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紙の本
社会主義への挑戦 1945−1971 (岩波新書 新赤版 シリーズ中国近現代史)
著者 久保 亨 (著)
中国はなぜ社会主義をめざしたか? 戦後、さまざまな政治構想が交錯するなかで実権を握った中国共産党。急進化するその政策路線はやがて、文化大革命の嵐を呼び寄せてしまう。試行錯...
社会主義への挑戦 1945−1971 (岩波新書 新赤版 シリーズ中国近現代史)
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商品説明
中国はなぜ社会主義をめざしたか? 戦後、さまざまな政治構想が交錯するなかで実権を握った中国共産党。急進化するその政策路線はやがて、文化大革命の嵐を呼び寄せてしまう。試行錯誤を重ねた四半世紀を辿る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
久保 亨
- 略歴
- 〈久保亨〉1953年東京都生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。同大学東洋文化研究所助手等を経て、信州大学人文学部教授。専攻は中国近現代史。著書に「戦間期中国〈自立への模索〉」など。
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中国国内、共産党内部のごたごたで漁夫の利を得た日本か
2023/09/18 10:11
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後、日本は高度経済成長を経て、GDP世界第二位となったが、中国の経済発展があり、2010年に日本が抜かれ、今や中国のGDPは日本の3倍余りとなった。日本の輸出入額共にトップは中国である。アメリカの影響下にあっても、多くの分野で中国を抜きに考えることはできない。中国の近現代史を知ることは必要となる。新書でシリーズとなっており、定評があるものとなる。シリーズの中で本書が出たのは2011年である。本書の著者は中国近現代史の専門家であり、国民党と共産党の競り合いで、なぜ、国民党が敗退し、必ずしも中華人民共和国は社会主義、共産主義国家を目指していなかったにもかかわらず、社会主義国家への道を歩んだのか。歴史書であるので、社会主義とは何かを問うものではない。国家として標榜したに過ぎないかもしれないが、否定もできないであろう。目次を見ると、
はじめに
第1章 戦後復興の希望と混沌
1 交錯する戦後構想
2 破綻した経済運営
3 国民政府の誤算
4 東アジアの冷戦と中国
第2章 冷戦のなかの国づくり
1 人民共和国の成立
2 朝鮮戦争の衝撃
3 姿を現した社会主義
第3章 急進的社会主義路線「大躍進」の頓挫
1 百家争鳴から反「右派」へ
2 孤立する中国
3 毛沢東の急進的社会主義
4 失速する「大躍進」政策
第4章 試行錯誤する社会主義
1 調整政策
2 AA外交の行き詰まり
3 文革への助走
第5章 急進的社会主義への再挑戦「文化大革命」
1 文化大革命の国際的背景
2 文化大革命の展開過程
3 中国社会の混乱
4 取り残される中国
第6章 転換を迫られる文革路線
1 軍による秩序回復
2 社会主義経済の行き詰まり
3 対外戦略の転換
おわりに
あとがき 参考文献 略年表 索引 となっている。
以上のように、第二次世界大戦が終了し、中国はいったん国民党政権である中華民国が前面に出て、共産党との戦いが始まる。対日でアメリカやソ連は国民党や共産党を支援していたにもかかわらず、戦後、ソ連は旧満州の権益確保に走り、アメリカはヨーロッパ復興に力を入れ、国民党の経済政策は失敗し、共産党の勢力が広がっていく。国民党は台湾へ、共産党が中華人民共和国を建設するが、朝鮮民主主義人民共和国が主導する朝鮮戦争をソ連とともに承認する。国家として、大躍進、文化大革命を進めるが、経済政策としては失敗となる。その間、日本は占領状況で、朝鮮戦争に協力するが、後方基地・供給拠点として、倒産寸前の企業が復活し、多額の外貨を得る。そこに、競争相手になるはずの中国の失策が続き、アジアでの競争相手も少なく、台湾、韓国と経済的に連携し、高度経済成長を果たし、経済大国と言われるようになるが、中国の方針転換で2010年に至る。
やはり、中国は大国であり、多くの流れが存在し、本書の範囲でも読み込むのに一筋縄でいかないことを感じる。それでも一読してほしい本である。