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紙の本
出られない五人 (祥伝社文庫)
著者 蒼井 上鷹 (著)
廃ビル地下のバーに男女六人と死体が二つ。急逝した作家を偲び、彼の馴染みだった店の跡で一晩語り明かそうという企画のはずだったのに、死体が出てくるわ、闖入者まで出てくるわで、...
出られない五人 (祥伝社文庫)
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商品説明
廃ビル地下のバーに男女六人と死体が二つ。急逝した作家を偲び、彼の馴染みだった店の跡で一晩語り明かそうという企画のはずだったのに、死体が出てくるわ、闖入者まで出てくるわで、事態は混迷の極みに。なのに、参加者は皆、地下から「出たくない」という!?秘密と誤解にちょっとした偶然が重なって、とんでもない方向へと転がっていく、密室エンターテインメント。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
密室シニカルコメディ?! 人間の「いやらしさ」にくすりとなる。
2011/04/14 14:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長編はハジメマシテ、かな。長編だとアラばかりが目立ちそうな作家さんだけれども、本書は各章が独立しているので、まぁまぁ、OK、見過ごすことができる。
蒼井さんに対するわたしのイメージは、小物(コモノ)を描かせると巧い、だ。で、意地悪だけれど、逆を言うと「それ以外は…うーん・・・なんだかなぁ…」になる。
廃ビルの地下に集った5人。その目的は、アール柱野という作家の追悼会だ。しかしその会の最中に死体が発見され…場は混乱に。しかし集まった5人にはそれぞれの事情があって、死体が発見されたというのに警察を呼ぼうとするものはいない…。
本書はたぶん、シニカルコメディ。物語は廃ビルの地下で進み場面展開がないので、舞台なんかだと案外サマになるかもしれない。しかし本だと…(あとは言うまい)。
わたしはこの手の本に免疫があるので寛大な心で受容できるけれども、万人受けは難しいだろう。少なくとも、『二枚舌は極楽へ行く』のテイストを受け入れられるほどの寛容さがないと。
物語の設定から木下半太の『悪夢のエレベーター』を思い起こしたけれど、ここ最近の雑な木下作品に比べれば本書のほうがいくらかましだろう。
設定は面白いし、構成も、やらんとしていていることは理解できなくもないけれど、なんだかなぁ…。ただ、自己本位ないやらしい人間ばかりが登場して、そういう意味では楽しく読めた。
すんごく巧いってわけではない。でも、ひとには薦められないけれど嫌いにもなれない。罪な作家さんです。そしてまた何か、蒼井作品を読む日はきっとくるだろうと半ば諦めたわたしがいる。