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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2011.2
  • 出版社: 宝島社
  • レーベル: 宝島社文庫
  • サイズ:16cm/411p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-7966-8089-9

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文庫

紙の本

連続殺人鬼カエル男 (宝島社文庫 このミス大賞)

著者 中山 七里 (著)

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最...

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連続殺人鬼カエル男 (宝島社文庫 このミス大賞)

税込 660 6pt

連続殺人鬼カエル男

税込 660 6pt

連続殺人鬼カエル男

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商品説明

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。【「BOOK」データベースの商品解説】

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書店員レビュー

ジュンク堂書店郡山店

「カエル男」・・・ミ...

ジュンク堂書店郡山店さん

「カエル男」・・・ミステリーらしからぬタイトルで手に取るのをためらう方も多いかもしれません。
しかし読み始めると止まらなくなります。タイトルで食わず嫌いはもったいない!

ラストは驚きの展開が待っております。「どんでん返しが好き」「最後に驚きたい!」方にはぜひオススメです。

社会担当 k

ジュンク堂書店岡山店

タイトルにきたきたき...

ジュンク堂書店岡山店さん

タイトルにきたきたきたーーーー!!とゾクゾク!
いやあ、現実にあったら恐ろしくて陰惨すぎますが、ちょっとハードなミステリー好きにはマジでたまりません!!

「さよならドビュッシー」という大傑作でこのミステリーがスゴイ!大賞に輝いた中山七里さんが同じ賞にこの作品でも応募。前人未到のどちらも最終選考に残る筆力には大興奮ですよ!!

ドビュッシーが万人ウケなら確実にこの作品はミステリー好きウケ。
スピード感がすごくて思わずページに手をかける。後一ページ……と思いつつ気付けば最後まで読んでしまっている……

間違いなく最近の若手の方では一番のオススメ。
若干エンターティメント性が強いことは強いですが、新人作家さんとしてはすごい満足感を得られます。

良いミステリー作家最近いないよね、なんて言ってる方、一読の価値ありですよ!
文庫担当 中原

みんなのレビュー774件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

盛りだくさんのサイコサスペンス

2011/02/17 17:38

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る

飯能市で起きる連続猟奇殺人にほんろうされる刑事たち。
パニックを起こした市民の暴動、
二転三転する真犯人へたどりつくまでの
捜査、そして悪意の連鎖。

刑法39条の問題がこの物語の根幹を作っていると思うし、
『ハサミ男』を連想させる読者のミスリードを誘う話の展開など
本を閉じるまで
捜査している刑事だけではなく
読者も翻弄され続ける。
毒は強いが
物語としては最高に面白い

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紙の本

スリル満点

2024/03/24 12:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る

連続殺人が、こんなにも人を混乱させ半狂乱状態にしてしまう。現実に起こったら、本当に恐ろしい。最後の最後まで、本当の犯人が誰なのか大どんでん返しがあった。刑法三十九条について、とても考えさせる重い話だったと思う。

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紙の本

怖いけど面白い

2022/12/05 03:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yuki - この投稿者のレビュー一覧を見る

かわいらしい表紙とは全く違う怖い小説です。中山七里さんの小説はテンポがとても早いです。先が気になるのでどの作品も一気読みです。さすが大どんでん返しの帝王!ラストは本当にびっくりしました。本当に面白かったです。

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紙の本

サイコパス

2021/02/28 21:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひな - この投稿者のレビュー一覧を見る

よくこんなにいろんなタイプのサスペンスが欠けるなと感心してしまう。
中山七里さんはいろんなジャンルの知識が豊富な人なのだろう。

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紙の本

グロだが読み応えあり

2020/07/13 18:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kissho - この投稿者のレビュー一覧を見る

猟奇殺人を扱っているのでグロは仕方ないんでしょうが、展開と言い、意外性と言い、ハイレベルの作品ですね。底の底の底まであります。私的に非常に好みの作品でした。グロが苦手な人にはお薦めしませんが、読んで損のない作品ですよ。

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紙の本

たのしいエンタメ小説

2016/07/05 00:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たかやま - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白かったです。エンタメ小説ど真ん中という感じです。タイトルと表紙から受ける印象と内容のギャップにまずガツンときます笑。サイコスリラーとしてもドキドキして、「警官vs狂気の市民”にドキドキして…。“ある人が黒幕”というくだりはtoo much…と思いましたが、決して後付けにならないようしっかり練られていて悪くないです。「…最後の1行で驚かせたい」という作者のサービス心もよかったです。ある意味カタルシス。それにしても主人公の生命力はすごいですね…。

