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山中伸弥・iPS細胞革命~不器用で整形外科医を断念した山中医師が奈良で研究職を得,皮膚の繊維芽細胞に「運び屋」を使ってOct3/4・Sox2・Kff4・c-Mycという四つの遺伝子を入れた万能細胞に変化させた。人工多能性幹細胞induded pluripotent stemcell略してiPSと名付けた。分化後の細胞を消しゴムを用いて真っ白にすると考えられているが,仕組みは未解明。人の受精卵を使うEM細胞の倫理的問題を克服し,不死身の細胞となったが,その点は癌細胞と同様であり,病人の細胞を使ってiPSとし,必要な細胞に変化させて病人に移植すれば拒絶反応は起こらずに有効だが,癌細胞を移植することになってしまうかも知らない。また医薬の現場で特定の人から作ったiPS細胞から分化させた組織がが実験台となっており,当人が死んでもその細胞だけは生き続けているという倫理上の問題も存在する。山中教授は3万の中の24個から4つの遺伝子を使って成功はしたものの,偶然という側面もあり,見落としている部分もあり,成功率は1%,1ヶ月の期間を要することも課題だ。癌化の問題はc-MykをGlis1に置き換えることで,改善したが,国際競争は熾烈で,国の支援を受けて京都大学にCiRAを立ち上げたのは迅速だった。1つの遺伝子に起こったと思われる遺伝子異状による難病の再現と再生医療への応用を進め,将来的にはcommon disease一般的な病気に広げる~現京都大学教授・山中伸弥を追いかけたNHKスペシャルの書籍化。ノーベル賞を受ければ,もっと話題になっただろうが,研究を進めるには貰わない方がベターのような気がする。細胞をリセット・デフォルト化させる技術だったんだ。卵子と精子は特に分化した細胞だが,その特徴を合体した直後にまっさらに変え,細胞分裂を開始して,ヒトとして発生する・・・確かに不思議な仕組みで,神秘とも言える。その直後からテロメアが短くなるという老化現象が起こるのだが,若返りと不死という究極の夢を幹細胞は持っていて,人工的に作ることも可能になったから,細胞革命と呼ぶのだろう。人の体は200種類・60兆個の細胞からなる・・・憶えておくべき数字! 忘れるだろうなあ。山中さんは1962年生まれ。番組は2010年9月18日放送
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(2011.09.27読了)(2011.09.22借入)
*2012年度、ノーベル医学・生理学賞受賞*
副題が「山中伸弥・iPS細胞革命」です。山中伸弥さんの発見したiPS細胞の及ぼす影響の可能性を探ったNHKスペシャルを単行本化したものです。
第一部と第二部に分かれています。第一部は、NHK記者たちの報告、第二部は、山中伸弥さんに立花隆さんと国谷裕子さんがインタビューした記事です。
章立ては以下の通りです。
第一部、 生命の未来を変えたiPS細胞
第一章、iPS細胞 発見までの道のり
第二章、夢の再生医療の扉が開かれた
第三章、万能細胞が開くパンドラの箱
第四章、iPS細胞で深まる生命の謎
第五章、激しさを増すiPS細胞WARS
第二部、iPS細胞と生命の神秘
第一章、iPS細胞は生命のタイムマシン
第二章、万能細胞がもたらす医療革命
第三章、曖昧になる生命の境界線
第四章、人間の体に隠された未知の力
第五章、世界最高の研究所を目指して
iPS細胞の研究は、盛んで新聞紙上も賑わしています、9月27日の日経朝刊にも「ヒトのiPS細胞使い脊髄損傷の治療 慶大、マウスへ移植成功」という記事が出ています。
iPS細胞というのは、特定の機能に分化してしまった細胞を初期状態の未分化な細胞、あらゆる細胞に分化することのできる細胞にすることです。
沢山ある、遺伝子の中から四つの遺伝子を選んで、例えば、皮膚から取った細胞に埋め込んでやると、未分化な初期状態の細胞になってしまうということです。
