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紙の本
スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (ハヤカワ文庫 SF SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
著者 山岸 真 (編)
少年は、14歳の誕生日のあと間もなく、農場を出て街をめざす自分を、毎夜夢に見るようになった。だが、彼の行動はある強固な意志によって制御されていた…。現代SFのトップランナ...
スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (ハヤカワ文庫 SF SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
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商品説明
少年は、14歳の誕生日のあと間もなく、農場を出て街をめざす自分を、毎夜夢に見るようになった。だが、彼の行動はある強固な意志によって制御されていた…。現代SFのトップランナー、イーガンによる本邦初訳の表題作。スタージョン記念賞を受賞したマルセクの究極のVRSF「ウェディング・アルバム」ほか、ブリン、マクドナルド、ソウヤー、ストロスら現代SFの中心作家が、変容した人類の姿を描いた全12篇を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
グレッグ・イーガンの本邦初訳の表題作他、変容した人類の姿を描いた傑作全12篇を収録【商品解説】
収録作品一覧
死がふたりをわかつまで | ジェフリー・A.ランディス 著 | 7−14 |
---|---|---|
技術の結晶 | ロバート・チャールズ・ウィルスン 著 | 15−35 |
グリーンのクリーム | マイクル・G.コーニイ 著 | 37−70 |
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「永遠につづくものなんてないのさ」
2011/03/30 20:28
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:峰形 五介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
SFマガジン創刊50周年記念アンソロジーの第三弾。ちなみにこのシリーズは編者だけでなく、表紙イラストの担当者も巻毎に変わっている。今回の表紙、意味はよく判らないが、なんだかカッコいい(描き手は『順列都市』『祈りの海』『ディアスポラ』などの表紙イラストを手がけた小阪淳)。
シリーズ最終巻である本書のテーマは「ポストヒューマンSF」。ポストヒューマンと言われてもピンと来ない人(実を言うと私はピンとこなかった)のために乱暴に言い換えると「未来SF」である。もう少し丁寧に言うと、「テクノロジーによって変容した人類の姿、そしてそれにともなって倫理観や価値観、さらには人間性の意味や人間の定義までもが大きく変化した世界の物語」(編者あとがきより)ということらしい。
また、本書には「愛」という裏テーマもあり、「テクノロジーによって変容した愛のかたち(おもに夫婦)の物語」(編者あとがきより)がいくつか収録されている。
たとえば、デイヴィッド・マルセクの『ウェデイング・アルバム』も夫婦の物語。舞台となるのは、人生の節目に記念写真ならぬ記念複製人格を記録する行為が一般化した未来世界。結婚式の日に記録された新婦の複製人格が主人公だ。幸せの絶頂の時点で「固定」されている複製人格の妻と、時が流れるにつれて変化していくオリジナルの妻との対比が描かれていくのだろう……と思って読み進めていくと、きっと驚くことになる。あまりにもスケールの大きな展開が待っているからだ。
もっとも、スケールという点では冒頭に収録されているジェフリー・A・ランディスの『死がふたりをわかつまで』に敵うものはないだろう。題名から察しがつくように、これも愛を描いた作品。一組の男女が「出会わない」ところから物語が始まり、長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長い長ぁ~い愛の歴史が描かれる。たったの6ページで。
愛と関係のない収録作の中では、デイヴィッド・ブリンの『有意水準の石』が良かった。「フィクションの存在に人権はあるか?」という新城カズマが好みそうなテーマを含んだ作品である(先に挙げた『ウェデイング・アルバム』にも同じようなテーマが含まれている)。物語のオチは定番ともいえるものなので、読んでいる途中で予想がつくかもしれない。しかし、そのオチを真正面から受け止める主人公の悲壮な決意には胸を打たれるはず。
このSFマガジン創刊50周年記念アンソロジー三部作はどれも楽しめた。しかし、SFマガジンに掲載された短編小説の中にはまだ一度も書籍に収録されていないものが山ほどあるという。またアンソロジーが編まれて、それらの作品が日の目を見るのはいつのことだろう? 「60周年まで待て」なんて言わないでね、ハヤカワさん。
紙の本
“人間とは何か” “意識とは何か”を問うアンソロジー
2017/05/20 11:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は《SFマガジン50周年記念アンソロジー》の第三弾になります。
第一弾は中村融編『宇宙開発SF傑作選 ワイオミング生まれの宇宙飛行士』で、
第二弾は大森望編『時間SF傑作選 ここがウィトカなら、キミはジュディ』になります。
第一弾、第二弾のテーマがそれぞれ、「宇宙」 「時間・次元」なら
第三弾の本作は「未来」になります。
ポストヒューマンと聞くと、人工知能や新種の生物が人類に“とってかわる”光景が思い浮かぶかもしれません。
しかし、本書の場合は「未来」をテーマにしているだけあって「テクノロジーによって変容した人類の姿、そしてそれにともなって倫理観や価値観、さらには人間性の意味や人間の定義までもが大きく変化した世界の物語」を描いています。
現実の世界でも、人工知能やAR(拡張現実)、VR(仮想現実)の研究開発が盛んに行われるようなっています。本書に取り上げられた作品の世界観が現実になるかもしれません。
ポストヒューマンというテーマのせいか、取り上げられた作品の多くはSF初心者向けではないかもしれません。いまいち世界観が理解できないかもしれませんし、光景が理解できたところで倫理観や価値観が理解できないかもしれません。それでも、各作品の最初に、大まかな世界観とあらすじが載っているので、多くの読者に理解しやすいようになっています。興味がある方は、是非読んでみたらいいと思います。