紙の本
少し古いが、読み応えあり
2022/05/12 21:23
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投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
メディアのわかりやすい象徴的な報道に踊らされてなんとなく行動するのではなく、こうした綿密な取材から紡ぎ出されるものも心に留めておきたいと思える1冊。
貧困には貧困の論理がある。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
講座にしてはくだけすぎてるのが気になるが貧困の現状を伝える良い本。人間が様々な形で生きていくのがわかるし自分に何ができるか考えさせられる。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本は豊かに暮らしていますが、日本にも貧困で苦しんでいる人がいるんだろうなと思うと、考えさせられますね。
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数字は残酷だ。想像力の働く余地無く現実をつきつける。
本書では、多くの統計が利用されている。すべての数字が経済大国日本に住んでいる私達に現実を教えてくれる。いくつか挙げると
1日1ドル以下で生活している人の人口(正解は15億人)
1000人あたり生後から28日以内の乳児の年間死亡者数(日本は1人、アフガニスタンは60人)
中国の売春婦人口(なんと2000万人)
GDP(国内総生産)における売春の占める割合(韓国5%、中国6%)
著者の石井光太さんは現地のスラム街に住み込んだり、売春宿の掃除夫として働いた経験を生かし、本当のスラム街の姿を伝えてくれる。写真もある。特に東南アジアやアフリカの売春事情に関して詳しく描写されている。
しかし、日本に住む私にはどんな生々しい文章や、写り手の魂まで刻むことに成功したような写真より、ただ事実を伝える数字の方が、恐ろしく感じる。
富がもたらす病に知らずうちに冒されているのだろうか。
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世界の貧しい国々ではあ1日を1ドル以下で暮らす人が12億人もいるそうだ。本書ではテレビのドキュメンタリーのように「救うべきかわいそうな貧困者」という画一的な視点ではなく、人々の生活に入り込み、「あたりまえの現実」としての彼らの生活が書かれている。
自分の子供を売春婦にしないために売春をして子供を学校に通わせているいる売春婦や、インドネシアの年齢別人口がキリのいい年齢だけ多い理由、自分の腕や目をつぶしたマフィアをかばう少年、どの話もテレビではなかなか報道されない。それは「救うべきかわいそうな貧困者」や「貧乏でも明るく頑張る子供」のようなわかりやすく感動をさそうテーマに沿って番組を作るからなのだ。
タンザニアのスラム、無償で産婆をするオバちゃんがいる。少しでもお金をとればいいじゃないかという言う著者にオバちゃんは「アフリカでは、みんなお金を目当てに戦争をしたり、虐殺をしたりしている。私は赤ちゃんが生まれてくる時ぐらいはお金に関係なくやってあげたいのさ」と言った。
貧しい国にいるからって同じ人間なんだ。いい人もいれば悪い人もいる。今さらながらそんなことをわからせてくれる良書。
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110705/今年32冊目
世界各地の貧困をわかりやすく読みやすく解説し、それでいながら普遍的な問題提起に繋げている良書。文庫になったのも嬉しい。
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古くは、途上国支援ボランティア、寄付、最近では、フェアトレード、BoPビジネス、などなど、「貧しい人たち」「困っている人たち」に手を差し伸べよう!とか、「格差を減らそう」というはなしは、言ってみれば私たちの生活に日常に転がっているのではないでしょうか?
学校でもいろいろ教えてくれるしね。
でも、だからといって、自分が何ができるか?あるいは何をしたいか?と考えると、な〜んにもアイディがなかったりしませんか?
逆にそんなたいした志もないのにだいそれたことは言えないし、やらない、ということでフツウに先進国文化の中で生きることを選んでも、全く不思議ではない、と思います。
別に皆が「貧困」に目を向けて、何かをしなければならない、わけではないのだけれど、「貧困」の実態をリアルに肌感覚に近く理解したならば、あなたの「考え方」が変わるかもしれませんよ〜。
私は最近フェアトレードやBoPビジネスをしようと、東南アジアの貧困の中にある方々と少しだけ時間を共有しはじめていますが、気づいたのは「貧困」というものを私自身がまったく判っていない、それに、現場にいても判らない、ということです。多少、衣食住が不潔だったり、電気水道がなく不便だったり、というところまでは体験することができても、リアルにスラムライフを試すほどの根性はないm(_ _;)m
結果として、本来、ビジネスを共にする相手とする「絶対貧困(一日一ドル以下で生活しているような)」の人々の気持ちがわからないし、だから、うまく一緒に仕事ができない。(お互いの期待があわない)
本書を読むことで「貧しさとは何か?」を、頭でなく、ココロで、少し、感じることができると思います。
講義というかたちをとって口語なのもいいし、
写真とデータが多くて、多分それだけでもかなりココロに迫るものがありますよ。
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先ず衝撃を受けたのは「世界の統計」として書かれている数字だった、世界全体で「1日1ドル以下で生活している人」は12億人(約5人に1人)。「飢餓状態にあるか、不安定な食料供給に依存している人」は8億4000万人(約8人に1人)。「飲料水の水が利用できない人」は16億人(約4人に1人)。いかに自分の育ってきた環境が恵まれていたのか思い知らされた。