山中伸弥さんと何人かの人たちによって、四つの遺伝子が特定されたということです。ただし、効率が悪いので、もっとほかの遺伝子を追加することによって、効率を上げることができるかもしれないということで、その方面の研究もおこなわれているとのことです。
応用方面の研究としては「再生医療」「創薬」「病態再現」の三つが考えられている、とのことです。
「再生医療」は、人間の失われた組織や臓器を再生することに利用する。本人の細胞を利用すれば、拒絶反応もないだろう。
「創薬」は、開発中の薬の有効性や副作用を確認することに利用する。
「病態再現」は、遺伝子が元で発病するような病気に関し、遺伝子の持ち主から提供を受けて、そのメカニズムを研究することにより治療法も見つかるのではないか。
また、ヒト以外の動物で、ヒトの臓器を作らせて、ヒトに移植するという方法も考えられているということです。
卵子や精子をつくることもできそうなので、倫理的な問題も生じてきそうなので、早目にガイドラインを作る必要性も唱えられています。9月28日の日経夕刊に、総合科学技術会議の生命倫理専門調査会で、受精卵作成の是非を検討し始めた、という記事が載っています。
●人間の修復能力(195頁)
ぷらなリアという小さな生き物がいますが、それは16等分したら16匹の新しいのが生まれるというすごい修復能力です。人間にも当然、修復能力があるんですが、一部は進化の過程で失われているかのように見えます。しかし、人間の修復能力も実は隠されているだけなのかもしれないという気はします。
☆関連��書(既読)
「二重らせん」J.D.ワトソン著・中村桂子訳、講談社文庫、1986.03.15
「ES細胞」大朏博善著、文春新書、2000.05.20
「遺伝子医療への警鐘」柳澤桂子著、岩波現代文庫、2002.05.16
「iPS細胞ができた!」畑中正一・山中伸弥著、集英社、2008.05.31
「iPS細胞」八代嘉美著、平凡社新書、2008.07.15
「「大発見」の思考法」山中伸弥・益川敏英著、文春新書、2011.01.20
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ノーベル賞受賞で一躍有名になった、京都大学の山中信弥教授のiPS細胞研究についてまとめられた本。
読んで感じたのは、理系の、医学的な側面だけではなく、臨床や製薬、またその他どんな部分で役に立つか、また倫理的な面でこれから起こりうる問題など、広い視点で書かれていたことです。
人間の受精卵から作ったES細胞に比べ、体細胞から作るiPS細胞にはクリアできる点が多いとは言いながらも、多様な臓器になることのできる細胞ゆえに新たな問題が現れてくる。
それを充分にクリアしていくために京都大学iPS細胞研究所で、基礎研究だけでなく倫理問題を検討する部署があったり、新たな特許技術を研究所だけで独占するのではなく広く医学の進歩のために役立てられるような施策をとっているなど、科学の進歩発展に心がけられているのだと感じた。
ALSなど、まだ治療法の確立していない難病の患者にとって、iPS細胞から病気の発生の仕組みを研究したり、新薬の開発にiPS細胞が役立つことで、治療の方法が開けることが期待されている。難病に苦しむ人が少なくなるように、一日も早くiPS細胞が医学に役立つ日が来てほしいと思う。
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推薦理由:
「もはや生命科学を知らなくて済むという時代ではありません。iPS細胞は人類の未来を変える可能性があるのです」と山中伸弥教授は語る。iPS細胞がなぜ未来を変えるのか、その特性、将来性、問題点などについての論点が分かり易くまとめられている。
内容の紹介、感想など:
本書は、iPS細胞を様々な視点から考察する第1部「生命の未来を変えたiPS細胞」と、ジャーナリストの立花隆とキャスターの国谷裕子がiPS細胞の将来性や問題点などを山中伸弥教授にインタビューする第2部「iPS細胞と生命の神秘」から構成されている。
