紙の本
確かに奇跡だ。
2020/08/12 16:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
リンゴの産地で育った者としては、無農薬でリンゴを作るなどはありえない。それをどうして可能にしたか。
最初は、素朴な好奇心で読む。
本書の内容は、リンゴ農家の主、木村秋則さんの悲惨すぎる苦労の話がほぼ7割。
今あるリンゴは、野生種から完全に切り離され、人間の手によって人間の都合に合わせ品種改良し尽くされたもの、そうゆう品種の作物は、ひ弱ゆえに薬も肥料も必要である。..という学びがまずある。
そして、薬や肥料をやめてしまうと、虫が大量発生、黴や細菌による病が、ココまでリンゴ畑を壊滅状態にしてゆくものか...という驚きがやってきます。
長く収穫できず、蓄えもつき、家族ともども困窮生活、悲嘆にくれて、自殺を考え、山へ向かう。
そこから一転。リンゴ畑を自然のメカニズムの中に還すとでもいうようなやり方に変えた後の蘇りの物語こそが感動的でした。
紙の本
なるほど
2013/01/01 11:18
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ご朱印 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生とは何かを語った本。物事の解決方法・人は生かされている。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とっても話題になった「奇跡のリンゴ」なのですが、みんながみんな同じようにできるとは限らない。ご家族の苦労を思うと涙が出ます。
投稿元:
レビューを見る
以前、書店で単行本を目にしたが、買うのを躊躇した。
このたび文庫本が出たことから、購入に踏み切った。
というと、大げさだが。つまり、あまり買いたいと意欲のわく分野の本ではなかったが、今では買ってよかったと思っている。
まさしく木村氏の生きざまに感動した。
何かをやり遂げるには、彼のような頑固さが必要であるが、家族までつらい思いをさせて、やり抜く勇気は私にはない。辛抱強さもない。
どん底まで経験して、奇跡的に無農薬のリンゴの生産のヒントをつかむのだ。
エピソード的には、嘘っぽい話もあるが、奇跡を生むには、そういうこともあり得たのではないか。
投稿元:
レビューを見る
「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合う。」
自分の目標・夢と向き合う。
人生なんて人と比べても意味がない。他人の評価・視線ばかり気にしていては何事も成せない。
常識なんてくそくらえです。
投稿元:
レビューを見る
生き方や信念に感動するっていうより、
人間が生態系を壊し続けているんだなって
方向に目が言ってしまった。
人間は2億人位が調度良いって聞いたことあるんだけど、
今60億人でしょ。
40年後には100億人になるとも言われている、
国際競争に生き残るために少子化対策が叫ばれているけど、
地球というマクロで見たときに
人間は減らしていかないといけないんだよね。
異常な天候や枯渇した土、
これからの食料問題はどうなっていくのだろう?
人間は頭の良い生物なので何とかなると思うけど、
リスクヘッジはしてるのかな?
ほんとの情報なんか間違いなく教えてもらえないんだから、
きちんとやってるんだろうなぁくらいで考えるしかないよね。
選挙演説なんか聞いていても、
目先の利益ばかりを追い求める政治家。
そいつらが人気あるんだから笑っちゃうよね。
国民は情報を受けで捕らえすぎだ。
僕らはメディアの話を聞くばかりでなく、
語り合う時間が必要なんだ。
聞くと語るのバランスが悪すぎだ。
そして働き過ぎだ。
働く以上にもっともっと様々なことについて語り合う必要があると思う。
そんな場が出来るならどんどん作っていきたいな。
投稿元:
レビューを見る
あまりに面白くてあっという間に読んでしまいました。リンゴの花が咲いたシーンでは不覚にも涙が出てしまった。しかし自然の奥深さにはただただ感心するばかりだな〜。また木村さんのすごさにも脱帽だ。とてもじゃないが真似できない。偉人だ。また、この本を読まなければ自然の中での人間の振る舞がいかに自分勝手なものだったのか気づく事もなかったかも知れない。文庫本になってから・・・などとケチらずにもっと早く読んどきゃ良かったと思わせる一冊でした。どんな人が読んでも何かしらの値打ちがあると思います。
投稿元:
レビューを見る
文庫化されたのを知って購入、再読。木村秋則さんの話はすでに知っているのに、また思わず涙ぐんでしまった。若い頃に福岡正信の「自然農法」という本に出会ったのが彼が無農薬・無肥料のリンゴ栽培に挑戦するきっかけの一つだった。けれども、木村さんが恐らく福岡正信翁と同じ境地に達するまでには、自らもがき苦しみ、自然と向き合うための長い時間が必要だった。今回印象に残った言葉:「…何かをなすためには、知識や経験を積み重ねる必要がある。…けれど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁になるのはしばしばその経験や知識なのだ。」
投稿元:
レビューを見る
人の人生を変える本、というのがあるのである。木村秋則は福岡正信「自然農法」で人生が変わった。
「失敗というのは途中であきらめること」ということの証明。成功するまで続ければ、そこには「失敗」はない。