路上生活のエピソードとして面白いと感じたのは、「トイレ」についての話で、都心の真ん中にあるスラムだと草むらや川が無いため、路上で用を足すしかなくなり、新聞紙を敷いてその上で排便し、終わったら包んで捨てるのだそうだ。作者の石井さんが"まるで犬のうんこを始末するのと同じで、そういう姿を見ると人も犬も同じ生き物だと感動する"というコメントを読んで、私も、今まで生き物の中で人間だけは他の生き物と違う特別な存在としてとらえていたが、スラムでのトイレの話はそんな考え方が変わるような印象的な話だった。
難しい問題だと思ったのはスラム内で起こっている悪循環について、本書の中で「廃品回収」について書かれているのだが、途上国では人々がゴミを路上によく投げ捨てている。彼等は「廃品回収者にくれてやる」という意識でゴミを捨てているらしく、政府が「ゴミを捨てるな」と言えば廃品回収者の仕事を奪う事になる。しかし全てが再利用されるゴミではない為に放置しておけば街は汚くなるばかりと、負の連鎖が続いている。スラムでは廃品回収以外にもいくつも悪循環している問題があり、何か解決する方法はないのかと思った。貧困の下で生まれた赤子は一生をその場で生きて、上に這い上がる方法もないのではないのかと思った。また、そのような環境の下で暮らしている人が感じる「幸せ」とはどんなものなのか気になった。
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1日1ドル以下で暮らす人間と寝食を共にして書いた作者のルポです。書かれてある事一つ一つが衝撃的で読んでいて唖然とさせられますが、日頃私たちが目にすることは決してないだろうという世界が展開されています。
この本を最初に手にとって見たのは少し前になるんですけどね。今回この記事を書くために再読してみたのですが、いやはや、ここに書かれていることは全て『事実』なんですが、いやはや…。あまりにぶっ飛んだすさまじい世界ですわ。むしろ一周して逆に現実感をわすれさせてくれますね。
いま、日本が『格差社会だ格差社会だ』と盛んに騒がれておりますが、この本に書かれているまでのレベルには『まだ』いってはいません。
この本の作者は無茶苦茶とも思える事実を淡々とつづっているが、あまりの内容で改めて絶句しました。特に自分が好きだった箇所は『売春編』に関する箇所で本の中には写真が掲載されているのですが、本当に粗末な部屋、もしくは場合によっては貨物列車の中で事が行われていて、そこかしこに散らばった使用済みのコンドームの中に、蟻が入り込んで、乾いた精液を食べると言う描写でした。本当にこの箇所を読んでいるときは慄然としました。
最近、こういうところに行って実際に自分の目で現場を見ておきたいという衝動に駆られる自分がいます。ま、諸般の事情により、当分は出れませんがね。
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この本を選んだ理由:
貧困問題に興味があったので
この本に感動した理由:
思いっきり現場に踏み込んだ取材をしている点に驚いた。
生まれおちた場所によって、価値観は全然違うことを再認識。
常識とは偏見の塊であるとはよく言ったものです。
発見したこと:
まさに「リアル」な世界。痛々しくて目をそむけたくなる。でも向き合うっていってみたところで、それも綺麗事でしかなくて、結局どうしたらいいのかわからない。
とかく知ってしまった、出会ってしまった、同情してしまった、テーマに尽力すればいいという理論に賛成。
自分にどのように影響したか:
生まれた背景が違えば、悩むことも違うということを知り、もう少し自分を客観視してみようと思えた。
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世界にはこういう場所もあるのだな、という意味では興味は湧くし、筆者の取材力というか突撃力には驚くけれども、読み物として面白いとは思わなかった。
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貧困の実態とは如何なものか?
広範な地域での綿密な取材・調査を通して、貧困者の実態を明らかにしている。
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貧困層の研究家が書いた本。
新興国の、貧困層の日常を描く。
物乞いにも種類があり、基本的には同情されてナンボの世界。赤ちゃんすら、レンタルしてお金を稼ぐという…
今までの、一辺倒なものの見方を再考させられる一冊。
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世界の貧困地域の生活と特徴のレポート。所々に挿入される考察は目新しいものではなく、また全く相容れないと感じることもあるが、スラムに飛び込み生活を共にするという筆者の人生を張った取材に裏打ちされ力がある。
著者が掲げる「貧困学」の理念とはずれるかもしれないが、人は貧しさから学ぶことが確かにあるように思う。
貧しさから遠いことでは世界一かもしれない国に生まれた私達は、貧しさに対する態度を知らない。「貧しさ」と「正しさ」を切り離すことが出来ない。
確かにある貧困と、私達はいかに向き合うべきなのか。その意味を、どう捉えるべきなのか。
考えさせられる一冊でした。
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われわれの社会の常識からの判断をできる限りしないようにすることで、現場をより身近により詳細に取材することができている。
常識の相対化が大切であることも教わった。