紙の本
わかりやすい
2017/11/30 16:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
稲盛和夫の本は、読みやすくわかりやすいです。この本も、アメーバ経営という言葉で、自身の哲学を説明してくれています。
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アメーバとは、「調達」「製造」「営業」などの会社のリソースを最小単位に組織化したもので、その単位で各アメーバのリーダーは売上げを最大化、費用を最小化して最適化するというビジネススタイルです。
アメーバ組織が成り立つ条件は、①独立採算制が取れる(収支の算出ができる)こと、②リーダーが創意工夫とやりがいを持てる経営範囲が確保できること、③会社の目的や方針を阻害しない分割方法であること、などです。
あとは部門別採算制、時間当たり採算制、社内売買や営業手数料を社内アメーバが公平に負担するスキームなどがあります。
そして、社員にフィロソフィを浸透して、情報共有を促進して、経営マインドを持ってもらうという原理原則がまとめられています。
アメーバ経営って、製造業には良いかもしれませんが、独立採算制という部分はサービス業にはどこまで効率的に適用できるのかな?というのは疑問です。
成功を収めたマネジメント方式の一つの例として、勉強させていただきました。
稲盛さんの他の本を読んでいたため内容的には既知のものもあり、新鮮味が薄かった点で点数は控えめになってます。
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営業部門の利益を口銭と位置づけて管理するという発想はなかったので斬新だった。ビジネスユニット制などでなく、製造部門と販売部門のが別れている組織には凄く良さそう。
改めて稲盛さんの経営は、何事もシンプルにかんがえる哲学に基づくんだなぁと実感する
2020.1.12?〜16
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組織を複雑化しすぎて逆にやりにくい従業員もいるんじゃないか?全体観を掴むまでに難しい仕組み。経営戦略としてのストーリーは感じられるが、易しくない。例えるなら、赤子が論語を読んでいる感じ。
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オリジナルにして完成版、の「アメーバ経営指南書」です。「稲盛流、経営の極意の書」と言えるはずです。
最近は、「フィロソフィ」の側面に焦点が当たることが多いですが、稲盛流の起点はアメーバ経営の方だと感じます。
会社の中にいくつもの小さな責任単位をつくり、そこでリーダーが経営者となって動いていく組織。どこの誰でもそれは理想であるというはずです。
何もないところからここまでたどり着くことができる。そのことに驚嘆します。そして、成功してきた、という事実。
モノスゴイ日本人、の一人が書いた、モノスゴイ一冊。文庫本価格で買えてしまうのが嘘のようです。
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アメーバ経営は、単に効率的な管理会計制度ではなく、人を活かすための方法として、規模が大きくなって分業せざるを得ない組織において、わかりやすく商いを表現する手法と理解。前提として、人として正しい在り方を求めるところが京セラらしい。
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うーん……言っている事は誤りではないと思うんだけど、これはもう「哲学」や「思想」のレベルだよね。
社員一人ひとりに「経営者としての哲学」を持て、というけれど、部下が経営者としての哲学を持っていて、それを上司がきちんと評価できるだろうか?
たとえば、それができない場合、「お前には経営者としての哲学がない」といわれてしまうと……人格攻撃になるよなぁと思うのです。
経営をシステムではなくて哲学で語る時点で、難しいかなぁ。
小規模の組織やベンチャーで導入するならともかく、ワンマン社長が新たに導入する場合もモラルの運用が難しそうな気がしました。
この思想は嫌いではないけれど、私なら使わないだろうなぁ。
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第五章の2節「アメーバ経営を支える経営哲学」がしびれる。よく上司が言っていることとかぶる。みんな読んでるということか。今度、それはアメーバですねと言ってみよう。。
・値決めは経営。営業の使命とは「この値段なら結構です」とお客さんが喜んで買ってくれる最高の値段を見抜くことである。これより安ければいくらでも注文がとれる。これより高ければ注文が逃げてしまう。そのぎりぎりの1点を射止めなければならない」
・リーダは値決めを行う瞬間にコストダウンの方法を即座に指示しなければならない。「大幅な値下げをしても、なんとしても採算を出すのだ」という強いリーダの存在が会社の運命を分かつことになる。
・能力を未来進行形でとらえる。今は不可能でも可能にする意気込みで案件を獲得する。
・外部委託比率を下げて付加価値(付加利益)に着目せよ。
・リーダ自らが陣頭指揮をとれ。
等の金言が並ぶ。一読の価値あり!
