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なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日(新潮文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 70件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2010.9
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/348p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-123142-6
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日 (新潮文庫)

著者 門田 隆将 (著)

なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日 (新潮文庫)

594(税込)

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みんなのレビュー70件

みんなの評価4.4

評価内訳

紙の本

本村さんの持つ力が起こした奇跡

2012/02/23 20:54

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タール - この投稿者のレビュー一覧を見る

 2012年2月20日の死刑確定を機に再読。

 テレビ画面を通して見る本村さんは、感情が昂ぶっている時ですらそれをきちんと言葉におさめて繰り出す沈着さを備えており、その冷静さにこそ怒りの強さが見てとれたけれど、それにしても、と感じていた。なんという人格者なのだろう、と。事件そのものも気になったが、そんな本村さんの人となりを知りたくて手にした本だった。

「僕は、絶対に殺します」
 人格者・本村さんのことを知りたくて手にした本の、しかし冒頭には、こぶしを握りしめ身体を震わせる、怒りの感情に身を任せた青年の姿があった。青年、本村洋氏はこの時、司法の壁のことなど何も知らなかったという。
 1999年8月のこの日から、著者は本村氏に添い、丁寧に事件を追い、過程を微細に検証して、すべてをつまびらかにする。本村さんの見たもの、感じたこと、周囲の人々の想いなどが、わかりやすく描かれて感情移入に難くない。

 個人的な感情の波にのまれ、自殺まで考え遺書を書いた本村さんが、「司法を変えるために一緒に闘ってくれませんか」と涙で訴えたひとりの検事によって、初めて「使命」という意識を持ち、変わって行く。この後半部分からの本村さんこそ、冷静沈着なイメージの彼そのものだったが、ここに至るまでの慟哭を、この本で初めて痛感した。

 使命を負い、成し遂げる。そんな尋常でない力を発揮できたのが、本村さんご自身の力というよりも、いやそれはやはりご自身の思いの強さや元々の人柄のゆえだと思うが、周囲の人の強力なサポートがあってこそだったことにも、感動を覚えた。本村さんという人がそもそも持っていた人格+事件の日までの生き様+周辺環境などが、事件後急速かつ強力に結束し合って、それまで泣き寝入りに近かった被害者の立場を、堅固な司法相手に是正させていく過程には、神がかり的な力が働いている気さえする。

 この本は、単行本の最後で、元少年(ここでは)Fが、死刑判決を受けた翌日に「憑きものが落ちた」かのように「無期懲役では足らない」「命は命で償うべき」と著者に語る。文庫本ではその後さらに「本村さんに裁かれたい」「会って謝りたい」と言う。これらの部分を読むと、本村さんと違って、被告の元少年の声は常にマスコミ経由で、そんなマスコミを嫌いだという彼自身の心情というものが、逆にわかりにくくなっているのがじれったい気もする。

 けれどそこを擁護したいわけでは私もない。彼が変わったとしてそれは「死刑」を実感してのことであろうし、もし少年法に守られていたなら、例の手紙を書いた幼さのままきっといつまでも「命」の重みが理解できずに犯罪を繰り返したんじゃないかとどうしても想像してしまうから。

 本の最後の部分から読み取れる彼の様子からは、むしろ本村さんを崇拝しているような、支援者に近い感覚があるように感じられる。同化しやすい性質だといわれてもいるけれど、それを鑑みても、最終的に本村さんによって、加害者である彼は救われたんではないだろうか。

 被告の実名をタイトルにした本を書いてみせた女性ルポライターや、無茶苦茶な弁論を展開してむしろ死刑判決を呼び込む結果となった弁護団と記者会見で泣いてみせた弁護士。彼らが、あまりに幼く見える被告に対して「なんとか(死刑を回避)してあげたい」とした甘さは、被告本人にとっては何にもならない隣人のお節介であって、本村さんが行った断罪こそが、被告を芯から救う肉親の愛になったようにさえ思う。