無農薬でリンゴを作ることは「絶対不可能」だとリンゴ栽培農家は信じていた。木村秋則は雪で農作業ができなくなる冬、図書館で本を借り、本屋さんで本を買い・・・その中で偶然、福岡正信「自然農法」に出会う。「何もやらない、農薬も肥料も何も使わない農業」を知る。そして・・・・10年以上の苦闘、ついに奇跡のリンゴが実る。その過程は・・・その方法は・・・・・この本に詳しい。
奇跡のリンゴを手に入れようと思ったが、どうやらもう手に入れることはできないようである。需要に応えるには、木村の農場は小さすぎるのである。
投稿元:
レビューを見る
書店でジャケ写買い。
本書は二つの意味で大変魅力的だった。
一つは、農薬と農業のについて。
私のように、農業とは全く無縁の都市生活を送るものにとっては、農薬=害悪という概念しかなく、こうして有機栽培などが一般的になってくるに従って、段々と農薬=農家の手抜きという風さえある。
本書にも書かれているが、昔はそもそも農薬そのものがなく、農民たちは人知によって自然の脅威に対抗してきた。それが、貨幣経済が浸透し、効率化が求められるに従って、農民はより大量の作物を実らせるために農薬に手を伸ばした…言ってしまえば、農薬なんぞ使わなくても、作物は実はずであり、それに頼っているということは、農家の手抜きである…そんな風に思ってしまっていた。
しかし、それは大きな間違いであった。長い年月を経て、品種改良を重ねた作物はもはや、原種の免疫性を持たず、農薬散布を前提としてしか生き延びることができなくなっていたのだ。農薬を使わないということ=(イコール)作物を放棄するということも同然だ。そんな、農薬についての知識を本書は鋭く描いている。
本書のもう一つの魅力は言うまでもなく、「奇跡のリンゴ」を作った木村秋則である。彼が周囲に反対されながらも、信念を貫き通し、奇跡のリンゴを作るまでの過程は称賛に値する。口で言うはたやすいが、ここまで長い年月を耐えることは中々難しいことだろう。
しかし…と、私は疑問に感じることがないわけでもない。
木村氏の試みは成功したから美談で済んだものの、自分だったらどうだっただろう。家族を、それも自分の幼い子供まで巻き込んで、あそこまで没頭して良かったのだろうか。結果的に、リンゴが実ったから良かったものの、家族の苦しみ、経済的な困窮は並大抵なものではなかっただろう。
木村氏のように、信念を貫き通すことも素晴らしいことだとは思うが、
家族を想い、自分の信念を曲げることもまた素晴らしいことだと思う。
そう思うと、満員電車のサラリーマンなども、急に格好良く見えたりもした。
最後に、作者の石川拓治氏の文章の書き方は少し気になるところではあった。同じ内容が繰り返し語られるので、少し辟易とする箇所が多々ある。事情はあるにせよ、もう少し家族や友人たちの話を織り交ぜれば、木村氏の人物像はより鮮明に浮かび上がってきただろう。
投稿元:
レビューを見る
木村さんのようにはなれないと思うけれど、木村さんのような人を心から応援したい、応援できる自分になりたいと思いました。尊敬します。
投稿元:
レビューを見る
課題図書だった本。
リンゴには農薬をまいて害虫や病気から守るものだ、という信じて疑うことすらなかった常識を、農家の木村秋則さんが覆そうとしたノンフィクション。
こういう本は今まで読んだことが無かったけれど、ためになった。
投稿元:
レビューを見る
今年読んだ本の中で、間違いなくベストブックに入る本。(まだ2月だけど…。)
一日で一気に読んでしまい、涙が出てきた。
無農薬・無肥料のリンゴ栽培は、絶対不可能。
八年間にも及ぶ試行錯誤。
困窮した生活。
自殺。
人生辛いことがあったら読み返したい。
そして自分に問いかけたい。
「木村さんより、苦労しているか?」と。
木村さんの奇跡のリンゴには、
木村さん自身の人生が詰っているのだろう。
一回食べてみたいな。
投稿元:
レビューを見る
リマでオーガニックフェアトレードコーヒーの日本への輸出販売をやっている人から教えてもらって知った本。
最近文庫化されたということで、即購入、一気に読み終わってしまった。
その理由は、石川さんという著者の方の文章がとても面白かったのもある。しかし、やっぱり内容の半端なさだろう。
内容は、果物の中でも最も農薬が必要であるリンゴの栽培を無農薬でつくることに初めて成功した、木村さんという弘前の農家の人の話。
本当に、今まで聞いたり読んだりしたどんな人の苦労話よりも壮絶。しかしながらところどころで入ってくる本人の言葉による語り口調がなんだか拍子抜けで、ついつい笑ってしまう。
「学者ではなく、あくまで百姓」
「全てのものは独りで生きてなんかいない」
知識ではなく実体験から生まれる木村さんの哲学や悟りがまぎれもない本物(当たり前だけど)で、その度に、他のものとのつながりの深さ、大切さに気づいていく彼の言動の描写に、心が震えた。
自分は、何をするために生まれてきたんだろう?
自分以外に、自分の人生そのものと言える何かに、出会えるんだろうか?
大切な問いがたくさん詰まった本だと思う。
分厚くもないただの一冊に、とんでもないものが詰まってるから、本って凄いと、あらためて思ったのでした。
投稿元:
レビューを見る
「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ」
この言葉は心強い。狂って結果が出ない時、周りの批難は厳しい。自分も自らを責める。もし身近な人が何かに一生懸命になっているとき、不安がらず見守れたらな、と思う。