紙の本
主人公とともにツッコミを入れてしまいます。
2011/02/03 08:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:金曜日のらいおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公(たち)は、基本的に友人知人がいない大学生。頭の回転は早く、早すぎて、人との関わり合いの中で自分ツッコミをしてしまい、自己嫌悪にひたすら陥るタイプ。
何故その明晰さを幸せな方向に使えないのか。でも、その葛藤がこの本のミリョクです。
私も考えてしまう方です。考えて考えて疲れてしまい、何もできないという本末転倒さ。
30も過ぎてやっと「考えない」というワザを修得しました。遅いだろ!と自分ツッコミしつつ、ぼっちーずのように考え続けられる気力、その時間があること自体が若さの特権だよなあ、と思います。
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メディアワークスからのハードカバー作品。装丁も綺麗で
お金かかってますねー。入間氏の好きな群像劇スタイルによる
結構ハードな内容の長編。この人の文章って読むのに
時間がかかるんだよねー。今作はいつもより、言い回しや
無駄な文章も少なくて、みっちり濃い内容だけに、余計に疲れるw。
しかし、疲れた分読後も妙な達成感があって、決して
使った時間と脳みそとお金以上の何かが残ります。
友達がいない...たったそれだけの事だが、その中身は
深刻だし、そもそも友達って何? と考え始めるとゾッとする。
そんな友達がいない「独りぼっち」たち。「ぼっちーズ」の
どこまで行っても自分は自分。ただし誰かと、何かで
繋がっていることを真摯に感じることの出来る「ぼっち」たち。
ラストに一気に集約する前振りとエピソードに自分も
「ぼっち」たちの仲間入りしたような清清しさ。そして
100羽鶴のエピソードに思わず...拍手!
歳とってからというもの知り合いはいっぱい出来る。
ただし友達って何人いるんだろ?
自分も結局そうなのかもな...。
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まだ読んでないけど、
最近発売されたらしいから読みたいんだよねぇ。
表紙は『六百六十円の事情』の表紙の宇木敦哉さんだし。
いつか買おうと思う。いや絶対早めに買う!
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友人のいないひとりぼっちの大学生たちがそれぞれに秘密基地を手に入れて自分なりの答えを見つけだす。
色んな話がリンクしていく感じとか、わかる人にはわかる、という話があったりしてハマる人にはたまらない作風だと思います。
個人的にはちょっとまだるっこしくて独特の表現が多くて、内容の割には読むのに時間がかかったな、という印象。
勢いで読めなかったために最後の盛り上がりにも今一つ乗っかれず。ちょっと残念!
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六百六十円の事情が面白かったので読んでみました。
表紙も変わらず宇木敦哉さん!期待十二分。
ひとりぼっちたちが織り成すストーリー。
時系列の違いが含まれるけど、六百・・・と似た構成です。
ライトなノリだけど、現実問題少し耳が痛くなるような友達についての考察が語られています。
たしかに、定義なんてわからん・・・
個人的にも、新しい環境でフランクに輪を広げられる性格でない為、所々気持ちが良くわかります。
大人になったら少しだけ忘れがちな小中高(大)とかの小さな悩みって当事者からすれば大大大問題なワケで。
秘密基地、欲しい時あります。
最後に百羽鶴や金庫が出てくるのは予想出来ますが、そのまま清清しく終わってくれるのも六百・・・から続いてる流れで後味が凄く良い作品だと思います。
もう1回くらい、このタッグでの作品を期待しています。
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最初の出だしに惹かれて買った本。
『ぼっちが集まっても"達"にはなれない。』
それって凄くそのとおりで、つい手が伸びてしまった。
友達ってなんだろう。
独りぼっちってなんなんだろう。
なんで自分はひとりぼっちなんだろう。
自分の周囲をふいに見回したくなったような、そんな衝動。
物語の進み方的には、短編集が集まっていて最終的に1つの話に繋がってる感じ。
それぞれ年代は違うだけで同じ大学での学生の話を元にしてます。
最初に出てきた主人公が、最後らへんでは教授的な年になっていたりと時代の進みを感じます。
好きな本です。
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ぼっちの心情がリアルでわかる、わかるよ!と何度頷いたかわかりません。ぼっちな人ほど友達という存在について深み考え込むんだよね。もっと気楽にいけよ考えすぎだよ!なんて思うシーンもしばしばでした。他人にあまり踏み込ませない、それでもみんなでわいわい騒ぐことができるぼっち達はある意味いい関係なんじゃないかなあって思います。十分青春っぽいよ。ハッピーエンドで良かった!ぼっち達に幸あれ…
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2/6 読み終えました
連作として一貫したテーマぼっちのための作品ですね
なんを言えばやや登場人物の名字が被っていて混乱するふしもありました
でもすかっとしました
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イラスト:宇木敦哉
装丁:里見秀樹
装丁が気に入ったので買ったが、読み終わって出た一言は「疲れた」だった。
入間人間の著作は初めて読んだが、全体的に情景描写が少なく主人公の一人語りがひどくやかましい。ぼっちたちの群像劇として描かれており、最終章ですべてがまとまるようになっているようが、正直時系列がはっきりしないのは書き分けされるべき時代感が分けられてなかったため。
作者曰く、明らかなアレな大学とその墓地は現物を知らないとイメージしにくいはず。
口語表現が目立つ。吐血表現がどこまで現代的かは定かではないが、現代においては多少親近感をもつ文体なのかもしれない。
「えー、と舌を出して嫌がる私」←これどうやるの?