 本村さんという人が負った「使命」とは、天から与えられたものなのではないか。それを運命と呼ぶにはお二人の犠牲がむごすぎるけれど。

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紙の本

圧倒される。

2015/12/10 09:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タナ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を読むときはある種の覚悟が必要だった。
この本は、母子を残忍な方法で殺され、その絶望の中を戦った人の生々しい闘争の記録である。

彼は決して聖人君子ではない。
私たちと同じ、人間である。
そして、彼の絶望を同じ様に経験したら、私は彼のように戦えるだろうか?
私はできないだろうと思う。

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紙の本

取材力と文章力

2016/10/25 16:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なりす - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑制度について、考察を深めたくて購入。
「死刑囚になってはじめて、自分の罪と向き合うことができるのだ」、というセリフには震撼しました。
報復的になりがちな死刑制度には基本的には反対です。
人間という存在そのものが暴力性をもっているのだから犯罪は決してなくならない。そして、死刑によって社会がよい方向に前進するとは思えない。
門田隆将の取材力と文章力に、とにかく引き込まれます。

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2011/02/25 21:26

投稿元:ブクログ

「かわいそう」って感情はなんなんだろう、と思った。主観的で身勝手な感情なんだろうな。世間がこの事件を忘れてしまっても、わたしは最後まで見届けようと思う。

2010/10/27 00:08

投稿元:ブクログ

・光市事件のドキュメント。WOWOWでドラマ化されてて気になってて、観そびれたから本屋で見かけて手に取った。一気に読んだ。綿密な取材と抜群の構成に裏付けられた力作。
・筆者は本村氏の側にずっといたはずなのに、それをほとんど感じさせない書きっぷりが素晴らしい。
・本村氏の闘いを中心に書いているとしながらも、エピローグでは加害者との面会の様子も描かれていて、冷静に加害者を見つめている。死刑判決後にも加害者が主張し続ける魔界転生=ドラえもん=蝶結びについて俺は冷笑的なのだが、筆者は「罪と向き合い、罪の重さに愕然とした防衛反応」ではないかと言う。この視野の持ち方も好感が持てた。
・同様に取材をした多くのジャーナリストがいたはずだが、筆者はジャーナリストとしてだけではなく人間として被害者と付き合えたからこそ生まれた良書だと思う。
・「人を殺めた者が、自らの命で償うのは、当たり前のことなのだ。」や「死刑制度とは、人の命を尊いと思えばこそ存在する。」には強く同意する。

2010/11/15 08:47

投稿元:ブクログ

記憶にまだ残っている残虐な事件。
山口県光市で23歳の主婦と生後11カ月の幼児が18歳少年・Fに 惨殺され、その夫は何度もメディアに出て死刑を求刑していました。
そして、最後に多くの弁護士集団が出てきたなという事件。
多くを知っているようで、まったく内容を知っていなかったと実感します。
裁判員制度が取り入れられる前の事件ですが、一般人も一言言いたくなるような話です。読む価値は十分あります。

2010/11/20 09:40

投稿元:ブクログ

光市母子殺害事件の初めて判決が下された後の記者会見で、「彼を私の手の届くところに置いてほしい。私の手で殺します。」と言った本村洋さんの姿を見て、テレビから目が離せなかったことを今でも思い出す。
これほどまでに犯罪被害者の気持ちを代弁した言葉はなかったのではないか。
人の「命の重さ」が正しく反映されない司法を変革するために、絶望の中から何度も立ち上がり、そして行動が花開くまでの9年間を描く。
人は死を「自らで」実感した時しか「命」の大切さを理解できないのか。
この本を読み、本村洋さんが歩んだ数年間の活動を知るだけでも、今の自分が幸せであることをかみしめることができ、十二分に「命」の大切さを実感した。
一気に読みました。