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名著だけあってなかなか為になった。
本来ならばそのようにするのがベストなんだけどトップダウンでやらない限りは実行が難しんだな。
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京セラを育んだアメーバ経営。その実態は、経営ノウハウではなく、人の心をベースにしたフィロソフィ。しかし、事業部制の前身とも言えるような小集団の形成や、リーダーシップの養成、製造部門のプロフィットセンター化、時間単位コスト管理など、アメーバをコンブライズするエレメントの数々は、体系化されて経営の真髄に通じるものがある。
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言わずと知れた、リーダー必読書。
1回目読了。
この本は、この先何度も何度も読むことになると思う。
アメーバ組織を動かす原理とは、原理原則であり、人として正しいかどうか。
利他の心って素晴らしいことだけど、なぜアメーバ経営で言われていることなのか?とずっと思っていたけど、ようやく読んでみて分かった。
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稲盛さんの理念をどのように現場に落とし込んでいるかを具体的に示している本でした。アメーバ経営は企業をプロジェクト単位に分け、各アメーバが独立採算で事業を行う、というものですが、そのような説明では説明仕切れない深いものであることを感じました。個人的には以下4点がとても印象に残りました。
①市場原理の社内浸透
②血液としてのお金
③情報の開示
④教育機関としてのアメーバ
①市場原理の社内浸透
稲盛さんは本書において、2つの意味で市場原理という言葉を用いています。
1. 市場(市場・マーケット)の動向に各アメーバが敏感になれるようにすること
2. 各アメーバが独立採算によりお互い高め合うこと
この2つの意味を持たせた上で、稲盛さんは「市場原理」を社内に浸透させるようにしたと、本書で述べています。僕は最初にこのことに驚きました。それは僕が「市場原理」という言葉に対しアレルギーを持っていたからだと思います。しかし本書を読み進める上で分かったのは、市場原理は「信頼」や「愛」の上で機能したとき、大きな成長を生むということでした。稲盛さんは再三、"経営理念をベースとした"というような言葉を述べます。(もちろん、実際どうなっているかは分かりませんが)京セラでは市場原理が社員の経営理念に対する"信頼"や、会社・社員に対する"愛"の上に成り立っている、もしくは成り立たせようとしていることが分かりました。
この箇所を読んでいる時、國分功一朗さんと中沢新一さんの共著である『自然の哲学』の中の内容を思い出しました。その中で二人の著者は「現在の(競争・交換原理)で肥大化した市場をどのように贈与の上に戻すかが課題」というようなことを述べています。どういうことかと言うと、市場とは基本的にものとお金の等価交換で行われていますが、昔(というか今も)そこには贈与が存在していました。つまり、「この人が売ってくれるなら買う」であったり、「この人だから売りたい」という交換の枠の外の感情です。「レジの人が優しくレシートやおつりをくれたときも私たちは喜びを覚える」と、著者はいいます。しかし現在デジタル化が進み競争が激化、贈与が切り離された交換行為がどんどん肥大化しており、この肥大化した市場原理をどのように贈与の上に取り戻すかが、今後の課題であるといいます。
この二人の著者の言う"贈与"を、稲盛さんの言う"経営理念への信頼"や"会社への愛"に置き換えれば、2つの内容は全く同じことを述べていると思いました。『自然の哲学』はより概念的で、『アメーバ経営』はより現場的ですが。京セラでの独立採算性や市場原理の浸透も、結局「自分だけが儲かればいい」と考えたら上手くいくものではなく、そこには全社的な視点が入ります。つまり「自分のためが相手のためであり、相手のためが自分のため」という循環です。それを明文化し、ぶれないようにしているのが経営理念だと思います。その上で市場原理が働くからこそ、社員は過度な(不適切な)競争に陥らず、かつだらけることも無いのだと思います。このような状態を国レベル、地球レベルで実現していかなければならない、というのが中沢新一さんと國分功一朗さんの議論だと、思いました。