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紙の本

サイコキラー、って厭ですよ。でも、最大の問題は、殺人を犯してもそういう人間がすぐに社会に出てきてしまうこと。そういう人間をどう扱うべきか、これは今の社会が突き付けられている大変難しい問題なんです。それにしても因果は巡る・・・

2011/12/12 19:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

まず、トヨクラタケルのイラストが不気味です。いや、全体的な雰囲気は宝島社らしくない素敵なものなんですよ。特にカバーのイラスト部分、タイトル部分、そして下の部分の分割の仕方。モンドリアン、とまではいいませんが、この比率にするまでの努力というのは大変だったろうな、いや才能ある人だったらあっさり決めたかな、なんて思うほどで、正直今までの高柳雅人からは想像できないほどいい出来です。

でです、この本、最初はオリジナルなのか迷いました。本の頭にも書いていないし、奥付にも記載がありません。初出も出ていない。ついでに書けばカバー後の内容紹介にも
       *
口にフックをかけられ、マンショ
ンの13階からぶら下げられた女
性の全裸死体。傍らには子供が書
いたような稚拙な犯行声明文。街
を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼
「カエル男」による最初の犯行だっ
た。警察の捜査が進展しないなか、
第二、第三と殺人事件が発生し、
街中はパニックに……。無秩序に
猟奇的な殺人を続けるカエル男の
目的とは? 正体とは? 警察は犯
人をとめることができるのか!?
       *
というように、「書き下ろし」とも「待望の文庫化」とも書いていない。でです、茶木則雄の解説を読むと、そこに初めて
                   *
今回、『災厄の季節』が『連続殺人鬼カエル男』と改題されて世に出ることで、この年の最終候補作七作中なんと六作が出版される運びとなった。まさに大豊作の年度だったのである。
                   *
とあります。ま、考えてみればデビュー作が『さよならドビュッシー』で、『おやすみラフマニノフ』が第二弾、いくらなんでも連載作品をもっていたはずがないので、文庫化という線があり得ないとすれば、この『連続殺人鬼カエル男』は書き下ろしか、書き溜められた習作に手をいれたものか、となるわけです。

無論、人によっては中山が第8回『このミステリーがすごい!』大賞を『さよならドビュッシー』とった時に、同時に応募し、ともに大賞候補となった『災厄の季節』がこの作品かと思ったかもしれません。かくいう私もそう思いはしました。でもね、普通、『災厄の季節』が『連続殺人鬼カエル男』にはならないですよ。

ま、私の常識的な感覚ではあるんですが、北野勇作じゃないんだから、カエルはないでしょ、なんて思う。ま、北野は今のところミステリではなく超常SFを書いているわけで、勘違いすることはないんですが、でも中山七里が『連続殺人鬼カエル男』とはね、『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』が泣くだろ、なんて思います。それにしてもどう読んでも中里介山でしょ、って思ったり。

それはともかく、改題の件はやはり解説で触れるだけじゃなくて、奥付や扉の裏、或いは目次、もしくは最終頁に書くのが礼儀だと思うんです。特にここまで原題とかけ離れたものにする場合は。大した手間じゃないし、コストだって変わらないでしょ。こういうところの礼儀、っていうか作法は出版界としてきちんとルール化すべきだと思うんですよ、読者のために。はい。

このひとが主人公だと思っていたら、名前がはっきりしないし、どうも影の主人公かな、というのが埼玉県警警部、渡瀬です。では、だれが表の主人公かといえば、熱血漢の古出川和也ということになります。でも、物語の陰にどっしり構えているというのは渡瀬。ともかく、現場にいるのが好きで、物知りです。行動派の部下にに対し、知性と経験、読みの凄さで圧倒的な上位に立つが、決して驕ることなく、古出川とは違った意味で熱血漢ともいえる面白いタイプの男性です。

古出川和也は、その渡瀬の部下で、20代半ば。ともかく動き回ります。ともかく殺し方が残酷で、スプラッター嫌いの私は閉口しますが、容疑者が浮かび上がる。児童虐待、DVといった今では当たり前のように使われる言葉が、重みをもってきます。でも、和也との関連で言えば、やはり有働母子の存在が大きくて、物語が終わったあともいつまでも彼らのことが頭から離れません。

有働さゆりは35歳になる美貌の保護司で、一人息子で小学三年生の真人と二人で暮らしています。彼女が面白いのは、精神的疾患のある人間をピアノ演奏を通じて治療しているという点です。で、今、その治療を受けているのが当真勝男とい18歳の青年です。勝男は四年前、14歳の時に近所に住む幼女を監禁、暴行したうえ殺害した少年で、三年後に保護観察の対象となっていて、受け持っているのが、さゆりです。