2013/08/03 21:11

投稿元:ブクログ

所持/光市母子殺害事件のことは朧気ながらも印象に残っていて、特に、だんだんと精悍になっていく本村さんの目が、とても気になっていた。本棚に並んだ背表紙から、このタイトルの小説ってどんな話なんだろう、と手に取ったのが読んだきっかけ(この事件のこととは思ってなかった)。
つらくて、読了までとても時間がかかりました。何度も何度も8ページの家族写真に戻っては、涙が出た。わたしにはなにも書けないなあと思う。少年法や死刑制度や司法のあり方に踏み込んだこの事件だけど、本当の苦しみは当事者の本村さんにしかわからないし、わかってはいけない気がする。わたしは未だに生死の謎に囚われていて、この事件が起こったことそれ自体がただ悲しくて、まだ、裁判のことまで語れない。ただただ、本村さん、著者、この事件に関わった方におつかれさまと言いたいです。

2010/10/10 22:51

投稿元:ブクログ

(2010.10.07読了)(2010.10.01借入)
1999年4月14日に発生した、光市母子殺害事件で、妻と娘を殺害された本村洋さんの被害者としての裁判闘争記録です。
殺人事件があってもテレビのニュースで見るか、新聞の見出しを見る程度で、あまり事件に深く踏み込むことはしないので、この事件についても、表面的なことしか知りませんでした。文庫本が出て、神さんが興味を持ち、夢中になって読み、一回目は冷静に読めなかったので、すぐ、二回目を読んだというので、神さんから借りて読んでみました。
読み始めて、すぐに、じわじわしみだしてくる涙でかすみがちな眼で、読み進めないといけない状態になってしまいました。
350頁ほどある本であるにもかかわらず、次から次と起こる事態に引き込まれて、気を抜いて読めるところはなく、最後まで読み進められました。
著者は、公平を期すために、加害者へも面会を行い、話を聞いています。加害者側の話を読んで、裁判というのは、いったいどうなっているのだろう、と思ってしまいました。
裁判には、加害者も被害者も生身で関われず、検察官と弁護士のそれぞれの作り上げた一見わかりやすいフィクションの提示を裁判官がもっともらしく聞いている、というものなのか、という印象が残りました。
本村さんの被害者としての闘いは、日本の裁判制度に多くの変革をもたらしたようです。まったく驚くべき内容が、この本にはたくさん盛り込まれていました。

本村洋さんは、1976年3月19日に生まれた。
中学時代は、テニス部で活躍していたが、三年生の時、腎臓疾患であるネフローゼ症候群が発症した。入院してみて、自分以上に大変な子供たちがいることを知った。
(ちょっと前まで、一緒に将棋を指していた子が亡くなった。)
病院から高等専門学校を受験し合格したので、病院から高専に通学した。病状がなかなか好転しないので、免疫抑制剤治療に挑戦した。
「髪の毛が抜けます。子供ができなくなるかもしれない。」と言われるほどの治療だった。
治療の効果は一定程度あった。原付バイクの免許を取り、エコノミーラン競技に参加したり、ツーリングにも出かけた。
高専4年のとき、短大生・弥生とコンパで知り合った。洋さんは、高専卒業後、広島大学工学部に進んだ。弥生さんは、短大卒業後に、福岡市内の会社に就職した。
1997年9月末、弥生さんから洋さんに「妊娠したかもしれん」という電話が入った。二人は、11月3日に婚姻届を出した。1998年4月、洋さんは新日鉄に就職した。1998年5月11日、子供が生まれた。夕夏と名付けられた。
1998年7月、洋さんは、山口県光市の光製作所に配属が決まり、ここで三人の生活が始まった。秋には、洋さんの持病が再発したので、病院での入院生活を送っている。過労が原因だった。1999年になって職場に復帰した。事件は、その年の4月14日に起こった。
4月18日、18歳の少年Fが殺人容疑で逮捕された。少年法が適用されるので、名前は公表されない。
Fは、1981年3月生まれ。Fの父親も新日鉄社員。Fが12歳のとき、母親が首つり自殺をしている。夫の暴力が原因と推察されている。Fが15歳のとき、父親は、フィリピン女���と再婚し、事件の三か月前に、父と義母との間に赤ちゃんが生まれている。
Fは高校入学後、家出や不登校を起こし、1998年4月には、同級生宅に侵入し、ゲーム機などを盗んだとして高校から自宅謹慎処分を受けている。(89頁)
1999年4月1日から高校側から紹介された会社(配管整備会社)に出社したが、一週間後には、さぼり始め、事件当日も、仕事をせずに、ゲームセンターで遊んでいた。

