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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.8 228件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2011/01/01
  • 出版社: 筑摩書房
  • サイズ:20cm/199p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-480-80430-3

紙の本

こちらあみ子

著者 今村 夏子 (著)

少女の目に映る世界を鮮やかに描いた第26回太宰治賞受賞作。書き下ろし作品『ピクニック』を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】【太宰治賞(第26回)】【三島由紀夫賞...

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こちらあみ子

税込 1,540 14pt

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商品説明

少女の目に映る世界を鮮やかに描いた第26回太宰治賞受賞作。書き下ろし作品『ピクニック』を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】

【太宰治賞(第26回)】【三島由紀夫賞(第24回)】好きじゃ、と叫ぶ度に、あみ子のこころは容赦なく砕けた。のり君がこぶしで顔面を殴ってくれたとき、あみ子はようやく一息つく思いだった−。風変わりな少女の目に映る世界を鮮やかに描いた表題作ほか、「ピクニック」を収録。【「TRC MARC」の商品解説】

収録作品一覧

こちらあみ子 5−115
ピクニック 117−199

著者紹介

今村 夏子

略歴
〈今村夏子〉「あたらしい娘」(「こちらあみ子」に改題)で第26回太宰治賞を受賞。

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書店員レビュー

ジュンク堂書店京都店

第26回太宰治賞受賞...

ジュンク堂書店京都店さん

第26回太宰治賞受賞作。
改題前のタイトル『あたらしい娘』という印象ではないけれど、おそらく発達障害の女の子、あみ子の行動は確かに普通ではありません。普通ではないのに、なぜだが感情移入してしまうのは、あみ子が「こちらあみ子、こちらあみ子」と必死にだれかと繋がりたがっているからなのだと思います。初恋に手に汗握って興奮するあみ子、何ヶ月もお風呂に入らず異臭を放つあみ子。でも澄み切った冬の早朝のような空気感を損なわない、著者の文才を感じる作品です。

京都店 文芸担当

ジュンク堂書店ロフト名古屋店

ヒロインのあみ子は気...

ジュンク堂書店ロフト名古屋店さん

ヒロインのあみ子は気の毒な状況にある。母や兄や同級生ののり君など周りの人々をその気の毒な世界に巻き込み壊していく。
作者はそんなあみ子に寄り添いながら、彼女の視点にこだわり、必要以上の説明をせず(だから名前を覚えてもらえない男子生徒は最後まで名無しのまま。でも彼とあみ子が最後に言葉を交わす場面はとても素敵だ。)淡々と小学生のあみ子が中学生になって、ずっと好きだった男の子に前歯3本折られるまでを物語っていきます。
言葉にしてその魅力を伝えるのが難しい小説です。だからこそ多くの人に読んでほしいと思える作品です。

店長 石本

みんなのレビュー228件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

読者の感性を問われる衝撃的な作品。

2011/11/30 03:58

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰&三島賞W受賞作品。太宰治さんも三島さんも天国で拍手しているのではないでしょうか。それほど心に痛い物語です。あみ子は一生懸命に周りに合わそうとするのですが、どうしても馴染めずに崩壊への道へと進んでしまうのですが、残酷とも言える内容とは言えどそれを中和させる作者の柔らかい文章のおかげで、読者は痛々しくもあみ子を受け入れてしまい、自然と応援してしまうのですね。あと実母でない母親の存在感も大きいです。 あみ子の三本の歯の代償は大きかったか感じるところの大きな作品で、読者の感性を問われる一作だとも言えます。

表題作の「こちらあみ子」、簡単に言えば、あみ子は現在は祖母と一緒に暮らしているのですが、十五歳で引っ越しをするまでのなぜそうなったかが語られています。
タイトルはお読みになった方なら誰でもわかる、トランシーバーでの応答言葉ですね。
結果として話が出来なかったのですが、それだけに余計に胸が締め付けられます。
そしてただ単にあみ子だけではなくって、母親に対しても同じぐらいの共感というか同情ですかね、そう言った気持ちにさせられます。
これはそうですね、言葉でここで表現しつくせないレベルまで来ていますね。
というのは、読者側と言ったらいいのでしょうか、より母親に近いのですね。とりわけ女性読者で30歳以上の方でしたら本当にまるで自分に起こったことの感じ取ることが出来るのだと思われます。

私たち読者はあみ子の純真さを見習わなければならないでしょう。
なぜならこの作品を読んである一定の理解を得ることができる読者の大半が、“先天的なものに対する許容”が出来るからです。
一見、周りがあみ子に翻弄されているように見えますが、私的には本当に翻弄されているのはあみ子であると捉えています。
ラストの同級生のように、読者である私たちこそあみ子に対して暖かい手を差しのべたいですし、そう読みとる作品だと思っております。

