日本のすがた 表とグラフでみる社会科資料集 ２０１１

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投稿者：muneyuki　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

あなたは、「今の日本」をどれだけ把握できているでしょうか。

「知識」とは、自分の手足のように使えるモノ、自分の血肉となったものを指します。
本当に興味を持って触れたモノでなくては、それは単なる一時的な記憶にしか過ぎないのです。

就職活動に関する参考書等をざっと見ると、SPIやCAB等のシステマティックな試験方式に対応するものと共に「時事問題」という項のある事が確認出来ます。
本来それは「如何に現在起きている問題に関して、興味を持っているか？」を図る為のテストだと思うのですが、その問題集が「ある」という所が、既に私にとっては少し疑問が残ります。

本当にこの会社の従業員達は
韓国アイドルグループの所属人数を把握してるのか？
「もしドラ」を略さずに全部言えるのか？
鯑をカズノコと読めるのか？
エル・ニーニョとラ・ニーニャと湿舌とがそれぞれどんな現象か区別しているのか？
実際の所、そんな細々とした知識は、所詮「就活用」でしかありません。
役に立つものではありません。
サラリーマン達は、大方の人がそんな問いにきちんと答えられません。
大事なのは「ざっと大まかに捉えられること」だと私は思うのです。
そうした「本当に必要な学習の役に立つ」のがこの『国勢図絵』のようなものだと思います。

ただ、データを文章化したモノは、結局の所流し読みになってしまいます。
上手い人はその「流し読みすべき部分」をホイホイ見つけて、それ以外を読み飛ばしていけるのですが、いや、そもそも読み飛ばすんなら別に要らないんじゃね？と私は思ってしまう訳です。

故に、私は要所を押さえた、というか「要所しか書いてない」ジュニア版の方をこそ推します。

一番大事なモノは、一番大事なコトは、大人でも子どもでもきちんとそれを理解し、咀嚼し、血肉に出来るモノなのです。
小学校高学年から中学生を対象に、なんて書いてありますが、読み飛ばす部分を選ぶ時間を無駄なモノとして、時間をお金より貴重なモノとして扱えるオトナこそ、2011年度の始まりに読んでおくべき一冊。

正に、「2011年」らしい表紙のレイアウトが素晴らしい。