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「僕の小規模な奇跡」+「六百六十円の事情」=「ぼっちーズ」
「僕の小規模な奇跡」にあった「時空を超えたショボい奇跡」と、「六百六十円の事情」にあった「オムニバスストーリーからの見事な合流」とが融合された傑作。おかげで、「六百六十円の事情」が、「僕が好きな入間人間の作品ランキング」の一位の座を「ぼっちーズ」に譲り渡し、更には、「ぼっちーズ」を読んだおかげで、「僕が好きな(中略)ランキング」であまり高い位置にいなかった「僕の小規模な奇跡」が評価を上げた。
「ぼっち」が「ぼっち達」になる物語。そう書くと後ろ向きな暗い物語に見えるがそうではない。世間一般に浸透する「友達がいないとかwww」という空気、友達がいることに対する「前向きさ」に、「秘密基地」という居場所を得たことでようやく立ち向かえるようになった「ぼっち」達の後ろ向きな明るい物語である。ほぼリアルぼっちの僕には羨ましい物語で、だからこそ面白かった。あ~、秘密基地が欲しい。
それぞれの「ぼっち」達のストーリーも一つ一つが、ぼっちらしい行動や心情を表していていいが、それよりも何よりも、ラストの伏線回収が素晴らしかった。それなりに量がある小説だが、読み続けてきたことに無駄が一切無く、伏線回収のシーンは、読みながら何度も当該箇所を読み直した。最初から謎に思っていたそれぞれのストーリーの番号のようなものの意味も分かったし。オムニバスストーリーの最初の「ぼっち」の物語を最後でさらに展開させたのも高評価。「ぼっちーズ」という物語群の最初の主人公だから、やっぱり一番感情移入してしまうもんね。
読み応えも爽快感もバッチリの現時点での入間人間の最高傑作だと思う。
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『みーまー』の原作入間先生の本です。独りぼっちの主人公達が友達を探していくというお話だったのですが、胸を締め付けられる言葉がたくさんありました。お勧めです!
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気遣いとか友達とかそういうのを意識し過ぎて大学生活を謳歌できないぼっちが大学内にある秘密基地と呼ばれる一人になれる部屋を保険医から紹介されて・・ という基本人間関係が苦手な人たちの群像劇。
設定はどうあれ基本的に六百六十円の事情と各人のつながりは違えど同じ構成なのがちょいと気になりました+六百六十円は年齢層が偏っていたのが逆に話にメリハリついてよかったのですが、こちらは皆大学生という事で結果それほど攻撃的、保身的とかあれどあんまり雰囲気変わらないので少し中弛み・・
群像劇なので伏線と終章のまとまりと結末いいのですが中弛みが少しきつかったですね・・。
後は各章の前にキャラ絵があるのですが、笹島だけかかれてないので存在感薄いです。先輩より薄いです・・。
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あははこれいい!
友達のいない「ぼっち」たちに与えられた謎の秘密基地のお話。
「独りで生きる力のないものまで、独りで生きられてしまうという、ヘンに豊かになってしまった今の世の中が諸悪の根源なんじゃ」とか。
「それにしても独りであることに対して世間から感じる圧力というのも並々ではないよなー」とか。
同じく友達少ない人生歩んできたものとして理屈をこねながら読んでいたのですが、そんなの最初のうちだけ。
そんな自分に折り合いをつけて、一歩踏み出す姿に不覚にも感動させられてしまいました。
ところでこういう「男子視点の恋物語」におけるヒロイン像って、この本にもふたりほど描かれている「主人公の欠点を目の当たりにしても欠点とは気づかない(思わない?)」「ちょっと不思議」ちゃんというのが本当にぴったりはまりますね。逆も真なんですが、相手役に内面ていらないんですね。
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ぼっちが何人集まっても「たち」でなく「ぼっちたち」
人の干渉を汚染と感じるのは仕方がない。
誰にも脅かされたくない領域はある。
人間だれでも自分が安心していられる秘密基地が必要だろうと思う。
そこを誰かと共有できれば素晴らしい。
そこには大切な友達ができるのだと思う。
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森見登美彦の四畳半とか太陽の塔がぼっちを気にするとかそんなことよりも自分の中でもんもんとしていける天才タイプのぼっちを描いているとしたら、こっちは平凡なぼっち達の物語。だから余計にリアル。私も秘密基地探したいけど、きっと断られる。べつに汚染に耐えられるもの。
……どうしてだろうなぁ。俺は自分の過ごしやすい生き方を選んできただけなのに。自然体で生きると他人と関わらない人生が待ち受けているって行き詰まり感が凄いな。(p118より)