②血液としてのお金
この内容は別に本書で言及されていたものではなく、個人的に勝手に読みながら思ったことです。上記の市場原理が適切に社内の中で浸透し各アメーバが健全に動いているかどうか(言い換えれば、体の調子が適切か)を確認するための指標として、お金は良い手段であるのだと思いました。つまり体で言えば血液のような存在であると感じました。
体の一部の調子が悪いとそこへの血流が悪くなったり、逆に過度になったりして、痛みとして脳に信号を送ります。怪我をすると出血します。それと同じように、会社内でキャッシュが滞っていたり不採算な部分があるとそれを痛みとして教えてくれるのがお金と、お金の状態を示す会計書類(京セラで言えば、時間当たり決算書)のだと思いました。逆に体の一部の調子が良い時、それを全体に教えてくれるのも血液なのだと思います。その痛み(や喜び)を脳だけに送るのではなく、血流の流れを適切にし、他の体の部位にも適切に伝えるのが、稲盛さんの言う市場原理なのだと思います。
私はお金は「大事なものだけど絶対必要なものではない」と思っています。その考えは今も特に変わっていないのですが、会社が大きくなるにつれて、会社の中が適切に回っているかを確認する指標として、お金はとても良い手段なのだと思いました。拡大解釈かもしれませんが、学生団体が会社のように基本的に大きくならない理由は、ここらへんにあるのかな、と思いました。
③情報の開示
本書で著者は以下のように述べています。
「会社の実態に関する情報をできるだけ開示して、私がいま悩んでいること、困っていることを包み隠さずみんなに知ってもらうことがいちばん大切だと考えたのである」
実際にできているかは別にして、僕もある失敗から同じようなことを学び、上のようにいつも考えていたので、本書に書いてあったのが単純に嬉しかったので印象に残ったのだと思います。また嬉しかったのと同時に、少し安心しました。「あ、この考えは別に間違っているわけではないんだな」と。
④教育機関としてのアメーバ
著者は本書で以下のようなことを述べています。
"事業の目的(理念)と判断基準(人として何が正しいか)を共有し、リーダーを育てる"
現場にただ任せっぱなしにするのではなく、「何のために事業を行っているのか」と事業を行う上での「判断基準」を共有していくことがリーダーを育てる上で大事だといいます。これを実践していけるような人材になりたい、と思います。「恥ずかしい」や「自分はそのようなことを言える立場ではない」という自分へのベクトルを断ち切って、周りの人たちと関わって行けるようになりたいと、心から思いました。
また上記のような姿勢で周りの人たちと接した上で、その人たちが自分の力を発揮する場として、アメーバ経営はとても有効なのだということも、本書を通じてわかったような気がしました。
難しい内容はほぼなく、とても読みやすかったです。また抽象的な話よりも具体的な話の方が多かったので、「で、結局なに���していくべきなのか」というような疑問を持ちにくいような気がします。ハードとソフトのバランスが少しハード寄りの、お勧めの本です。
以下、心に残ったフレーズを記します。
・人格とは常に変化するものである
・適切な人材がいるから新規事業に進出する
・自らがすさまじい努力を払う覚悟を持って譲歩する、のが本当の利他行
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2012.7.17読了
いまいちしっくり来なかったけど、細かい単位に分けるのは有効だと理解している。
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リーダーが機能しないと働かない仕組み。ITサービス業の自社に当てはめてみたらと考えたが、人件費と工程管理等課題が多く難しそうだ。
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「京セラ」稲盛和夫推奨の組織づくり。「アメーバ」のように組織を細分化。ただ細分化するのではなく、独立採算組織として成り立たせる。社員一人ひとりが採算を考え、経営に参加させる。さらにはリーダーの意識を育成させることが目的。社員のやる気を醸成させるにはいい方法だと考える。ともあれ、当事者のやる気と意識が重要。