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オッド・トーマスの予知夢 (ハヤカワ文庫 NV)
オッド・トーマスは、海辺の町に引き寄せられるようにしてやって来た。そこで暮らし始めた彼は、海と空が真っ赤に染まる悪夢を何度も見るようになり、桟橋で謎めいた若い女性アンナマ...
オッド・トーマスの予知夢 (ハヤカワ文庫 NV)
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商品説明
オッド・トーマスは、海辺の町に引き寄せられるようにしてやって来た。そこで暮らし始めた彼は、海と空が真っ赤に染まる悪夢を何度も見るようになり、桟橋で謎めいた若い女性アンナマリアと出会う。彼女はなぜかオッドのことを知っているようだった。悪夢と関係のある怪しげな男たちから彼女を守りつつ、この町で何が起きているか調べるオッドは、やがて恐るべき陰謀を知ることに!オッドが人生の転機を迎える注目作。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
ゆるぎない自我を確立せざる得なくなったオッドはこの先どこにいくのだろう
2010/12/27 21:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
海辺の町にやってきたオッド・トーマスは、アルマゲドンの悪夢を見る。
彼は、謎の女性を出会い、事態は急変していく。
死者の霊が見えるだけだったオッドが、アルマゲドンの悪夢を前に積極的に動き出す。
ある意味、彼が、自分のアイデンディティーを、自我を受けいれたということなのかもしれない。
うん、アルマゲドンの悪夢は、オッドが見てきた死者の霊にたちにくらべたら、とても曖昧だ。
ただ、謎の女性や、怪しい男や、警察署長と、出会う人から同じようにそれを受けたとしても、そこで見えるものは曖昧だ。
が、オッドは行動をおこす。
それは、彼は、今までの経験でそれが<正しい>とわかっているからだ。
一歩間違えれば傲慢と思えることなんだが、オッドのもつユーモアセンスが、それをきれいに中和している。
オッドの真摯な生き方や、彼の生にたいするしなやかさが、心にしみる作品だった。
うん、人の善なる心は、なにがあろうと美しいのだと思う。
紙の本
前作でやめておけばよかったのに・・・特に主人公が自ら災いを招くって言うのがなんていうか面白くない、っていうか不自然。安易なシリーズ化はだめなんです、はい。
2011/12/01 19:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きなカバーです。ちょっと見にリアルな絵だな、って思ってみていて、カバーに写真とあるのを見て驚きました。合成はしていないのでしょうか。なんとも不思議な味があります。シリーズのなかではいいデザインでしょう。特にカバー下部のぼかし具合がいいです。今までと同じで写真は Tom Hallman 、カバーデザインは松昭教思っていたら、デザインがbook wallに替わっていました。ふむ・・・
第一作『オッド・トーマスの霊感』、第二作『オッド・トーマスの受難』、第三作『オッド・トーマスの救済』と瀬名秀明が激賞してきたクーンツのシリーズ作品の現時点での最終巻。ともかく、第三作の『救済』の出来がよかったので、今回はどうなんだろうって思います。ちなみに、『救済』の案内文、最後の言葉は「シリーズ最高傑作」。今回は、「注目作」。かなり温度差に違いがあります。
そのカバー後の言葉は
*
オッド・トーマスは、海辺の町に
引き寄せられるようにしてやって
来た。そこで暮らし始めた彼は、
海と空が真っ赤に染まる悪夢を何
度も見るようになり、桟橋で謎め
いた若い女性アンナマリアと出会
う。彼女はなぜかオッドのことを
知っているようだった。悪夢と関
係のある怪しげな男たちから彼女
を守りつつ、この町で何が起きて
いるか調べるオッドは、やがて恐
るべき陰謀を知ることに! オッ
ドが人生の転機を迎える注目作。
*
となっています。本文49章、解説 「オッドが作家へと成長を遂げる珠玉の一篇」 作家 瀬名秀明、といった構成になっています。
正直、ストーリーを追い難い作品です。色々場面が変わりますが、あえてクーンツはそれを丁寧に読者に説明しようとはしません。登場人物についても、あれ、この人は誰? というようなことがしばしばある。通常の小説、特にエンタメではそういったところのフォローをしっかりして、逆に説明し過ぎて失敗することがよくあるのですが、どちらかというとベストセラー作家クーンツにしては不親切なほど説明が少ない。
とはいえ、話を追えないかといえばそうではありません。ただ、私などは「どうしてクーンツは急に文学し始めちゃったんだろう?」なんて思いました。とはいえ、そういう仕掛けの中から浮かび上がる話は、正直、あまりにスケールが大きくて馬鹿らしくなるほどです。ま、テロの標的とされるアメリカのことですから、このくらいのことはリアルとして受け止めるかもしれませんが、文学的仕掛けと話は明らかにマッチしていません。賛否両論あったというのも分かります。
今回も魅力的な人物がでてきます。一人は、ハッチことローレンス・ハッチンです。引退して50年という元映画俳優で、現在は児童文学作家としてのほうが名が通っています。元俳優で年老いた作家となれば気難しい人物を想像しますが、身元もはっきりしないオッドをコックとして雇い入れ、優しくうけ入れる気のいい88歳の老人です。
もう一人がバーディナ(バーディ)・ホプキンズです。成功した元ゴミ収集業者で、現在は未亡人です。むやみに他人を恐れることをしないで相手をきちんと見極めるというあたりも含めて、小説中もっとも魅力ある老女です。もう一人、女性を上げておけばブロッサム・ローズデイルがいます。オッドの友人で、6歳の時、父親から虐待されて火傷を負い、今もケロイドが顔に残る人懐こい51歳の女性です。
予想外の活躍をするのがフランク・シナトラです。勿論、幽霊で、いったん暴れ出せばその力たるや破壊神という大物ぶりをみせてくれます。
迫害される主人公というのは、やはり読者を惹きつけるので、どんどん読みますが、正直今回に関してはオッドはあまりに挑発的言辞を弄し過ぎます。自ら災いに種を蒔いている感が強い。これは翻訳のせいもあるかもしれません。今までの話からいくとちょっとやり過ぎでは? と思えるところもあり、例えば登場人物についても重要人物より脇役に筆が費やされるなどバランスの悪さも感じます。
このシリーズ4作品全てに解説を書いている瀬名によれば、クーンツはこの巻を出した後、このシリーズを中断しているとか。安易なシリーズ化には反対する私ですが、特に今回は、傑作と評価も高い前作で止めておけばよかったのに、なんて思いもします。