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紙の本
ふたたび swing me again (宝島社文庫)
著者 矢城 潤一 (著)
かつてハンセン病を患い、55年間隔離生活を送っていた健三郎が、家族のもとに現われた。戸惑う孫の大翔に、健三郎は墓参りの付添いを頼む。それは健三郎の子を産んで死んでしまった...
ふたたび swing me again (宝島社文庫)
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商品説明
かつてハンセン病を患い、55年間隔離生活を送っていた健三郎が、家族のもとに現われた。戸惑う孫の大翔に、健三郎は墓参りの付添いを頼む。それは健三郎の子を産んで死んでしまった恋人・百合子の墓のはずだった。だが、そこに彼女の名はない。病に引き裂かれてもなお55年間思い続けた恋人。百合子は生きているのか?会えるものなら、ふたたび会いたい。健三郎は大翔と、百合子をさがす旅に出る—。第5回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞(第5回)】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
疵の多い作品ながら、引きこむ力があります
2010/09/05 09:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
瑕は多いものの、作品としては魅力に溢れています。
進学校でもうまくやっていた大翔は、精神的なものから不登校、
引きこもりになってしまう高三。
窓から見える、OL風の女性がゴミを捨てる様子を
ブログにして楽しんでいる、しかし暗い生活を送っています。
一方、父が生まれる前に死んだとされていた祖父が
実はハンセン病で隔離されていただけで、生きていると聞かされます。
祖父との同居話が持ち上がり、大翔の気持ちを無視して
祖父健三郎は、試験的同居にやってきます。
祖父の最愛の人、つまり自分の祖母の墓参りから始まる、
祖父の青春時代への決着に巻き込まれながら
大翔は世間との繋がりを取り戻していきます。
ベタといえば、ベタな話で、
のぞき見をしていた女性ごみ子との出会い(再会?)や
それが恋愛へ発展するのも、
ごみ子が祖母の消息にたどり着くのもご都合主義。
男性作家は女性を「女神」として描きがちな欠点が
この作品にも見受けられます。
しかし、ハンセン病という社会的な問題が新鮮でしたし、
ジャズ、老人と高校生、ブログ炎上といった
イメージしやすい、映像的な効果があり
その世界に読者を引っ張り込む力があります。
大翔とゴミ子の恋愛はありえませんが
祖父と祖母の恋愛は、不条理な社会的制裁と
抑圧によって引き裂かれた悲劇であり、
重いテーマの恋愛小説でした。
第5回(2009年)日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞受賞作
著者は映画監督で、すでに映画化されています。