第1部では、第1章「iPS細胞 発見までの道のり」で山中教授が臨床医から研究者に転向してiPS細胞作成に成功するまでの道のり、その背景や、iPS細胞にかける情熱などが紹介されている。山中教授の先入観にとらわれない考え方は、様々なことに挑戦する人の手本となるだろう。第2章「夢の再生医療の扉が開かれた」では、iPS細胞がなぜ人類の未来を変えるとまで言われるのかを、「再生医療」「創薬」「病態再現」の観点から解説する。第3章「万能細胞が開くパンドラの箱」では、iPS細胞を使った研究の倫理面の議論を検証する。自分の体細胞から研究のためにiPS細胞が作られた場合、どこまでが自分のものと言えるのか、異種の生物を結合させるキメラ動物の利用はどのように制御していくべきかなど、iPS細胞の研究にはこれから社会全体の問題として議論していくべき多くの問題がある。第4章「iPS細胞で深まる生命の謎」では、iPS細胞のなかでは何が起きているのかを解説し、iPS細胞のメカニズムの解明に世界中の研究者が日夜研鑽を積んでいることを述べ、第5章の「激しさを増すiPS細胞WARS」では、その熾烈な競争の中で日本が主導権を握り続けることの大切さと難しさが語られている。
第2部「iPS細胞と生命の神秘」では、iPS細胞についての様々な疑問やこれからの研究の方向などについて、インタビュー形式で語られている。「民間企業にとって知財は独占するためのものだが、私達にとっての知財は独占させないためのもの」と言う山中教授が目指すのは、「一刻も早く医療への応用を可能にして難病に苦しむ多くの人を救うこと」であり、それが山中教授の医師としての信念なのだ。
iPS細胞の研究には、難病の治療への大きな期待が寄せられるが、同時に生じてくる従来の社会常識や倫理観だけでは対応できない多くの問題について、生命倫理の議論をしっかり進める必要があることがわかる。それは、これからの社会でひとりひとりが考えていくべき事なのである。
同タイトルのDVDも図書館にあるので鑑賞して欲しい。
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iPS細胞の発見は、いわばタイムマシンを発見したことと同じことであるといったら驚くだろうか。生命の履歴が初期化されるという現象を可能にしたのである。直感的には、生命は不可逆であるはずだと誰もが思うだろう。しかし実は、生命の可塑性は1900年代からジョン・ガートンという研究者によって発見されていたのだ。
ES細胞という用語をきいたことがあるだろうか。先述の研究を発展、応用させたもので、万能細胞の一種である。つまり、どのような細胞にも分化可能な細胞だ。ところが、このES細胞は受精卵を破壊し、内部の細胞を取り除くことで生成できる細胞であるため、倫理的な問題を孕んでいた。この問題をクリアしたのがiPS細胞である。例えばヒトの皮膚細胞から、しかも高校の高レベルな理科知識があれば誰でもできるという画期的なものであった。自分の細胞からつくれるので、移植時に拒絶反応が起こらないことも利点のひとつだ。この発見により医療技術が飛躍的に向上することは火を見るより明らかだろう。
こうした素晴らしい発見であると同時にそれは、パンドラの箱を開けてしまったという声もある。この技術を応用すれば、理論的にはキメラ、すなわち合成獣も生み出すことができるし、髪の毛一本から精子をつくりだすことだってできる。自分の体というものが、知らないうちに悪用される可能性があるということだ。これはある種のコンピュータ革命がもたらした利益と負の一面に勝るとも劣らない変革を社会に巻き起こすだろう。法整備、社会とのコンセンサス、課題は山積している。
だからこそ、私たちは市民社会の一員として、人類の一人として知らなくてはならない。山中先生のいうように
「もはや生命科学を知らなくても済む時代ではない。iPS細胞は人類の未来を”変える”可能性があるのだ」
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毎年十月になると、ノーベル賞の受賞者が発表される時期を迎える。昨年は、めでたく二人の日本人受賞者を迎えることができたわけだが、今年も同じような光景を目にすることができるのだろうか?
