紙の本
八月の暑さのなかで (岩波少年文庫 ホラー短編集)
著者 金原 瑞人 (編訳)
英米のホラー小説に精通した訳者自らが編んだアンソロジー。エドガー・アラン・ポー、サキ、ロード・ダンセイニ、フレドリック・ブラウン、そしてロアルド・ダールなど、短編の名手た...
八月の暑さのなかで (岩波少年文庫 ホラー短編集)
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商品説明
英米のホラー小説に精通した訳者自らが編んだアンソロジー。エドガー・アラン・ポー、サキ、ロード・ダンセイニ、フレドリック・ブラウン、そしてロアルド・ダールなど、短編の名手たちによる怖くてクールな13編。全編新訳。中学以上。【「BOOK」データベースの商品解説】
英米のホラー小説に精通した訳者自らが編んだアンソロジー。エドガー・アラン・ポー、サキ、ロード・ダンセイニ、フレドリック・ブラウン、そしてロアルド・ダールなど、短編の名手たちによる怖くてクールな13編を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
こまっちゃった | エドガー・アラン・ポー 原作 | 7−19 |
---|---|---|
八月の暑さのなかで | W.F.ハーヴィー 著 | 21−33 |
開け放たれた窓 | サキ 著 | 35−43 |
著者紹介
金原 瑞人
- 略歴
- 〈金原瑞人〉1954年岡山市生まれ。法政大学社会学部教授。エスニック文学、マイノリティ文学、児童文学などを講じる。著書に「翻訳のさじかげん」など。
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著者/著名人のレビュー
2010年8月23日...
ジュンク堂
2010年8月23日、本日は二十四節気の「処暑」です。
暑さが峠を越し、朝晩は過ごしやすくなる頃と言われますが、今朝も暑いですね!
さて、少年文庫レーベルではありますが、金原瑞人という名翻訳者が編んだ
ホラー・アンソロジーは子供だけに独占させておくことはありますまい。
集められた13の恐ろしい話は、エドガー・アラン・ポーをはじめとして、
フレドリック・ブラウン、そしてロアルド・ダールなどなど、名手によるものばかり。
暑さの残る夜を、ぞわーっと涼しく過ごしませんか……?
【折々のHON 2010年8月23日の1冊】
書店員レビュー
夏といえば海に山、キ...
ジュンク堂書店新潟店さん
夏といえば海に山、キャンプにすいか、花火にそうめん、かき氷。
そして何より怪談――怖い話がこぞってメディアを沸かせる季節でもあります。
本書はタイトルの通り、夏をばっちり意識したかのようなホラー短編集です。
タイトル名でもある「八月の暑さのなかで」をはじめ、あのエドガー・アラン・ポーやロアルド・ダールといった、米英を代表する著名人の短編がずらり。
5~6ページで終わるものから、十数ページと若干長めのものまであり、ちょっとした時間に手軽に読める内容になっています。
また、すでに知っている著者も知らない著者も、各作品の冒頭ページに著者の略歴や作品名の紹介があるのも、
本書の読みやすさの一つかもしれません。
児童書担当 渡邊
紙の本
13編という縁起の良くない作品数で編まれたホラー短編集。どれも短く読みやすく、それでいて怪奇や不思議の世界にすぐにスリップできる話ばかり。猛暑で集中力をいちじるしく欠く夏に、実にありがたい物語集。
2010/08/29 22:11
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1940年代、1950年代に書かれたものも、主要な読者対象である中学生ぐらいの若い人たちにとっては「クラシック」と読んで差支えない十分な古さだと思う。よって、「英米のクラシックホラー小説集」だと、ひとまずは紹介ができそう。岩波少年文庫だから「ジュブナイル向け」ということになるが、エドガー・アラン・ポー、サキ、ロード・ダンセイニ、ハートリー、ロアルド・ダールなど(自分が知っている有名作家だけ挙げた)、「うひょー、豪華。おもしろそう」という感じのラインナップである。
こういう種類の本なら、私は坂崎麻子編訳『七つの恐怖物語』(偕成社文庫)がとても気に入っている。それはジェイコブズ「猿の手」、ホジソン「夜の声」、ビアス「アウル・クリーク橋」というホラー短編の古典中の古典が収まっているからだ。
『八月の暑さのなかで』の方は、そこまでの有名作品が多く入っているわけではないようだけれど、ハートリー「ポドロ島」は最近、一般書の方でも出たばかりだし、ホラーにそう熱心でもない私でも、ハーヴィー「八月の暑さのなかで」という表題作、デラフィールド「もどってきたソフィ・メイソン」、ティンパリ「ハリー」などは、いつだったかどこかで読んだような記憶がうっすら残っている(もしかすると、それらに影響された別の小説や映画に触れた記憶が残っているのかもしれない)。
