紙の本
日本文学界の最高峰の一つでは。
2015/08/10 00:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒っぽいの - この投稿者のレビュー一覧を見る
「輝ける闇」「夏の闇」「花終る闇」と連なる、いわゆる闇三部作の初弾。
内容的には夏の闇と、どちらを先に読んでも良いのでしょう。
個人的には退廃、退嬰的な日々を、作者の深い教養から躍り出るような言葉で描写した夏の闇の方が好みですが、この輝ける闇も文学の奥深さを感じさせてくれる作品だと思います。
今までは純文学というものは、物語ではなく文章表現を楽しむものかと思っていましたが、この作者の作品は更に踏み込んで、自身の血肉、自身と一体となった教養から放たれる言葉の圧倒的な迫力を感じさせます。
ノーベル文学賞候補となりながら受賞には至りませんでしたが、個人的には、それはこの作者が放つ文章の迫力を、英語などの他言語では活写できなかったからだと考えていますし、おそらくその類推は間違っていないのでしょう。
日本文学界が誇る巨人の代表作にして、日本文学界における最高峰の作品群の一つだと思います。
紙の本
時代とともに…
2000/10/21 10:53
7人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベトナム戦争ものだけど、当時としては独特の雰囲気の中で味わいがあったのかもしれないが、今読むと本人がベトナム戦争に題材を求めたことはわかるんだけれども、それ以上はといった感じだろうか。ベトナム戦争に関する問題が日本人あるいは彼にとっての切実な問題としてはみえてこないんだよな。ちょっとシリアスなエッセイって感じ。開高健も当時の作家って感じがぬぐえないなぁ。
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読後に放心状態でぐったり疲れる。
書評を書こうにも、簡単には書けない。
もう一度、読んでから書こう。
いや、もう一度。
時々、読む。
読むたびに、ぐったりと疲れる。
それほどの内容。
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ベトナム戦争従軍記者の記録。うーむ、名著なんだろうけど、読むのに疲れた。しばらく読みやすい本ばかり読んでたからか、分かりにくい比喩と言うか文学的な表現が多くて途切れ途切れ読んだのも疲れた原因。インテリが安全地帯からベトナム戦争を論じるのでは無く、ベトナム戦争を取材する記者という立場で内部からの目で記録してるんだけど、客観的な記録じゃなくて悩める自分中心の私小説です。読む前にストーリーを把握しておいた方が良かった。
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ヒッキーおすすめ。
「境界」について考えさせられるところがいっぱいあるよー!国境、敵/味方、生と死、闇と光。
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(1990.04.23読了)(1990.03.22購入)
内容紹介 amazon
銃声が止んだ……虫が鳴く、猿が叫ぶ、黄昏のヴェトナムの森。その叫喚のなかで人はひっそり死んでゆく。誰も殺せず、誰も救えず、誰のためでもない、空と土の間を漂うしかない焦燥のリズムが亜熱帯アジアの匂いと響きと色のなかに漂う。孤独・不安・徒労・死――ヴェトナムの戦いを肌で感じた著者が、生の異相を果敢に凝視し、戦争の絶望とみにくさをえぐり出した書下ろし長編。
☆開高健さんの本(既読)
「オーパ!」開高健著、集英社文庫、1981.03.25
「もっと広く!(上)」開高健著、文春文庫、1983.12.25
「もっと広く!(下)」開高健著、文春文庫、1983.12.25
「破れた繭」開高健著、新潮文庫、1989.12.20
「夜と陽炎」開高健著、新潮文庫、1989.12.20
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「銃声が止んだ……虫が鳴く、猿が叫ぶ、黄昏のヴェトナムの森。その叫喚のなかで人はひっそり死んでゆく。誰も殺せず、誰も救えず、誰のためでもない、空と土の間を漂うしかない焦燥のリズムが亜熱帯アジアの匂いと響きと色のなかに漂う。孤独・不安・徒労・死――ヴェトナムの戦いを肌で感じた著者が、生の異相を果敢に凝視し、戦争の絶望とみにくさをえぐり出した書下ろし長編」 裏表紙より。読みかえす度に、新たな感銘を受ける一冊です。
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ベトナム戦争従軍記のようなもの。
虚しさしか残らない戦争。
不勉強だったためか、アメリカが負けた理由がよくわかった。
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ぐいぐい引っ張られるみたいに一気に読んだ。
命を削って書いたんだろうなっていう感じがする。
もうコメントとかできない・・・・
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ベトナム戦争が、どんな戦争で、何を目指していたのか。
ベトナム戦争帰還兵の本を読んだことがあるが、この作者も、小説中の「私」も、兵士らと同じようにこの戦争に捕まって、逃げられなくなってしまったような気がした。
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妻子を日本に残して、ベトナム戦争の取材に赴き、サイゴンで情婦である素蛾(トーガ)と過ごし・・・男の人って、やっぱりそういうもの?と思っていたら、また危険な戦場へ戻って、今度は銃撃戦に巻き込まれる・・・九死に一生を得たからこその本作品だったようである。
ちなみに夫婦関係は最悪で、盛んに海外に出かけていったのは、妻や娘の居る家から逃げ出したかったかららしい。さもありなん・・・。
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ベトナム戦争従軍記。非常に濃密な作品。リアルで、匂いや音すら感じ取れるような、生と死が物凄く近くにあるがゆえの厳粛かつ緊密な世界が現れている。
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積み上げて納得のオチ。
メタファー多用しまくってるので、慣れるまで読みにくい。この読みにくさはあまり味わったことのないもの。おもしろい。
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徹底的に正真正銘のものに向けて私は体をたてたい。
私は自身に形をあたえたい。
私は戦わない。殺さない。助けない。耕さない。運ばない。扇動しない。策略をたてない。誰の味方もしない。ただ見るだけだ。
わなわなふるえ、眼を輝かせ、犬のように死ぬ。
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歴史小説では全然無いし、ベトナム戦争を舞台にした私小説でした。何を期待して読み始めたか忘れたが、思ったほど入り込めなかった。親の世代ではあるけど、近い時代ではあると思うが、自分の置かれている状況とあまりに違うからかと思う。
ただ、今までベトナム戦争はアメリカの映画でしか触れていなかったので、違う視点で触れられたのが良かった。