ここで扱われるのは、精神を病んだ犯罪者を、社会はどのようにして受け容れるべきか、そしてDVから女性もですが、子供をいかに守るか、といった現代が抱える重く悩ましい問題です。放置すれば、事件や犯罪が起きる。解決しようとすれば、心や家庭という密室化した、真偽の見え難い世界に立ち入らざるをえない。でも、なかなか真実が見えない。

可愛らしいタイトルと、滑稽味のあるカバーに騙されると、思いもかけぬ重い荷物を背負わされます。心して読みましょう。

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紙の本

ミステリとしてもサイコキラーものとしても優れている。これぞ大型新人!!

2011/06/02 17:40

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:チルネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルの付け方や装丁のナイフを持って佇むカエルなどから、少しチープでユーモア炸裂ファルス満載の類かと思ってしまったがなんのその(一瞬バカミスかな?とも思った)。装丁買いしたらまず期待を裏切られてしまうような、残酷残虐暴力的極まりない内容となっている。それはのっけからその危ないテンションで、新聞配達人がマンションで口にフックを掛けられた女性の死体を発見するところから始まるから、ページを捲って早々に寒気がしてくるだろう。だがこれも単なる事件の一つにすぎず次々と無残な死体や暴力的で目を背けたくなる描写などが矢継ぎ早に繰り出されてくる。自分のモラルに大風呂敷を被されて盗まれそうな感覚に陥る感じすらした。

いくつか殺人があって死体の描写があるのだが、それが一つ一つなかなかにグロテスクでいちいち惨たらしい。これは作者の描写が酷さを文字へと抉り出すのが上手いからなんだろうが、圧巻はカエル男と○○○の格闘シーンである。ここが本書の最大の見所といってもいいくらい凄まじく壮絶な暴力劇が繰り広げられるから、読んでるこっちが痛くなってきても目をそむけるのはもったにない。○○○はこの前にも顔の形が変わるほどボコボコにやられてるのに作者も人が悪いなぁ(苦笑)サイコキラーものとしてホラーファンも受け入れられるほどのものはあったと思っている。

だが本書はミステリの賞を受賞しているのであるから、そこにも注目するとこれもまたなかなか優れているのだ。斬新な真相をガツンと読ませるというよりも、既存の手法を畳み掛けてくるようなミステリ的手法。煽りすぎな感もあるが帯にある「どんでん返しにつぐどんでん返し」というのもあながち否定できないほど、真相が二転三転するから新人らしからぬ構成力とアイディアを認めざる終えないだろう。この多重構造は感嘆だ。最後の1行のセリフにはここまで繋がっていたのかという驚きと、読者感情をもやもやで終わらせない配慮に頭が下がる。

タイトルにあるのでこのカエル男がサイコキラーだというのは察知してると思うが、ここに犯罪心理や音楽療法などいろんな要素がからんでくるが一番重要視したいのはなんといっても刑法39条のくだりだろう。39条1項は「心神薄弱者ノ行為ハコレヲ罰セズ」だと思うが、これがいろんなところに絡んで社会的要素も入ってくるのだ。だが個人的に注目したのは作者がさらっと述べた意見。「心神喪失は責任能力がないというが、そういう者が手をかけるのは老人や女性や子供ばかりであり、それは弱者という区別がついているからである」というような箇所。こういう思考をしたことがなかったのだが、確かに的をえてると思う。弱者しか手にかけないということは、女子供が男の自分よりも力のない弱者ということを判断できているということだ。それが意識的でも無意識であっても、その判断は自分の中で下せているということは、即ち殺人行為の有無も自己で判断できているのではないか?ということなのだ。大人になる過程で動物などへの残虐行為で殺傷する感覚に慣れたり麻痺しても、それが判断力の喪失になるんだろうか?そもそもなぜ小動物から殺めるのか?だ。他に心神薄弱についての解釈はあるのだろうし責任能力の有無も難しい問題だろうが、作者の意見には一理あると意見として心に残った。

またほかにも作者は「人一人を殺めた人間が心神喪失という理由だけで刑罰を免れるのはやはり間違っている。病気が治ってから改めて裁判を受けそしてしかるべき処罰を受けるべきだ。裁判を受けるのは権利であり、罰を与えられて罪を償うのも実は義務ではなく権利なのだ。三十九条という法律は患者を救うのではなく、患者からその権利を奪うものではないか、と。そういう考え方もあるのです」というような文章も披露していて、注目すべきはホラーやミステリとしてだけでなく、こういう発言にも鋭いものがあるなとも思う。