そういう割に有名な作品と、訳者・金原瑞人テイストで選ばれた意外性ある作品がうまく混ぜ合わされ、13編という縁起の良くない数で編まれている。猛暑で集中力を欠く夏に、実にありがたい物語集である。字詰めがきっちきちでなく、ゆったりの240ページに、13編も収まっているのだから、「なかなか進まない」というストレスからはフリーで読めるのがありがたいということである。
挿絵は入っていない。その代わり、各編の扉が充実している。ファンタジー小説の表紙装画や挿絵をいっぱい描いている佐竹美保氏の、切り絵を思わせるような印象深く丁寧な絵が添えられていて、めくると十分な作者紹介がある。そこから読書のジャンルや幅を広げてほしいという訳者や編集者たちの意図がよく伝わってくる。
最初のポーの「こまっちゃった」は、イタリア民話のような素っ頓狂さのある奇妙な話だ。正直、この訳文には少し引いた。女の子の話し言葉で「ス・テ・キ」「コ・マッ・タ」「やばっ!」など、岩波少年文庫でこういう言葉が躍るのは見たくなかったと思わなくもない。しかし、この口調だからこそ、古い時計塔の上で起こる、けろっとした気味悪い出来事が映えているのだろうし、お人形の身にでも起こったことなのかとも感じられる。最初の一口めとして、口当たりは悪くない。
表題作は、真夏の白昼夢とでも言えばいいのか、偶然に偶然が重なるとたまらないという内容だ。うだるような暑さのなか、朦朧とした意識が怪奇を呼び寄せ、人生を破壊する狂気をもたらすのではないかという気にさせられる。怪奇と狂気の磁場のようなところでの、絵描きと職人のやりとりに強く緊張させられる。
しっくり来るのは、やはりオーソドックスな物語の雰囲気が貫かれている作品だ。デラフィールド「もどってきたソフィ・メイソン」とローズマリー・ティンパリ「ハリー」という2つの幽霊譚がそれに当たる。その場所にどうして霊気がたちこめてしまうのか、幽霊には幽霊のいかんともしがたい事情があるからだということがじっくり丁寧に書き込まれた話は、とても怖い。そういう話を何度も推敲しながら完成させていった作家たちの意識の向くところを考え出すと、尚怖い。
紙の本
現世に現れる幻想と怪奇
2020/10/12 20:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レノックス・ロビンスン『顔』が好きだ。幽霊譚かと思いきや、アイルランド民話を思わせる妖精譚。長い間惹かれ続けた「顔」を持つ娘をクールモアで見初め連れ帰る場面が鮮烈。哀切な民謡「クールモアの娘」を思い出した。
一番怖かったのはフランク・グルーバー『十三階』。デパートの中に突如現れる異世界。謎めいたエレベーターボーイ。静まり返った売場には売場監督と美しい売り子。彼女を追い求める男の顛末は…。
暑熱のなかで遭遇する死の予兆。猜疑心が招いた愛の悲劇。死者の世界へ導かれる少女。不実な男に裏切られ死後に現れた娘。死の影が漂う旅の道連れ。ひととき別世界を堪能できる幻想怪奇短編集。
紙の本
良質のアンソロジーです。
2016/10/30 19:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前ブラウンで検索して出てきたアンソロジー。
何度も読んだ「後ろで声が」(本書では「後ろから声が」)も、別の訳で読むと雰囲気が変わって面白い。
ダンセイニ卿の幽霊の愚痴っぽさが楽しい。
多分別のアンソロジーで何度か読んだものが多いのだが、読みやすい文章と大き目の活字で、なんとなく新鮮に感じるものばかりだった。
少年少女に、ちゃんと楽しめるものを読ませたいという思いが伝わってくる本で、この方が選者のアンソロジーをもっと読んでみたい。
紙の本
怖い話って
2016/05/26 22:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直苦手なのですが、さすが選び抜かれた秀作ばかり。怖々とページを開いた物のいつの間にかめくる手が止まらなくなりました。
結構有名な話しも多いのでとっつきやすいと思います。
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コンセプトがいい!
2015/08/26 19:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とと - この投稿者のレビュー一覧を見る
古今東西、ミステリーの名手のアンソロジー。「将来の好きなミステリー作家」に出会うための本としてはベストだと思います。
気味悪さもあり、頭の中に???が浮かぶものもあり、8月の暑い時にぜひ読んでほしい作品です。