少年法を学ぶために、刑事が本村洋さんに渡した本は、土師守著「淳」新潮社、だった。1997年に起こった神戸の連続児童殺傷事件の被害者淳君の父親の書いた本です。

Fが18歳であるため、20日間の拘留機関が終わるとFは家庭裁判所に送致される。家裁での審理で「保護処分が相当」との判断が下されれば、Fは、そのまま少年院に送られてしまう。そうなれば、遺族さえ何も知ることなく非公開のまま闇から闇に消えてしまう。(102頁)
6月4日、山口家庭裁判所は、Fを山口地検に逆送した。山口地検は、Fを殺人罪で起訴し、刑事裁判が開かれることが決定した。18歳以上には、最高刑の「死刑」適用も可能である。(116頁)
●社会人たれ(119頁)
本村さんが「これ以上会社に迷惑をかけられない」ので「辞めさせていただきたい」と言うのに対して、工場長の日高良一さんは、次のように言ってくれた。
「この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めてもいい。君は特別な経験をした。社会に対して訴えたいこともあるだろう。でも、君は社会人として発言していってくれ。労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は社会人たりなさい」
●全国犯罪被害者の会(136頁)
1999年10月31日朝十時、「全国犯罪被害者の会」に発展してゆく歴史的な会合が岡村綜合法律事務所で始まった。集まったのは、五人の犯罪被害者だ。岡村勲、林良平、本村洋、宮園誠也、渋谷登美子である。
●法律を変えなければ(138頁)
「裁判が始まって遺影をもっていったら、荷物として預けさせられました。法廷では、僕たち遺族には傍聴席さえ用意してもらえない。事件が報道されても、犯人の実名さえ報じてくれません。妻が死んだあと強姦されたという事実さえどこも報じてくれません。事件の悲惨さが伏せられて、どうして妻と子供の苦しみやつらさがわかるんですか。」
●裁判は被害者が立ち直るためのきっかけと(143頁)
「裁判は加害者に刑罰を与えるだけの場ではありません。我々被害者が加害者と和解する場でもあり、被害者の被害回復の場でもあり、われわれ被害者が立ち直るためのきっかけとなる場でもあります。われわれの存在を忘れないでほしい。」
●裁判は被害者のためのものではない(148頁)
「裁判というのは、裁判官と検事と被告人の三者でやるもので、被害者には特別なことは認められていない」
●遺書が(158頁)
2000年3月21日。山口地裁での光市母子殺害事件の判決前日。
本村は、帰るときに先輩に「明日、休ませていただきます。僕に何かありましたら、パソコンを開いてください」と言って、退社した。
不審に思った先輩が、退社後、すぐパソコンを開けて調べたら、引き継ぎ書や遺書が発見された。「もし、判決が死刑でなかったら、命を断とう。」と、本村さんは思い詰��ていた。
●無期懲役は7年で仮釈放(167頁)
無期懲役―少年法第58条には、少年の無期刑はわずか7年で仮釈放をすることができる、という規定がある。
●被害者は置き去り(182頁)
「今の刑事訴訟法の中には、私が読む限りでは、被害者の権利という言葉は、一言もなくて、被害者ができることは、何も書かれていないんですよね。結局、国家が刑罰権を独占しているんで、強い国家が弱い被告人を裁くという、で、弱い被告人には権利をたくさん保証してあげましょうという構図が見えて、そこから被害者がぽつんと置き去りにされてるんですね。」
●死刑囚ビーズリー(206頁)
「死刑という判決を受けて、自分の全てが変わりました。殺された人にも家族がいて、愛する人、愛される人がいたことに、僕は初めて気がついたんです。死刑判決を受けて初めて命について深く考えました。」
(2010年10月13日・記)

2010/09/14 02:06

投稿元:ブクログ

犯人逮捕の時点から、光市の母子殺害事件は死刑賛否論と嫌でも結びついてきた。死刑廃止の声も出るなか、死刑の是非を問う上で、この事件は非常に重要な材料として扱われる。