そして書き下ろしの「ピクニック」、これもなかなかの力作です。
これは表題作とは違って、七瀬という30代の大人の女性が主人公です。
この作品は逆にちょっと読みとりにくいというか、より奥が深いのですが、主人公が自我に目覚めているために周り(ルミたち)も悪意に満ちた部分がありますよね。
ただ、悪意と善意は紙一重であって、このことは私たちの実社会と共通しているのだと思います。

最後に今村さんの素晴らしいところは、太宰治や三島由紀夫がそうであったように、その作風も含めて他の作家が表現できないレベルの作品を書けるということだと思います。
それほど才能に溢れた方だと言っても過言ではないような気がします。
今後のより一層の活躍を見守って行きたいなと思っております。

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紙の本

あみ子を理解できない者があみ子を非難するのは違うのではないかと、私は思う。

2011/08/18 12:21

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:チヒロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

あみ子はすごく変な子だ。
落ち着きが無く、疑問に思ったことはその場で聞かずにはいられず、
小学校も行ったり行かなかったり。

行動するときはいつもだれかが側についていく。
そのあみ子が愛してやまない、同級生ののり君。
あみ子はのり君しか見ていない。

あみ子の家にやってくるはずだった赤ちゃん。
その弟(実は妹)の死で、お母さんは病気になる。
そしてお兄ちゃんは不良になり、あみ子の家庭は崩壊していく。

最初から最後までずっとあみ子目線で語られる。
おにいちゃんがなぜ不良になったのか。
お父さんはあみ子のことをどう思ってたのか。
そして、大好きだったのり君の心は。

そのどれも、きちんとあみ子に理解できることはない。

彼女自身に忍び寄る不安な気持ちに無意識にフタをした時、
ベランダに忍び寄る幽霊がその代わりに姿を現したのを彼女は気付かない。

誰かに怒りをぶつけて欲しかったのかもしれないし、
手を引いて欲しかったのかもしれない。
そのざわざわした気持ちを、のり君のパンチで解放してもらったのか。

それと脇役ながら、隣の席の少年の存在はけっこう大きい。
あみ子に呆れたり怒ったりしながらも、気にかけてくれる。

彼と話している時のあみ子が、一番まともに思えるのは私だけか?

家族にも見放され、祖母と田舎で暮らすあみ子の心は、おだやかだ。

私はむしろ同じく収録されている「ピクニック」が好き。
じんわりと人の優しさが伝わってくる。

表紙は「人質の朗読会」と同じ土屋仁応氏による「麒麟」
これも美しい。

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紙の本

こちらあみ子

2012/02/26 12:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:痛々しくも鮮烈な魂 - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんだ、これは?
とても静かに繊細に描かれた小説なのに、強烈なパンチをくらったような衝撃を感じた。
これは、凄い。

発達障害を持つと思われる、主人公あみ子のその周囲から乖離したような、
不思議な視点で語られる、綺麗でいて残酷、繊細でいて骨太な小説。

あみ子の障害については、一度も明言されることはない。
それは、あみ子自身が自覚していないからということもあるのだろうけれど、
それよりも、この小説の本質が、「障害を持つ少女の物語」ではないからだと思う。

病名を出せば、あみ子は、例えばアスベルガー症候群の少女、
みたいな定義に嵌められてしまって、下手をするとそれ以上でも
それ以下でもない存在となってしまいかねない。

けれど、あみ子はあくまでもあみ子であって、
それ以上でもそれ以下でもない存在として描かれている。

あみ子の言動は、それが純粋に善意から生じたものであっても、
周囲の人々には奇異に映り、理解されない。
それどころか人を傷つけてしまうことも多い。

この周囲との「ずれ」が、あみ子自身にとってそうである以上に、
読み手にとってはもどかしく、読み始めの頃は、彼女をうまく扱えない家族や、
時には、あみ子自身にさえ、読んでいて憤りに似た、やるせなさを感じたりもした。

けれど、あみ子の目を通して世界を見つめるうち、なぜだろう。
自分の信じていた世界が、その感覚が逆転していくのを感じるのだ。

読み始めの頃は、周りに理解されず、嘲笑されたり、苛められたり、
無視されたりするあみ子をどこかで可哀想だと感じている自分がいた。

なのに、途中からあみ子ではなく、周囲の人達の方こそ本当は可哀想なのではないか、
そんな気がし始めるのだ。

周囲の人達、それはつまり、自分を含めた社会に適応しながら生きる
すべての「普通」の人々。調和を乱さないよう、常に周囲に気を配りながら
日々過ごす、まるで臆病な小動物のような私達。

それに比べて、社会的には酷く非力に思えるあみ子は、
孤独ではあると同時にまるで野生動物のように自由で力強い。

猿の群れの中に紛れ込んだ猫。なんだかそんなイメージが頭に浮かぶ。

ちなみに、この小説の元のタイトルは『あたらしい娘』だったそうだ。
『こちらあみ子』という商業的インパクトに長けたタイトルを
採用することとなった経緯は想像がつくものの、読み終えると、
(まぁ、当然だけれど)原題の方が小説の本質を言い表していると感じた。

