紙の本
シンプルな線でも、強烈
2018/05/18 22:56
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
『COCOON』(コクーン)というコミックスを描いたのは、今日マチ子というマンガ家。
ひめゆり学徒隊(「部隊」じゃないよ)の事実を基に、女性向けコミックスの感性で、独特の戦争を描いています。
シンプルな線で描かれていても、強烈。
事実をしっかり取材しているけど、全く新しい沖縄戦のコミックスです。
この人は『いちご戦争』という作品も描いていて、これも独特の作品です。
アンネを題材にした作品もあるそうなので、どう描いているのか読んでみたいものです。
紙の本
新しい時代の戦争物
2016/11/24 16:59
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投稿者:funfum - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの戦争の描き方と異なる作品。等身大の普通の少女の目を通して描かれた戦争。こうの史代の描き方ともまた異なるざっくばらんさ。とりつきやすくもあり、また同時に残酷さが増幅される感覚も覚えました。若い人たちに読み継がれてよい作品だと思いました。
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読み返す自信がない。けどこの本は多くの人に読まれてほしい。
この話を書ききった今日マチ子の精神力はすごいな、と思った。
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彼女にしか紡げない繭だったと思う。
一番キラキラと輝いている筈の年代に
戦争という悪魔がそれを許さなかった時代があった。
彼女たちの先の幸せを願えば願うほど、失望へと化す。
この季節この時期に手に取ると、
より心に問うてくる。
今の時代に生まれ、明日も平穏であろうことが、
何の疑いもないまま予測されてしまう私に
その幸福がどれ程のものか。
左胸の鼓動と共に、明日を大切に生きよう。
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涙が出たのは最初と最後だけで、あとはただ無言で読み進めただけだった。傑作だと思う。
でも安易に人に薦められる話ではないので、戦争モノに耐性がある方だけ読んで欲しい。
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『センネン画報』で出会った今日マチ子の新刊。
沖縄戦のひめゆり部隊の女の子のはなし。
表紙のようなカラフルなはずの世界が
モノクロで描かれている。
凄惨な情景も、痛みも、悲しみも
知識としてはずっと前から知っていても
結局のところ私には分からない。
作者もそうだと思う。
でも、だからこそ、良かった。
これがとりあえずの感想。
何度も読もう、と思う。
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一生の命のたべものだ。
読み終わった、ではなく、読み続ける御本だ。
誰もが何かを信じて生きていた時代だ。
変わらず生きていた時代だ。
今も昔も変わら無いよ。
でも、人を殺していた時代だ。
今も昔も人殺しはあるのにな
どうか、戦争が無くなる様に
私の好きな人にも、貴方の好きな人にも笑っていて欲しいじゃない?
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一度読んでその残酷さに打ちのめされた。
「うち妻」で、福満氏は小さい頃デビルマンが恐くてそのうちその漫画の存在自体が恐くなってキン消しの中に埋めたってエピソード書いてたけど、そんな感じで本棚に納めてなるべく見ないようにした。
ビリっと来た。
女性の強さや身勝手さをわたしは愛していたけど、そんなん上っ面だけ見てたように思う。
なんかもっと、絶望的なもんだ。
だから、女性は底が知れない。
「センネン画報」等でマチ子さんが描いていたものをわたしは全然解っていなかった気がするなぁ。
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少女の夢、想像力の繭の内側から見た戦争。兵士は顔のない白い影法師として描かれる。
あえてリアルな描写を避けた手法は戦争を知らない世代の限界でもあり戦略でもあると思う。単に戦争モノの迫力で勝負するなら、水木しげるの戦争漫画やひめゆりの証言映画にはかなわないわけで。そこは体験の重さというのが絶対的にある。
しかし、「少女のエゴ」「砂糖で鉄は錆びるのか」という切り口で伝えるのは、今のこの作家だから出来ることかも知れない。
私が一番ぐっと来たのは実はあとがきの文章で、最後の一文にやられました。この人の叙情性は言葉のセンスにあると思う。まずは自分と同い年の作者がこのテーマで描くことにした覚悟に敬意を表したいと思います。
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沖縄っこ、サンと東京からの転校生、マユ。
沖縄を舞台とした戦争ものです。
少女達は看護隊として、学校での日常生活から一気に戦争の渦中へ放り込まれていきます。
「私たちは想像の繭に守られている」
「誰もこの繭を壊す事はできない」
作中で何度か出てくるおまじないの言葉です。
冒頭での象徴的なエピソードのように繭を破れなかった少女達は時を停めていきます。
「サン、死ぬのは負けだ。繭を破ってふ化するんだ。」
マユ(繭)はサンを守りながら壊れ、サン(=蚕)は生き残り(ふ化)徐々に日常を取り戻します。
もう繭の中でまどろんでいた少女時代にも戻れず、空も飛べないけれど、生きて行こうと決めます。
今日マチ子さんの訥々とした語りやシンプルな線画が奇麗な日常シーンと凄惨なシーンをシンプルに際立たせ、すっきりと読めますが、奇麗にまとまり過ぎと言うか、少し物足りない感じも残ります。
しかし、今後も追いかけて行きたい作家さんです。
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戦争下を生きる少女たちの物語。
この漫画を読んだ後に今日マチ子先生のブログにあった笑顔の彼女たちのイラストを見たら、なんともいえない気持ちになった。
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あの戦場にいたのは、私たちとちっとも変わらない女の子たちだった。
ということを強く感じました。
いろんな人に読んでみて欲しい。
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これはなんということだろう。
第二次世界大戦による沖縄戦の凄惨さは知っているつもりだったが、何ひとつその凄惨さについてわかっていなかったことに驚愕した。
本で読んで想像することと、直に視界に入ってくることの違いはやはり大きいと思わざるをえない。
これをもう1回読み返したいのだけど、こわくてどうしても開くことができない。
ふたたびあの世界に戻るのが、こわいのだ。
戦争体験者が自ら語ることをしない意味がよくわかった。
そしてこの作品を最後まで描き切った今日マチ子のプロ根性、精神力にただただ敬服するのみ。
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びっくりしました。すごく、感動しました。
今日マチ子さんの作品は大好きで、新作が出るたびにチェックしていますが、
『cocoon』は、『センネン画報 その2』に並び、マチ子さんの本の中で大のお気に入りとなりました。
絶対におすすめです。本当に読んで欲しい本です。
戦争、というテーマに、マチ子さんの独特の世界観、観点で挑んだ作品です。『みかこさん』に見られるような、十代の毒や不安定さもここには存在し、
いやもはやそれ以上です。
『センネン画報』に見られるような、 ことばの無い、本の中の独特の【間】が、
戦争の話にこんなにも合うのか!という位、とてもぴったりです。
ページごとの、ページをめくる間がとても印象的でした。
独特の瑞々しいカラーに定評のある、
マチ子さんが、この作品ではモノクロの世界で表現している点にも注目です。
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◎ダ・ヴィンチ2010年10月号
「今月のプラチナ本」。
2010年10月9日(土)読了。
2010−89。