紙の本
今まさに読むべき本
2011/06/03 08:24
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あさいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
TVのワイドショー、新聞・週刊誌、世の中ありとあらゆる健康情報、民間療法の話であふれている。我々はそれを見聞きし読んでは、半信半疑に、しかしオロオロと翻弄されてしまう。この本は、その惑いを解き放してくれる、ど真ん中ストライクな本である。
イギリスでの話が引用されているのだが、あまりにも現在の日本と状況が同じで外国の話という気が全くしない。ご都合主義にデータを使う、改ざんする…。特に製薬会社やメディアのやり口への言及は、現在の放射線量をめぐる問題にまで繋がってくるようで、愕然とさせられる。
切っ先は鋭いが理論的に公正に論じており、科学的でしっかりしたデータに基づいているが、分かりやすく、面白い。我々一般人に科学的に考えるとはどういうことか、インチキな情報に惑わされないための目を持つための知恵を授けてくれる。
デトックス、ホメオパシー、ビタミン神話の話から、製薬会社のだましの手口、メディアの煽りのやり口まで、気になる人はぜひ読んだ方が良い。なにより、科学とタイトルがついていてもヨーモアがいっぱいで、読んで大笑いできるのが良い。
紙の本
癒着を切る
2017/06/19 05:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療がビジネスになってしまうことについて考えさせられた。データの改ざんなどは、日本にもつながる物を感じた。
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コクラン 抗酸化物質は死亡率を下げるどころか、上げている
広告や包装は厳しい規制の対象になるが、記者が書く文章への規制はない
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タイトルが軽いので軽い読み物のようだが、実に深い内容。著者は軽い読み物として上梓したようなことを云っているが、なかなかどうして。
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健康にまつわるイギリスの擬似科学事情がわかる。どこの国もおんなじで,テレビや新聞等のメディアが,ねじ曲がった「科学」を広めて社会に悪影響を与え続けている。デトックス,脳エクササイズ,化粧品,ホメオパシー,栄養至上主義,サプリメント…。製薬企業のごまかし,不正にも触れる。かなり痛烈にこきおろすので,反感を持ってかたくなになってしまう人もいるかもしれない。だがまだ深入りしていないなら,一読の価値はある。
脳エクササイズって,頸動脈のすぐ上にある「ブレインボタン」をマッサージすると脳が活性化されるとかいうインチキで,これがイギリスでは公立学校に広まっているのだからすごい。MMRワクチンが自閉症の原因と騒がれて,接種率が大きく低下したことにもびっくり。
代替医療にはプラセボ効果しかないことが実証されているのに,関係者はそれを認めたがらない。プラセボ効果があるならいいではないか,という声もあるが,標準医療を受ける機会の損失は深刻。何より,代替医療は人体に関する誤った理解を植え付けてしまうのがまずい。誰もが真実を知るべきだ。はっきりと効果があることが分かっているプラセボを,医師が使いたがらないのは,患者に嘘をつかない医療倫理があるから。代替医療家がしているように,聞いて心地良いデタラメを提供してあげることはできない。
南アフリカに広がるエイズ否定論や抗HIV薬批判には驚いた。エイズなどという病気はでっちあげだと大統領がいたり,エイズに抗HIV薬は効果がなくむしろ毒で,適切な栄養が有効な治療になると主張する保健大臣がいたり。それを吹聴する西洋人がいて,帝国主義以来搾取されてきたアフリカを西洋がさらに食い物にしていると入れ知恵している。当事者が,そういう陰謀論に傾いてしまうのは,無理もないところもあるのかもしれない。
科学をきちんと伝えるべきメディアがその役割を果たしていない。「噛み砕かなくては」「興味をもってもらわないと」という態度によって,馬鹿げた話,大発見・大発明の話,隠れた脅威の話の三種類しか科学記事にならない。まっとうな科学では,このような種類の結果が出ることは稀で,結局ニュースソースは怪しい科学者か科学者もどきになってしまう。
科学的・統計学的な手法は,錯覚,直感といった人間の思考の欠点を克服する為に生まれてきた。その人類の成果が多くの人々に届いていない。