この小説は、あみ子という少女を、情景豊かに、けれどあくまでもありのままに描いた、
ただそれだけの作品であって、『こちらあみ子』というタイトルが想起させる
外へ向かっての(一方的な)呼びかけを描いたものでは決してないように思うから。

とはいえやはり「掴み」であるタイトルとしては『こちらあみ子』
の方が優れているのだろうな、とも思うのだけれど。

そして、もう一編収録されている書き下ろしの『ピクニック』は、
表面的には優しげで牧歌的でさえある語りの中に、
女子特有の苛めの形が隠されていて、最後にぞぉっと寒気を覚えた。

最初に戻って読み返すと、怖さ倍増でした。
決して好きなタイプの話ではないけれど、『こちらあみ子』とは
また違った趣の凄みのある作品。

今村夏子という作家は、繊細にそして綿密にこういった「世界の逆転」
を描くことが天才的に巧いのかもしれない。

次の作品が待ち遠しい、そう思える作家です。

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紙の本

がんばれ我が家のホンゲル係数

2012/03/10 18:06

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:お月見 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 こちらのブックレビューでタイトルと書評に引かれて手に取りました。
BK1では、よく本を購入していたのに、ブックレビューのコーナーには長らく気づかず、レビューを投稿するのも拝見するのも、先月からという超初心者ですが、皆様のレビューにそそられて購入する本も多いです。
 我が家のホンゲル係数(家計を占める本の購入金額の割合をうちでは本ゲル係数と読んでいるのです。)がまた上昇してしまう危機感におびえつつ、読みたい本ばかり増えるのが悩みのタネですね。

 この本の主人公のあみ子には、障害があります。そのために家族や周囲の人とは軋轢を生んでしまう経緯が、少し前の過去を振り返るという効果的な描写でたんたんと語られます。
 私は、あみ子を知っています。正確に言えば、あみ子のような子供、または大人。誤解を受けないように、詳しい表現を避ける形で申し訳ないですが、あみ子の行動、何故このような行為に走るのか、このような発想をするのかを必要に迫られてずっと考えています。いわゆる発達障害といっても個人差があり、ひとくくりにはできません。もちろん、障害を持つもの=純粋なるもの、でもありません。そして自分も、本ばっかり読んでいて空想ばっかりしていた妙な子供であり、成長し、ある程度世事のスキルを身にまとうまでは空気の読めない子供であったので、多少はあみ子の執着に身に覚えを感じることもあります。
 そしてあみ子のお兄ちゃん、二度目のお母さん、お父さんの心情も胸にせまってくるほどにわかります。まじめな常識人でも(だからこそ)限界はあるのです。疲れるのです。私はのり君にも同情します。クッキーは酷すぎるよ!
 時に苦しく、胸に重いものを抱えた気分で読み進めました。
 物語の終盤、ねだって手に入れたおもちゃのトランシーバーに向かって「こちらあみ子、応答せよ」と呼びかけるあみ子。誰からも応答はない。心を病んだお母さんからも。あみ子の言葉の意味をくんでくれないお父さんも。
 一人でつぶやくあみ子。もうすぐ引っ越して、家族がばらばらになり大好きなのり君と別れる事(かすかにのり君の心情も汲んではいるんです)、死んで生まれた赤ちゃんを間違って認識していた事。「なんで誰も教えてくてんかったんじゃろう。いっつもあみ子にひみつにするね。絶対みんなひみつにするよね。」
これだけの事をあみ子なりに理解はしていても、皆に届けるコミュニケーションのすべを知らない。
 その時、無言のトランシーバーから返答があるのです。ファンタジーではなく、実在の人間の応答が!それが誰であったのか、ぜひ本書を読んで確かめて欲しい。そして鮮やかに”ベランダの幽霊”の正体までも解き明かしてくれたその人。”先輩”ちょっとカッコ良いぞ!だけどあみ子にとってはドラマチックな出来事でもなんでもなく、「成長」というよりは「過程」なんだろうな。あみ子が微妙な物音とか、いつもとは違う違和感に酷く反応してしまうこと、お父さんが気づいてくれてたら良かったのに。
 そしてね、私には、のり君よりも好感が持てるクラスのわんぱく君の事なんか、さらあ~っと流して忘れてしまう、それがあみ子なんですよね。

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紙の本

評判の高い一冊。今村夏子さんの世界を知るのに最適です。

2017/12/27 10:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前からぽつぽつと書評を見かけるので、息の長い作品だと
思っていました。爆発的なヒットはなさそうですが、じわじわ
沁み込んでくる良質の一冊です。

