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商品説明
ロシア人ニコライ・ネフスキーは1915年に来日、十四年間の日本滞在中に、オシラ神・アイヌ語・宮古方言などの日本民俗・言語・文化研究に大きな業績を残し、1929年、革命後の故国に帰り、西夏語研究などに前人未踏の境地を拓いた。しかし、無惨にも、彼の学問とは無縁の「国家叛逆罪」という無実の罪によって、日本人の妻イソとともにいわゆる「粛正」の犠牲となった。ライフワークともいえる永年の調査・研究をもとに、この悲劇の天才の学問と生涯を感動的に描き出す。ロシアの地で消された天才言語学者の、生涯を追ったノンフィクション。大佛次郎賞受賞。その後の「死の真相」解明を増補し、完本として復刊。【「BOOK」データベースの商品解説】
【大佛次郎賞(第3回)】日本民俗・言語・文化研究に大きな業績を残し、西夏語研究などに前人未踏の境地を拓きながら、「粛清」の犠牲となったニコライ・ネフスキー。永年調査・研究をもとに、悲劇の天才の学問と生涯を描き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
加藤 九祚
- 略歴
- 〈加藤九祚〉1922年韓国生まれ。シベリア・中央アジア文化史家。ロシア科学アカデミー名誉歴史学博士。「天の蛇」で第3回大佛次郎賞受賞。ほかの著書に「シベリアの歴史」など。
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紙の本
ある時代の運命。
2011/04/22 02:37
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「プロレタリアートの祖国・ソ同盟」に帰国したばかりに「日本のスパイ」として銃殺された日本学者がたどった人生が描かれている。内容的に旧版で書かれた時点の事がそのままになっている箇所があるのは注意。
ネフスキー夫妻が伝えられていたように1945年にラーゲリで獄死したのではなく、1937年に銃殺されていたという事実は山本懸蔵や杉本良吉といった人々のたどった運命を連想した。
「収容所群島」でネフスキーが逮捕された際に西夏文字の古文書が押収された事が書かれているが、この本で日本と関係がある人物は陸軍大佐と「国際収容所」に収監されていた日本人の他はネフスキーぐらいだろう。他にも忘れられた日本人がソ連のラーゲリで朽ち果てていたのだろう。
もし彼がソ連に帰国しないで日本にいたら、特高警察の監視下に置かれて、色々な嫌がらせがされたにしても、銃殺される事はなかっただろう。
「マヤ文字解読」の主人公の一人であるクノローゾフがスターリン時代の末期に発表した論文がマヤ文字の解読につながった事も連想した。ネフスキーのように日本女性を妻として、日本から帰国して、別の女性に産ませた娘が真崎甚三郎大将の子息の外交官(後に昭和天皇の通訳として有名になる)と婚約していた、といった事がクノローゾフにはないから、「レニングラード事件」という粛清が会って日も浅いのにサンクトペテルブルク(当時のレニングラード)出身という政治的には不利な出身者でも持ち上げられたわけだ。