計算もさっさと見せてくれる。
幾分か高圧的な口調は好感がもてないが、
自治体としてできること、都市としてできること、
そして国としてできること。
公共として意識せずに語られがちな主体が見える。
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「突破する力」と併せて読む方が良い。
道路の話や日本史の話、数字に裏打ちされた情報に基づく鋭い分析を、本書を通じて体験できるのは大きな経験だと思う。
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圧巻。文章が美しくて、つい引き込まれる。単純に、面白い。
短くてわかりやすい言葉で力強く主張する。
長く難解な言葉でごまかしたり、言い訳したり、せずに。
刺激される本。読んでよかった。
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正直なところ、メディアから伝わってくる猪瀬氏の言動から自分と肌の合わない方ではないかと思い、氏の本を手に取ったことがなかった。直接的な関係のないまったく知らない方のイメージを植え付けてしまうメディアは本当に恐ろしいものだ。
しかし、ツイッターで知った本書を思わずてにとってみたくなった。「東京の副知事になってみたら」-外からはいいってきた人が公務員の世界をどのように映っているのか、考えているのか。同じように、「外者」のワタシには、タイトルからそそるものがあった。
本書を読んで思ったことは、「外者」の感覚は保ち続けよう、という思いが改めて強く思った。公務員と言う世界がどのように見られているのか。まちづくりの大きな潮流・トレンド(マクロ的視点)と住民目線(ミクロ的視点)を常に意識してみていないといけないように思う。高齢化社会への新たな対応、エコといった現代社会の抱える課題に対して地方自治体としてどのように取組めるのか。前例踏襲では取組めない課題に対して、発想を変えないといけない。高齢者対策としての「ケアつき賃貸住宅」の取り組みなどは新しい発想で、ここから発信していくんだという意思が明確に示されている。それくらい、新しいことがたくさんやれる仕事場が役所にあるという意識を改めて持てた。「役所は縦割り」と呼ばれているが、ワタシ自身、いろいろな仕事を効率的にこなすための「役割分担」を明確にしているいう発送に切り替えている。その「役割分担」をベースラインとしながら、何ができるのか、何がやれるのかという意識を持っていくことが求められているのだと思う。
そこは「仕事」として捉えらにくい部分だと思う。それを勤務時間外にしようとすると、「時間外手当」の話しがついて廻る。本書でも、東京都がはじめた緑の募金事業の話しが書かれているが、「東京にもっと緑を増やしたい」「もっと生物の住める環境を作り出したい」と仕事や日常生活の場面から思うような職員、個人として、自分としてのミッションを掲げて、どんどん社会活動をやっていくべきだと思う。そこには、自分なりの「思い」で動く人に対して、「勤務」という形で守る必要はない。そういった自発的な姿こそ、「ああ、役所は変わったね」と地域の皆さんから思われるところではないだろうか。
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ベンチャーのトップの話は沢山書籍が出ているけれど、
行政のトップの話はなかなか出てこない。
現場が何を行っているのか、何をやろうとしているのか、
非常に面白く読み物として読めた。
ただ、「面白く書いている」気もしてちょっと抵抗感ある。
…まあ、作家さんですからね。
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東京都職員は16.5万人。教師が6万、警察が4.5万人、消防庁が1.8万、残りが行政で4万、新宿にいるのが9千人。
本を読む習慣がすたれると思考力が衰える。
活字離れ対策とは読書力、対話力、言語力、そして歴史認識、その全体をいかに再構築するかということ。
小泉さんはしがらみがなかった。
首都公務員は国家のことも考えて働かないといけない。都庁職員が夕張に研修に行くのは良いことだろう。いかに東京の無駄遣いが多いかわかると思う。
羽田を24時間にしないとジャパンパッシングされてしまう。
都職員はボランティアでも日当を出して、逆ザヤしている。笑
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概論
作家で東京都副知事の猪瀬氏の本。たった就任三年で、水ビジネスの世界進出、都職員への言語技術教育をはじめ、多数の改革を実行している。
感想
twitterでの評判が良いとは言えないし、そもそも作家に政治ができるのか?と思っていたが、本書を読み、関係ないことが分かった。
特に猪瀬氏の場合は、(データを駆使し)緻密に歴史小説を書いているようで(猪瀬氏の本はこれ以外読んだ事がない。昭和16年夏の敗戦は読む予定)、データを掘り起こし、分析し、仮説を立て、ストーリーを構築する能力があれば、政治は十分できるのかなと感じた。むしろ、この能力があれば政治でもビジネスでも、何でもできるのであろう。
本書では、言語技術教育が印象に残った、。たしかに日本人は語論が下手といわれるし、議論の”型”みたいな概念は持っていないと思う。
余談だが、猪瀬氏が東京都の高校は日本史を必修にしたそうである。これには共感できる。
メモ
・黒舟来航は1853年、尊王攘夷から明治維新。近代化はおよそ150年前から始まった。時間間隔。
・相手の意見に反論する前に、どうしてそう言えるのか?を必ず聞かなければいけない。相手の言っていることが分からないのだから、間違っていると言うのではなく、分からないから教えてくれが筋。
・議事録を取っていると、交渉が相手に有利に進んでいくのが手に取るように分かった。日本には議論の組み立てや論理展開の概念が欠如していた。
・ワーキングプアが大量に生まれたのはバブル崩壊後であって、小泉氏の構造改革路線のみによって発生したのではない。貧困率は95年から04の10年で倍化している。
・羽田の第四滑走路により、年間発着回数は30万から41万に増える。成田は22万。
2010年10月29日 読了61(54)
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いやーおもしろかったです。
公務員で東京在住なので、書いてあることも身近。しかも作家らしく、おもしろくわかりやすく書いてある。
都に対しては、今まで石原さんのイメージで、ある意味マイナスで捉えていた。けれど、この本には猪瀬さんから見た今後の東京や日本、私たちの目指す方向が示されており、それが私が考えていたこととリンクしていた。
日本の技術を「環境」に生かす。
私もこれがこの先に進む道だと思う。
世界に負けないように!