「こちらあみ子」「ピクニック」の二篇が収録されています。
こちらあみ子の元となった物話で太宰治賞を受賞してデビューし、
この本にまとめ直して三島由紀夫賞を受賞したという
大変な経歴の作品です。
ところが文庫版併録用に短篇一作を書いた後、
しばらく休眠となります。いろいろあったのでしょうね。

こちらあみ子は、心理距離のずれを扱った価値観を
揺さぶる作品です。
ピクニックは、途中から何が起こっているのか分かりやすくした
作品ですが、やはり心のずれを書いています。

「あひる」も奇妙な違和感がある作品ですし、「星の子」も
書評によると同じ傾向のようです。

著者のテーマなのでしょう。
自分と他人は違うということ。自分は自分、人は人。
物語の根底に見える考え方です。

やや極端な人物が登場するのが今村流です。
あひるでは、本当は異質な人たちを角度を変えて見せることで、
読者をまやかしの世界へと引き込みました。
それに対してこの作品は、世界観が分かりやすく書かれています。
気に入るかどうか、判断するのに最適だと言えるでしょう。

この作品は、精神的弱者が主人公です。あみ子という少女です。
発達障碍と言ってもいいのかもしれません。
しかしそんな言葉のレッテル貼りがなんと空しいことか、
読んでいて心が警報を発するのです。

主人公のあみ子の視点で物語が進むので、精神的な部分に
微妙なものを感じつつも、追体験しているかのように読めるのです。
だからあみ子のことを、せつなく、可愛らしく、いとおしく
感じてしまうのです。

分かりやすく発達障碍と書きましたが、精神世界の振れ幅の
遠いほうの端にいる人と理解すれば、そういった心の持ちようも
受け入れられますし、医学用語を使って区別したくない
気持ちになります。
ピクニックも同じテーマです。

あるものをそのまま受け入れる心の強さと尊さを学びました。
小川洋子さんの作品が好きな人は気に入ると思います。

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紙の本

応答せよ

2011/02/04 11:16

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

たぶん会話は広島弁、兄ちゃんが不良、正しくは暴走族か。書道教室を自宅で開いていた母ちゃんは心の病。父ちゃんは仕事に逃げ込む。なんか『赤い文化住宅の初子』を思い出す(横道にそれるが、原作の漫画も映画もグーでっせ)。
あみ子は、風呂にもはいらず、ボサボサ髪の女の子。ゾクの兄貴の威光でアンタッチャブル的扱いだったが、兄の卒業-何せ義務教育なもので-とともに、いじめられっ子グループにランクダウン。
次第に、この小説にはまっていった。「こちらあみ子」とトランシーバーで一方的に語りかける、あみ子。ここは、なんとなく『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』かな。ほろりとしみるシーンだ。
あみ子みたいなコって、クラスに必ずいた。昔下田に行ってバスに乗ったとき、赤いランドセルを背負ったつながり眉毛の女の子が、こっちを凝視して動かなかった。犬のように鼻が利く妻は「おしっこ臭かった」と。
少女もの文学で最近読んだ中では、秀逸。

もう一作がボーナストラックではないが『ピクニック』。読んでいて、先だっての『アメーーク』の「オアシズ姐さん&女芸人集結」となんかつながっている。偶然だが。
光浦が当時付き合っていた彼氏を大久保さんが略奪愛して、同棲までしていたと。しかし、光浦は、なじることや、コンビ解散は、大久保さんと同じ土俵に上がることで、不問にしてきたと。しかし心の奥底では、ずうっと大久保さん死ね!!と思っていたそうな。うーーむ、この屈折具合もまた一種の文学じゃなかろーか。てな世界観なのだ。

『こちらあみ子』だけだと、児童文学の書き手かと思えるが、『ピクニック』を読むと、なかなかどうして達者な書き手が現れたなと勝手に今後を期待しちゃう。

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紙の本

小説である必要のある本

2022/04/30 23:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆきんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

短編2つの1時間ほどで読める厚さです。しかし内容はとても濃く、周りの人に勧めて感想を語り合いたくなる本。読み終わったあと、ただの「悲しい」「辛い」「好き」「嫌い」など形容詞では到底言い表せない感情が込み上げてきました。まさに小説でなければ伝えられないメッセージが込められていると思います。映画化されるようですが、果たしてこの世界観・空気をどこまで表現できるのか…?

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紙の本

時にユーモラスで時に残酷

2023/04/05 14:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

前半はハチャメチャなあみ子に笑わされましたが、後半の展開はかなりシビアでした。病んでいくさゆりの姿と、無謀にものり君に想いを伝えるシーンが痛々しいです。

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2011/03/02 07:05

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2011/03/03 21:17

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2011/03/10 23:51

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2012/09/25 13:57

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2011/04/01 19:03

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2011/04/04 17:14

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