MRSA汚染でっちあげ事件では,警鐘を鳴らしたいメディアが,医療機関からMRSAを検出した博士を英雄に仕立て上げたが,結局その検査はデタラメだったことが発覚して幕を引いた。その「必ず陽性の結果をくれる研究所」の博士に学位を出したのは,ディプロマミルだった。その博士も,さんざんメディアに持ち上げられて使い捨てされたかわいそうな被害者だ。話がどんどん大きくなっていくのを,不器用な彼は止めることができなかった。発覚後,交通事故で死んだ博士が,借金まみれだったという記述は痛々しい。
舌鋒鋭い著者だが,「最後に一言」で,擬似科学サイドに対して敗北宣言している。受け入れられやすさでは自分に勝ち目がないと。ただもっと多くの科学者がその良識を発信し,既存メディアのいい加減さを暴いていけば,よりよい社会になっていくに違いない。徐々にかもしれないが,期待したい。
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デトックス・ブレインジム・化粧品・ホメオパシー・製薬業界・栄養評論家・サプリをこき下ろす。デタラメでこれだけ多くの金が動き、人が食ってるってのはなんともおそろしい話。
キーワード;平均回帰、盲検化、無作為抽出、ホーソン効果、公表バイアス、メタ分析、プラセボ
基本的にみんなサプリやビタミン剤が健康にいいと思いたいんだろうなぁ。。。
デトックス;根拠なし。フットバスで茶色いのが出てくる→ただの鉄さび。塩素ガスが出てくる→塩の電気分解(まじかw)
化粧品;水と油をうまくまぜただけのもの。
ホメオパシー;いうまでもない
製薬業界;公表バイアス(いい結果は公表され、悪い結果はお蔵入り)、既存の治療法との比較の際、既存治療法で過剰投与などをして相対的によく見せるなど。80年代以降大きな発明がなくジリ貧。大手製薬会社予算の14%がR&Dなのに対して、販促・管理が31%。イメージを売っている面が否めない。
栄養評論家・サプリ;魚油のサプリで頭が良くなる証拠なし。多くの場合マイナスの効果。ビタミンCは風邪に効かない(ノーベル賞受賞者がきくと言いはったのは事実だが、きくというデータなし)。
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イギリスの医師が執筆。どんなベテランが書いているかと思ったが、自分と同世代。
イギリスの状況も日本と変わらないことに安心…してちゃダメか。一般向けだけど、学生や研修医にも読んで欲しいです(本当はベテラン医師にしっかり読んで欲しいのよね)。
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デトックスで体はきれいになる?
脳を活性化させるエクササイズ?-ブレインジム
高級な化粧品の正体
通常の医療に代わる療法ーホメオパシー
信じることで改善するープラセボ効果
栄養評論家の作り話
サプリメントが社会問題を解決する?
ビタミンでエイズは治らない
製薬業界のだましの手口
メディアが科学をおとしめる
なぜ賢い人がばかなことを信じるのか
誤った数字が用いれれることの恐ろしさ
メディアがありもしない健康不安をあおる
メディアが広めた新三種混合ワクチンのウソ
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健康や医療に関する情報にはデマが多い。その要因には、それを発信する学者の中に信頼のおけない者が多数いることがある。しかし、それ以上に問題なのはそのデマ情報を恰も真実、正当であるかのごとくセンセーショナルに報じるマスコミがあることを歴史とエビデンスを示しながら解説した著。
健康・医学情報をどのように受け止めれば良いのかを考える大いなる参考になる内容。
ホメオパシー、代替医療などについて前半で詳しく書いている。
後半にMMRワクチンの迷走の歴史とその真実について詳しく知ることができる。(日本では未だにMMRはおこなわれていない)
※ 子宮頸がんワクチンを巡って日本は大変な迷走をしてきている。これを適齢期の子に薦めないという大きな過ちが今もまかり通っている。この本を読めばその裏面を読み取る能力を磨くことにも役立つだろう。
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再読してみました。
ゴールドエイカー先生はぐちっぽいですねえ。
読んでよかった点は
・肌の保湿はワセリンでじゅうぶん
・イギリスにもばかっぽい代替医療の流行がある
・研究が載っているからといって信用してはならない。