しかし、この本は、死刑の賛否が常に付きまとうこの事件を、その議論から一旦切り離してくれる。
事件を単なる死刑賛否論の一材料として扱わず、事件自体を中心に据えて、事件発生から犯人逮捕、報道内容、裁判内容、本村さんが疑問を抱くようになる司法などを描いている。
そこからみえる、事件に関わる人のもつ、死と死刑と罪という関係の捉え方が、私にとって最も印象強いものだった。
これについては、自分の価値観と照らし合わせながら読むことで、自分の考えがより整理できたことが、私にとって非常に大きい。

上で述べた、死と死刑と罪という関係の捉え方以外にも人と人との関係のなかで、重い言葉がいくつもあった。
「労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は、社会人たりなさい。」
何かを主張する時には、その責任を果たせる身分を持っていないと、いくら正論であっても訴えが響きにくい。主張はその内容だけを評価されるのではなく、それが生まれるに至った背景や、主張している人間も合わせて評価される。
それゆえ、背景や主張する人間の点で落ち度を指摘されれば、それによって内容が薄いものになってしまう。
この言葉は本村さんに上司の日高さんがかけた言葉だけれど、主張の正当性だけを重視しがちな私にとって、それを諌められているような気になった。

長くなったが、以上の二点がこの本を読んで、自分が特に強く思ったことである。

2010/10/02 10:33

投稿元:ブクログ

2008年4月22日、この日、広島高裁で差し戻し控訴審が行われ、その結果が入るのをネットのニュース速報でずっと見守った記憶があります。2年前の最高裁による無期懲役判決の破棄があった時点で死刑は確実と見られていましたが、事件発生から9年、実際に主文後回しの記事を読んだ時は思わず「長かった、、」と赤の他人である私でさえ感じました。即日上告したので裁判そのものは未だ続いていますが。
この本は、光市母子殺人事件で妻と娘を失った本村さん本人の9年間を追ったノンフィクションです。事件当初、テレビのインタビューで少年を「殺す」と宣言し、すべての恨みや怒りを少年Fに向けていた本村さんですが、いろいろな人たちと接することでこの事件だけを考えるのではなく、過去の慣例に縛られて保身を優先する司法や、被害者の人権を無視したこの国の法律に苦しめられる同じ境遇の人々を助けるために動き出します。まさに本のタイトル通りですが、およそ打破する事が困難に思えるこれらの壁を、想像しがたいぐらいの絶望から這い上がって立ち向かって行けたのはなぜなのか、事件当初から取材を続けている著者が迫ります。特に、本村さんの辞表を受け取らなかった上司の言葉は強く心に響きます。

2010/11/02 22:20

投稿元:ブクログ

最初に二ページを本屋でさらりと読んで、その衝撃的な言葉で始まる部分で涙が出そうになり、あわてて購入しました。
木村さんがどのように事件と向き合ってきたのか、第三者と視点で進むので読む側も冷静になって読み進めることができました。

2011/04/30 20:28

投稿元:ブクログ

橋本さんが触れてたので読んでみた。
光市母子殺害事件のことは知ってたけどこれ読んでもっと深く知れた。生きることとか命の重みってのを少しは考えるきっかけになったと思う。そこを踏まえてないと死刑の議論ってのはなかなかできんわな〜。
最後のほうとかはFの変わりようにも焦点をあてていて、淡々と事実を述べている感じの書き方がおれは好きでした。

2011/03/20 23:16

投稿元:ブクログ

この事件当時、本村さんがすごく強い人間に思えた。自分も同じ立場になった時に闘えるのか?と自問自答した記憶がある。
読んでいて辛くて辛くて絶えられなかった。この事件は絶対に風化させてはいけない、忘れてはいけない。

2011/01/24 12:15

投稿元:ブクログ

光市母子殺害事件

どうしても犯人の最後にもやもやする。
死刑囚になったからって悟りを開けた様な感じが本当に嫌だった。
だって、相応の犯罪を犯しているのに。

苦しんで、悩んで、刑を受けたら良いのに、ととても思った。

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