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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
くも真っ赤出血で倒れたまま意識も戻ることなく、まだ若いのに残酷ですね。夫婦って不思議な関係だなと感じました。
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くも膜下出血で妻を失ったジャーナリストの手記。
これほど、真摯に生と死を見つめた本に今まで出会ったことがあっただろうか。
妻への愛、娘への愛、家族、仕事、生きること、死とは。
世界で起きている様々な紛争や内乱、遠くの国で起きている生と死の闘い、そして自分の妻の生と死の闘い。
信仰を持たない私には、なんとなく別世界のような感覚のあった「神」という存在について、クリスチャンでもある桃井氏が「人間の意識を遥かに超えた存在、母なる大地とか宇宙の原理とか、そういったものに近いか、またはそれさえも超える存在」「神に祈ることで奇跡を望むのではない」と書いていた。
著者が、妻の現実に向き合い、やがて来る最期の時とそれを受け止めようとする覚悟の日々を読みながら、信仰心をもつ人の「神」というものの捉え方というか、宗教観のようなものが、初めて少し理解できたような気がした。
死生観というものを、強く考えさせられた。
生のすぐそばに死はある。
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慟哭しつつ一気に読みました。
愛する者との別れに対する覚悟を問われつつ、日ごろの生き方を考えさせられる。
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写真家、桃井和馬の妻が41歳で突然のくも膜下出血で倒れてからの記録。
妻との関係のあり方に憧れる。
「戦友」であると。
武士の妻(?)のような潔さ、心の広さもまたかっこいい。
私はこの人の写真のファンだけど、
失った悲しみを知ってる人なんだなと改めて思った。
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誠実なキリスト者であり、かつタフなジャーナリストである著者だからこそ書けた手記であると思う。大切な人を看取る過程での、想像をこえた身体や精神の反応、感情の貴重な記録。
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くも膜下出血で倒れ、41歳で亡くなった妻の看取りの記録。
著者の桃井和馬氏はフォトジャーナリストで、たびたび戦地にも赴いたこともある人だ。死の色濃い現場の回想と交互に綴られる十日間。
会社で妻が倒れたと聞き、ショックで意識障害を起こしながらも病院に向かう著者。ほどなく脳死状態であるとわかると、妻のかねてからの意思に従い延命処置は断り、意識も戻らぬまま死にゆく妻を傍らで見守る。忘れ形見の娘と家族、友人、医師や看護師にも寄り添われながら。
著者は横たわる妻の体に触れ、彼女の日記帳を読み返しながら、元気だったころの妻を回想するが、これがまたカッコイイ素敵な人で、著者の愛情と喪失感はいかばかりのものかと思う。
混乱と繰り返し襲う悲しみの発作を経て、現実を少しずつ受け容れていく様子には涙せずにいられない。
途中で本を置くことができず、一晩で読み通してしまった。泣きながら夜更かししたので翌日は目が腫れて大変だったが。
私が死んだら夫はどうするかな、と思った。
夫が死んだら私はどうなるかな、と思った。
人はいつか死ぬ。その時がいつかは誰にもわからない。
それまで、どう生きるのか。
大切な人とどう向き合うのか。
どんな思い出を残していけるのか。
そんなことを思った。
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戦友とも呼べる妻との死別。十日の間に、少しずつ真綿で首を締められるように緩やかに訪れる死別に晒され崩れていく著者。そのむき出しの心と姿と感情の激動が、自分だったら?という想像を強いてくる。
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図書館でたまたま見かけて借りてみました
41歳で突然職場でくも膜下出血で倒れた奥様との最期の十日間を綴った手記
若いから全く「自分が突然死ぬ」事なんて考えてなかった
倒れた状況からすぐに亡くなってもおかしくない状態だったのに、十日間の必死の闘い
その残された時間が「グリーフケア」の時間となり 小学校6年生の幼い娘さんも「お別れの時間」を持つことが出来 また幼い頃から親交があった子供達にも「生きた命の授業」が出来たのかな と思う
結婚16年 出会ってから四半世紀経ても 夫婦は愛し合っていたのですね
周りに冷め切った夫婦ばかりいるもんで^_^;
なんだかうらやましくも思えました
同じ位の年代なので そろそろ「死」も意識し始める年代なのかな
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世界の戦闘地域で取材するフォトジャーナリスト。夫への共感と理解を持つ戦友のような妻。そのかけがえのない妻を突然クモ膜下出血が襲う。小学生の娘や親族と共に意識不明の妻に寄り添う。多くの殺戮現場を見てきた冷静なはずの男が、本当に愛するものの「死」に直面し、たじろぎ悲嘆にくれ、思考停止する。人間個人ははかないものと知っているのに、喪失することの前で何もできない。「死」とは生きているものの身近にある厳然たる向こうの世界だ。しかし愛は亡くならない。
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桃井和馬著「妻と最後の十日間」集英社新書(2010)
*妻はたくさんの思い出を残してくれた。それだけではなく、私に1つのチエをも授けてくれた。人は試練を受け続ける。しかし、乗り越えられない試練ではない。そして乗り越えた後は、乗り越えたくなんの大きさだけ、他人の痛みを理解できるようになる。頭で理解していたこの当たり前の事実が、身体で理解できるようになったのだと今は思う。1人の女性の生と死を巡る中、いつもパウロの言葉を思い出していた。「あなたがたを襲った試練で人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなた方を耐えられないような試練に会わせる事はなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」
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[ 内容 ]
世界各国の紛争地域を取材してきた著者が、最愛の妻をくも膜下出血で亡くすまでの看取りの十日間を記録したノンフィクション。
世界中で多くの生と死を見続けてきた著者だったが、迫りくる妻の「死」には、ただひたすら戸惑い、動揺し、取り乱すばかりだった。
回復の兆しはなく、意識も戻らぬまま、脳死に陥る妻。
著者は、妻の「その瞬間」までを詳細に記録することで、過酷な現実と向き合うことを選ぶ。
[ 目次 ]
第1章 突然の知らせ
第2章 延命
第3章 家族旅行
第4章 日記
第5章 病床の聖餐式
第6章 目の前の事実
第7章 不安
第8章 鳴り始めたアラーム
第9章 二人だけの時間
第10章 桜舞う夜に
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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昨日友人と「死」について話しており、シンクロして手に取る。大切な家族が死に直面したとき、わたしはどう思い、動くだろうか。
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突然くも膜下出血で倒れた妻が、意識を取り戻さないまま亡くなるまでの10日間。ジャーナリストである著者の性(さが)か、克明に記録された内容。そしてもちろんそれだけでは片付けることのできない衝撃、慟哭、喪失感。けれどそれらを凌駕し、本書を読んで一番感じたのは愛というものの存在だった。
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http://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04266587
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著者の桃井和馬さん(1962年生まれ)は、日本の写真家、ジャーナリスト。世界140カ国を取材し、紛争・地球環境などを題材に宗教的な文明論を展開している。第32回太陽賞受賞。
この「太陽賞」は何かというと、
平凡社が主催していた写真賞だが、今は休止されている。
その理由は、賞の母体となっていた『太陽』が2000年に休刊になったためで、1999年(第36回)が最後の太陽賞。
この本は、最愛の妻をくも膜下出血で亡くすまでの看取りの十日間を記録したノンフィクション。