もちろん完璧な作品ではなくて、疑問に思ってしまう点もいくつかある。それがまず暴動の部分。確かに猟奇的殺人で市民がおののくのは理解できるが、殺人事件で「次は自分かも?」と思うだけであのような暴動に至る群集心理が果たして働くのだろうか?曲がりなりにも忍耐強いと評される日本である。暴動という行為にリアリティがないのではなくて、作者の暴動への契機や要因の薄さゆえにリアリティがない。もし暴動まで繋げるならば、もっと大それた考えられない引き金を作るべきで、読者に伝わらない集団心理は脆弱だったのではないだろうか。また、ナツオのくだりもこれじゃあミスリードされない。もう使われすぎてて推測できちゃうので気をつけていただきたい(笑)

少しだけ難点を挙げたが総じてこの作品に対する僕の評価は高い。ミステリとしてはもちろんサイコキラーものとしても。またなんといっても作者の諸問題に対する率直な意見にも好感を持てたのだ。また~ドビュッシーや~ラフマニノフを書いた著者らしさも少しだけある。この作品を読む暁にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番 『悲愴』。できることならアシュケナージの演奏のものをBGMにどうぞ。なんでかって?読めばわかるさ(笑)

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紙の本

どんでん返しの連続!

2021/08/28 14:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ストーリーは間違いなく面白かったが、とにかく暴力シーンが長すぎる。
3回ハードな暴力シーンが出てくるが、大量のページを割いていて、まだ続くの…とややうんざり。
中山七里さんの他のシリーズと同じ世界線で繋がっていて、別のシリーズの登場人物がよもや犯罪に関わっているわけがない、という先入観で、途中まで犯人が見えなかった。
全く先入観なしで読むと、早々に犯人が分かってしまうのでは!?
続編があるみたいなので、読むのが楽しみ。

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紙の本

さすが、中山七里!

2016/03/02 12:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Shaoya - この投稿者のレビュー一覧を見る

あらすじを読んで、ちょっと敬遠してたのですが、やっぱり読んでしまいました。
ストーリーの構成はさすがです。
読むのを止められません。
ただ、殺人鬼なだけあって、かなり生理的には拒絶反応がありました。

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紙の本

驚き

2023/07/19 00:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る

中山氏のこのタイプの作品を初めて読みました。御子柴礼司シリーズや岬洋介シリーズが好きで読んでいました。さまざまな作品の書評で全く異なる種類の作品を書ける作家と評されていたのがよくわかりました。

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紙の本

面白くはあったけど

2023/03/04 23:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いしかわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

叙述トリック部分はわかりやすかった。
途中このシーンこんなに長々と書く必要ある?という気持ちになった。

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紙の本

怖い

2022/04/11 11:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちょびリッチ君 - この投稿者のレビュー一覧を見る

凄い作品でした。
なかなか精神的に来るところもあります。
こんなふうに人を操っていくんだって
後味は悪かったですけど
面白かったです。
TVシリーズ見とけばよかった。

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電子書籍

因果応報

2020/10/30 16:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る

連続殺人鬼カエル男

以前、映画化もされたコミック「ミュージアム(巴亮介/作 講談社/刊)」を読んでから、気になっていた一冊ではあった。共に出てくる「カエル男」。

この小説に出てくる「カエル男」、残忍にも程があるのではないか?と思えるほどの残忍さ。
その残忍性と、残されたメモから見られる幼稚性。この相反するキーワードを元に、被害者の接点を洗い出すと・・・

犯人と思われた人物は、実は真犯人ではなく、別に犯人がいたという意外な展開がさらに恐ろしさを際立たせる。

それにしても、人が恐怖心、不安、疑心暗鬼になると、ちょっとしたことで箍が外れるというのか、暴徒化してしまうのは小説だけの話ではないですな。
今年の春先に見られた、マスク不足やティッシュペーパー/トイレットペーパーの買い占めと同じで・・・。

ここまで鬼に、悪魔になれるなんて、一体なんだろうか?
人の恨みは末代までか。

それにしても恐ろしい小説であった。

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紙の本

感想

2020/06/17 01:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かめピー - この投稿者のレビュー一覧を見る

“どんでん返しの帝王”の二つ名も納得の展開!主人公が犯人にたどり着くまでの道のりが、若干、運頼りの感は否めないが、そこがあまり気にならなくなるぐらい、後半の怒涛の展開に驚かされっぱなしだった。

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