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紙の本
エースの品格 一流と二流の違いとは (小学館文庫)
著者 野村 克也 (著)
稲尾からマー君まで、エース達を語り尽くす チーム浮上の鍵は「ピッチングスタッフの充実にあり」と語る知将が、投手陣の核となるエースの存在意義とリーダー論、さらには一流と二...
エースの品格 一流と二流の違いとは (小学館文庫)
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商品説明
稲尾からマー君まで、エース達を語り尽くす
チーム浮上の鍵は「ピッチングスタッフの充実にあり」と語る知将が、投手陣の核となるエースの存在意義とリーダー論、さらには一流と二流の違いをつづる。稲尾和久、杉浦忠、江夏豊ら往年のエース達がみせた“凄さ”とはいったい何か。阪神タイガースのリリーフエース、藤川球児を「まだまだエースではない」と断じた理由とは。期待の教え子、田中将大は真のエースとなれるか……等々、エース論、リーダー論に加えて組織論にも踏み込んだ渾身の一冊が待望の文庫化!
「私は往年の名投手たちを間近で見てきた。共に戦い、対戦してきた中では、杉浦忠が最高の投手だった。天賦の才に恵まれたその肉体は、快速球を生み出し、連日連夜の登板をも耐え抜いた。しかし、監督となって杉浦以上に中心選手としての“品格”を感じたのが、ヤクルトスワローズの伊藤智仁だった。全身からにじみ出る精神力と向こうっ気の強さ。それでいて驕ったところがひとつもない、まさに“外柔内剛”という言葉がふさわしかった。彼の野球への姿勢はチーム全体に浸透していった」(本文より)
今のプロ野球で「真のエース」にふさわしいのは誰なのか。
【商品解説】
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紙の本
野球人としての功績大
2012/04/23 20:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
2008年5月に単行本で発売された本である。野村監督が楽天の監督3シーズン目に入った頃になる。野村監督の本は何冊か読んだが、さすがにネタが重複している。どれか一冊を読めば、野村監督の考えをつかむことができる。
野村監督は努力の人だ。プロ野球入団時から単なる球の受け手としてしか見なされていなかった。「かべ」といわれるような存在だったとご本人も書いている。試合に出される予定もなかった。そこから血もにじむような努力が始まった。苦労して子どもを育ててくれた母親への恩返しのために、簡単に郷里に帰るわけにはいかなかった。
カーブが打てないとからかわれると必死になって、打撃の名手の技術を盗もうとした。直接教えてもらおうともしたが、教えてはくれない。そこから観察と努力を重ねて、投手の癖を見抜き、配球を読んでヤマをはることを覚える。当時は来た球をカーンと打てばいいとしか指導されなかったのだから、ある意味画期的な取り組みである。
野村監督は、ひとりで、日本の近代野球を進歩させた感じがある。江夏をリリーフに起用し、敗戦処理というリリーフ投手のイメージをがらっと変えた。しかも、球威が落ち、使えない投手になりつつあった江夏を再生させながら。
また、盗塁の名手の福本対策として、投手にクイックモーションで投げさせた。当時は、この呼び方もまだなかった。
球団を強くするには、なにより好投手をそろえることが大切といい、ドラフトでは投手を指名させた。どんなにすぐれた野手のドラフト候補がいても投手指名だった。これが数年のちに、戦力アップにつながり、勝利を増やす。松井秀喜がドラフト候補にいる年でも、投手を指名した。
すなわち、人の育て方を考え抜き、規律の保ち方を徹底し、考える野球を導入したのだ。こうしたことを、人まねではなく、自分で考案していった。
本書には、往年の有名選手や2000年代の名選手の名前が登場する。なつかしくもあるし、どの選手をどのくらい評価していたかもわかる。速球投手としては、全盛期の江夏を押している。
野村監督の言っていることは、球界のみならず、ビジネスにも応用できそうだ。したがって、講演の依頼も多い。ヤクルトの監督をする前は依頼が引きも切らなかったそうだ。
考えながら仕事をしているか、きちんと目標を立てて仕事をしているか、それを達成するために何をすればいいか分析できているか、どれも応用編のようだ。自分の仕事にも当てはめてみようかと思った。過去の著作物と重複する部分が少ないが、その分、野村監督の考えがしっかりつかめる読書となった。