カフェかもめ亭 （ポプラ文庫ピュアフル）

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切なさで胸がふさがれる思いをしつつ一気に読み終わる。「ねこしまさんのお話」の最後にホッとする感じも、「かもめ亭奇談」の時の流れが不思議に重なって描き出される情景も、「クリスマスの国」のたまらない余韻も、大好き。泣かずにはいられない。なんか俺は大切のものをどこかに置き忘れてきてしまったのではないだろうか、という後悔の念が頭をかすめる。

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日常生活とつかず離れずなところにある、ファンタジーすぎない物語。現実にもこれくらいのことがあっていいと思う。

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カフェかもめ亭を訪れる人の、それぞれのお話。最後の番外編、クリスマスの国が好き。
2012/8/15

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古い木箱につまった、きらきらした色とりどりの石たち。ふしぎな色と光を詰め合わせた小さな宝箱。そんな印象です。好きです。
表紙絵の色合いが、その印象にとても合っていますね。

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「コンビニたそがれ堂」の、風早の町にあるカフェを舞台にした小説です。
作風は変わらず、不思議で心温まる短編集でした。
鏡の話だけは、悲しかったですけど。
小学生くらいの子は、こういうファンタジーをもっと読めばいいのに。

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ねこしまさんの話、なみだなみだ。

たそがれ堂を読んでからのこっち。同じ風早の街を舞台にカフェでのゆったりした思い出話。それぞれに不思議がたくさんつまってる。涙もつまってる。ほろほろ泣けました。

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アニメ『はれときどきぶた』で玉ちゃんが雪だるまと遊んだ話があったのを思い出す。
子どもの時の不思議な出来事で、大人になると夢だと理屈で片付けてしまうような話。
自分にはそういう不思議な経験無いけど、自分が大人になった時、もしくは今、子どもからこういう不思議な体験談を聞いたら現実だと信じることができるだろうか。

こういう不思議な体験談を共有して、味わうことができるマスター、魅力的な人だなぁ...

『魔法少年ソラ』、ぜひ見たいね。
昔好きだったアニメのキャラクターは、みんな魅力的な人物ばかりで、色んな夢を見せてくれた。

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“そのお客さまが、いつのまに店に入ってらしたのか、わからないんです。
気がついたら、そこに、ドアを背にして立っていらっしゃいました。霧にぬれたコートをたたんで腕にかけて、にこにこ笑ってらっしゃって。
一瞬、何ていったものかと思いました。
お客さまは、銀色の髪の、外国人のおばあさまだったのです。細いふちの眼鏡の向こうで、灰色の目が、おもしろそうに、きらきらと光っていました。”[P.189]

かもめ亭に訪れる人々の、ほっこりする短編集。
どこか幻想じみていて懐かしい。

“足音が、近づく。僕の心臓の音は、速いペースで鳴った。隣にいる暁くんが息をのむのがわかる。背筋の毛が逆立って、胸の奥で、逃げたい、という思いが弾むのがわかった。
でも——その時僕は、小さかったあの日の、螢を部屋に放してくれたあの女の子のことを思った。さみしかったあの夜に、ひとりぼっちの夜に、お見舞いにきてくれた女の子。
今階段を下りてくるのは、あの子だった。
僕は——僕たちは、逃げなかった。
「こんばんは。いらっしゃいませ」
その子は、優雅な響きの、日本語でいった。小鳥みたいに首をかしげて、笑った。
まるで僕らがここにくるのがわかっていた、というように。それでいいの、当たり前よというような、でも、とてもとても、嬉しそうな笑顔で。”[P.270]

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「コンビニたそがれ堂」の姉妹編と言うことで読んでみた1冊。
同じ風早の街を舞台としているところと、かもめ亭に訪れるお客様が「たそがれ堂」の話をするところぐらいが繋がっているだけで、本編はそれほど関係なさそう。
「たそがれ堂」も不思議な話が多いが、それ以上にファンタジー要素が多め。しかし、ファンタジーでも全編、親しい人の死が絡んでいて、どこか悲しい物語ばかり。
ファンタジーが苦手なので、ちょっと読むのに手こずったが、最後まで読むと、やはり心の中がほんの少し温かい気持ちになり、自分の身近な人を大切にしようと思える。
外出自粛の中、家の近くをうろうろしていたら、偶然「風早」の住所を発見！
実は「たそがれ堂」も3作目以降が手に入らない状況で、この「かもめ亭」はもう少し後まで取っておきたかったけど、「風早」の街を発見してしまったら、読まずにいられなくなってしまった…
これでこの作者さんの作品の在庫は０。まだまだ、いろいろ読みたいのになぁ…困った…