データの積み重ね、相互批判、方法論などを精査する
あたりでしょうか。
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イギリスの話だが、科学に批判的な態度を取る代替医療産業、儲け主義の医薬品業界、科学知識のないジャーナリストが、どれだけ間違った知識を垂れ流して、社会に害を与えているのかを書いた本。程度の差はあれど他の国でも同じようなことは起きているので、それを見抜くために、非常に参考になります。
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デトックス、ブレインジム、高価な化粧品、ホメオパシー、栄養評論家、サプリメント、は効果がない。
ビタミンでエイズは治らない。
プラセボ効果が効いたと思わせる。
ホーソン効果=見られていると思うだけで成績が良くなる。頭が良くなる薬と同じ。
代替療法は怪しいものが多い。
治験は製薬会社のやりたい放題。無作為化が不適切、うまくいきそうな人だけを対象にする、基準値を操作する、脱落者を追わない、臨機応変に期間を変える、など。結果を要約していい点だけを伝える。肯定的な結果だけ公表する。
思考の錯覚=規則性のないところに規則性を見出す。何もないところに因果関係を見出す。
メディアは都合のいい数字を取り上げて不安をあおる。
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★★★
今月7冊目
疲れた。とりあえずホメオパシーは改めて科学的には壊滅的に無意味な砂糖玉。
これでよくなるのはプラセボってのが科学。
確かに50メートルプールの中に一滴より少ない分量のものが効果あるわけはない、科学的には
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全体的に勉強になりました。
ホメオパシーって名前は聞いたことがあったが、そんなトンデモ由来だったのかw
科学や歴史などの知識、本気でそう信じる心、プラセボ効果、自身の感覚や思考傾向、各人の差によって左右されるので、本物の情報を見分けるのって本当に難しいと思う。
どんなに嘘みたいな結果でも本当に起きたことであり、それに再現性があって正しいものだと実証したかったら、どれだけ適切な検証をしたのかを書きたいものだと思うんだよなぁ。
結果ありきの検証は意識の有無にかかわらず、検証結果が偏ってしまうものだと思う。
そもそも事実がどうかは関係ない人たちもいるようだし…。
ただ私は圧倒的に知識不足で、そのデータに何が書かれていないのか、何が足りていないのか、といったことに気がつくのがなかなか難しい。
この本は、どういった点に目を向ければいいのかを教えてくれるので勉強になる。
ハダッド・スコアが満点の中にでっちあげが紛れているという話はおそらく、満点の口コミの中にサクラを紛れ込ませるのと同じような感覚なのではないかと推察する。
プラセボの威力って本当にすごいんだな。思考は現実化するし、要は自分の意思が強ければどうにでもなるんじゃないか?w
ホーソン効果って、注目を感じると背筋が伸びてはりきっちゃうやつか?
HIVの話が、現在のコロナ禍に似ていると感じた。
世界でもいろんなトンデモニュースが飛びかっているもんなんだなぁ…。
本物の科学者や医者は、人間にバイアスがかかることをよく理解してるのだろうな。
確率で考える場合、それは個々のデータに関係性がない、独立したものである必要がある。
人間は兄弟や環境など関係値が存在し、そういった背景に左右されることもあるから独立したデータとはいえない。
自己評価と実際の成績の比較のグラフを見るかぎり、周りから見たら明らかに能力が高いのに自分の評価を低く見積もっている人が多いと感じるのは気のせいじゃなかったんだな。
文系をまとめて嫌味な言い方をしてくるところはイヤだなぁと思うので、だったら文系にもわかるようにもっと本を書いてくれませんか?って思います。
文系が科学を理解できないから都合よく解釈するんだというような、自分の想像で相手を責める場面が少なくなかったのは読んでいてちょっと疲れました。それこそ編集体制や圧力などといった交絡因子はあっても、直接の因果関係はないのではないか?
遺伝子組み換えについては同意見です。
自身が受けさせた予防接種のせいだったとしたら…と嘆いている母親の声があったが、自分が受けさせなかったせいで亡くなってしまう世界線があることは頭に入れておきたいですね。
コロナ禍において、SNSで医者が「論文の書き方を知らない人が医療を教えてくる」「毎日医療論文をあさっては査読している」といった内容の発言をしていたのを思い出した。