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紙の本
大きなハードルと小さなハードル (河出文庫)
著者 佐藤 泰志 (著)
「彼は憎しみでも怒りでも何でもいい、身体に満ちることを願った。…大きなハードルも小さなハードルも、次々と乗り越えてみせる」危機をひたむきに乗り越えようとする主人公と家族を...
大きなハードルと小さなハードル (河出文庫)
大きなハードルと小さなハードル
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商品説明
「彼は憎しみでも怒りでも何でもいい、身体に満ちることを願った。…大きなハードルも小さなハードルも、次々と乗り越えてみせる」危機をひたむきに乗り越えようとする主人公と家族を描く表題作をはじめ八〇年代に書き継がれた「秀雄もの」と呼ばれる私小説的連作を中心に編まれた没後の作品集。最後まで生の輝きを求めつづけた作家・佐藤泰志の核心と魅力をあざやかにしめす。【「BOOK」データベースの商品解説】
生と精神の危機をひたむきに乗り越えようとする表題作はじめ八十年代に書き継がれた「秀雄もの」と呼ばれる私小説的連作を中心に編まれた没後の作品集。作家・佐藤泰志の核心と魅力をあざやかにしめす。【本の内容】
収録作品一覧
美しい夏 | 9−58 | |
---|---|---|
野栗鼠 | 59−80 | |
大きなハードルと小さなハードル | 81−110 |
著者紹介
佐藤 泰志
- 略歴
- 1949-1990。北海道・函館生まれ。高校時代より小説を書き始める。81年、「きみの鳥はうたえる」で芥川賞候補になり、以降三回、同賞候補に。89年、『そこのみにて光輝く』で三島賞候補になる。90年、自死。
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紙の本
本書は、佐藤泰志氏による勇気を与えてくれる短篇連作集です!
2020/06/02 09:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『きみの鳥は歌える』や『オーバー・フェンス』などの傑作で知られる佐藤泰志氏の作品で、同氏が亡くなられた翌年に刊行された短編連作集です。大きく二部構成になっており、第一部はスケッチ的な素描のような短編で、第二部が少し小説らしき内容となっています。全篇を読み終えると、怒りも腹立ちも安っぽさも、いやらしさもすべてを抱えたままで、みな顔をあげて前を向き始めることができる勇気をもてます。無理にハードルを飛び越えなくてもいい、それしかできないのであれば、ハードルとハードルのあいだの空間をただまっすぐに架空のゴールまで歩いていけばいいと思えるようになる作品です。具体的な内容構成は、第一部が「美しい夏」、「野栗鼠」、「大きなハードルと小さなハードル」、「納屋のように広い心」、「裸者の夏」、第二部が「鬼ガ島」、「夜、鳥たちが啼く」となっています。自信がない時、落ち込んだ時に読むと心が癒されます。
紙の本
男たちの痛々しさ…佐藤泰志「大きなハードルと小さなハードル」。
2011/08/03 17:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと読んできた佐藤泰志も文庫作品はこれで終わり、初期作品集を
残すのみとなった。何だかちょっと寂しい。さて、この「大きなハード
ルと小さなハードル」は「秀雄もの」と呼ばれている連作5作が第一部、
その他の短篇2作が第二部という構成。第一部、最初の「美しい夏」で
主人公の秀雄は光恵という女性と暮らしているが、そのタイトルとは逆
で全編を被っているのは、ギスギスとした何ともイヤな空気だ。そのほ
とんどは主人公秀雄が生み出している。次の「野栗鼠」では2人の間に
陽子という三歳の娘が生まれ、表題作「大きなハードルと小さなハード
ル」では秀雄の重度のアルコール中毒が明らかになる。いたたまれない
ような家庭の雰囲気、少しも噛み合うことのない夫婦の会話、この連作
にはこれまでの佐藤の作品にはあった、ささやかな喜びやかすかな希望
さえ感じることができない。作者のいつもながらのリアリティに感心し
ながらも戸惑っている自分がいる。
第二部はまったく違う主人公たちの話なのだが、やはり居心地の悪さ
というか読み心地の悪さがある。この本の男たちは常にいらだっている
のだ。ラスト一作だけ少し明るいトーンがあるのが救いだが…。あがき
ながら、もがきながら、なんとか輝きを取り戻そうとする男たちの痛々
しさに少々まいった。
紙の本
孤高の短編集
2017/04/15 03:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会から忘れられたような場所で生き続けることが伝わってくる。芥川賞に5度落選しても屈しない心を感じた。