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『コンビニたそがれ堂』の姉妹編。
同じく「風早」を舞台にしたハートフルストーリー。
読んでほっこりする話ばかり。でも意外にビターな面もあります。
主人公の広海はあくまで話のつなぎとして出てくるだけ。
でも、ちぐはぐな感じは特にないと思います。
カフェで読みたい本でした。

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ようこそ、私のお店へ。とっておきのお茶とともに、不思議なお話などいかがでしょう―

『展覧会の絵』と甘めのアイスミントミルクティー、砂漠に捨てられた少女、泉のほとりに咲く花、前世の夢、世界で一番きれいな青・・・「砂漠の花」

『シェヘラザード』とディンブラのアイスティー、世界を駆けまわる雑貨店の店主、幼い日に出会った不思議なあじさいが咲く家、そこに住む病弱な少年、古びた不思議な七宝の万華鏡・・・「万華鏡の庭」

右から二番目の星』とアイリッシュコーヒー、不可思議屋というアンティークショップ、中国生まれの銀の鏡、いじめられっ子の哀しい少女、開かれた異界への扉・・・「銀の鏡」

『別れの曲』と熱いロイヤルミルクティー、上品な老夫人の思い出話、お姫様のような優しい姉、恋を叶えた不思議なおとぎばなし・・・「水仙姫」

『シング』とアイスのロイヤルミルクティー、高原からやってくる元気のよい少女、彼女の隣人の魔法使い、保養にやってきた同年代の少女との冒険・・・「グリーン先生の魔法」

『ワルツ・フォー・デビー』とエスプレッソ、学校に行けなくなった少女、公園に住むのらねこのねこしまさん、猫の国の王子様のお話・・・「ねこしまさんのお話」

『虹の彼方に』とかもめ亭ブレンド、母方の祖父との思い出、霧の日にやってきた不思議なお客様、海の色した瞳の少女・・・「かもめ亭奇談」

『アマイジング・グレイス』とクリスマスブレンド、アニメ『魔法少年ソラ』、山奥の小さな村、かつて村をたすけた異国の紳士、いとこの家の奥の蔵に暮らす少女・・・「番外編・クリスマスの国」

『コンビニたそがれ堂』の姉妹編。風早の街のカフェの物語・８編。
なんとも爽やかなファンタジーめいたおとぎ話。
薄汚れた大人のワタクシにはやや眩しすぎたきらいが・・・。
『コンビニたそがれ堂』はいけたんだけど・・・、これはジュブナイルものとして、児童書扱いのままでもよかったんではないかなぁ。
いいお話である事は確かなので、善き少年少女に読んでいただきたい一冊。

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たまにはホッと一息つく、
ファンタジー的短編です。


番外編が長くて面白い、妙な本になってました。

ネコ好きとしては、「ねこしまさんのお話」がご贔屓。

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児童書ジャンルでいいのかな、と思いますが。

コンビニたそがれ堂と同じジャンルっぽいかんじです。

ふわっとあったか。
しかし、なんか切ない話とかいろいろあって考えさせられます。

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▼収録作品
「砂漠の花」
「万華鏡の庭」
「銀の鏡」
「水仙姫」
「グリーン先生の魔法」
「ねこしまさんのお話」
「かもめ亭奇談」
「番外編・クリスマスの国」

「ねこしまさんのお話」で涙腺決壊。猫の国が本当にあるなら、そこで皆どうか幸せに暮らしてほしい。

「銀の鏡」は少しホラーちっく。

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理由ありで”外に出られない子”がよく出てくるのが少し気になったけれど、優しくて素敵な世界観のお話だなと思いました。言葉の使い方も風景描写ととても美しく、話の中の子もそうであったように、この作者さんも絵を描ける方なんだろうなと感じました。各お話にBGMの曲名が具体的に記されているのも良かったです。この方に脚本を書いていただきたいなぁ。。