今、日本人で最もノーベル賞に近い男と呼ばれているのが、iPS細胞の研究をしている京都大学の山中教授である。昨年も受賞確実などと地元紙で報道されながら、惜しくも受賞を逃した方だ。本書は、その山中教授とiPS細胞の概要を解説した一冊である。ばっちりと予習をして、発表の日をむかえたい。
iPS細胞とは、人工多能性幹細胞の略。皮膚などの細胞に四つの遺伝子を入れることで生み出され、あらゆる細胞に変わる性質を持つ「万能性」を持った細胞のことである。その最大の特徴は、細胞の初期化にあるという。
一般的に生物の発生の過程において、受精卵から体細胞が生まれ分化すると、体細胞が出来る方向にしか進まないとされてきた。これをリセットボタンでも押すかのように初期化できてしまうのが、iPS細胞の特徴である。たとえば心臓に疾患を抱えている人の皮膚細胞からiPS細胞を作り、心臓の細胞を作らせる。その心臓の細胞を、病気になった心臓に移植するなどということも可能になるのである。
本書の序盤では、細胞発見までの道のりが描かれている。特にスリリングなのが、その研究発表における情報戦である。山中ファクターと呼ばれる四つの遺伝子解明→マウスでの実験→ヒトの細胞での実験と、成果を段階的に発表するたびに、世界的な研究室との競争における優位性も初期化されてしまう。アメリカの研究体制や能力をもってすれば、ステップごとのリードなどあってないようなものである。抜きつ抜かれつの情報戦は、最終的にアメリカの研究グループが雑誌のオンライン版の公表日を前倒しをすることで、同着一位となってしまう。
彼らは決してノーベル賞や名誉が欲しくて、レースのような競争をしているわけではない。先発明主義と呼ばれる知的財産権に、大きな影響を与えるためである。将来的に、iPS細胞が実用化された時に、主要な特許を外国企業に抑えられていると、日本発の技術ながら、その恩恵が十分に受けられてなくなってしまうという。やはり、二番ではダメなのである。
一方で、後半で紹介されている倫理問題もグイグイと引き込んでくる。iPS細胞を使えば、男性同士の子どもを作ったりキメラと呼ばれる融合動物を作り出すことも可能なのだ。時間、場所、性、そして種の壁も超えて、様々な生命を生み出す新しい細胞社会の到来がすぐそこまでやってきている。
有限と思われていたものが、限りなく無限なものへと近づくと、その利用の仕方にも当然変化があらわれる。そこで懸念されるのが、細胞の生命を機械的に扱うことによる、「体」という概念の変化である。山中教授は、本書の後半に収録されている対談で、このテーマについても、ずいぶんと踏み込んだ発言をされている。デリケートな問題を取り扱いながら、警戒感を感じさせないのは、教授の誠実さのあらわれであるだろう。
この日本発の技術が、日本社会に突きつけているものは、意外と重い。問われているの���、「正常な老化とは何か」ということでもあるのだ。宗教的な基盤を持たず、いち早く高齢化社会を迎える日本が、いったいこの技術をどのように受け止めるのか。この問題を、科学の領域だけに留めてはならない。
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すごくおもしろかったです。
山中教授の挫折。最初は臨床医師を目指していたけれど、現場で芽が出ず研究者へと転身。
自分も営業から制作の仕事へと転職し、そちらのほうが向いていたという経験があるので共感しました。
それからips細胞。万能細胞と呼ばれる分化できる特性を持つ細胞。
病態の原因解明や再生医療など今後の医療技術発展が期待されているらしいです。
もちろん倫理的な問題など解決しなくてはならない問題も多々あるようですが、今後の進展に期待したいですね。
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様々な細胞に変化することができる細胞は「多能性」の幹細胞、
全ての細胞に変化できる細胞を「万能細胞」(受精卵)
iPSは万能細胞を人工的に作り出した。
皮膚からでも子どもが作れる。社会を構成する家族や性の意味を変えてしまう。
iPSの弱点。iPS細胞の中に、腫瘍を作り出す能力のある細胞が含まれている。
iPS細胞を作る過程とがんの起こる過程はよく似ている。
やっぱし、どうもあかん。
人の命は必ず助かるべきなのか。
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・iPS細胞とは受精卵のようにあらゆる細胞に変わる性質をもつ万能性をもつ
・ES細胞とは培養すれば、永遠に死なない増え続ける細胞
・従来ES細胞を創るには受精卵から生成していた
・iPS細胞は初期化する(細胞の生命過程の時間を戻す)
う〜ん。こうやって書くとよく理解してないな。
とにかく今までの技術よりも簡単に、クローン細胞ができるようになった。例でいうと、患者の皮膚組織の細胞からiPS細胞を作成し、その人の遺伝子情報を含む、臓器を再生成することができるようになる。
これにより、病気になった組織の再生移植、病気組織を研究することにより病気の解明、薬の効きや副作用を調べることに活用できる。
同時に、クローン人間が作成にちかづく技術で倫理的な問題もある。
特許競争も激しい。
難しいけど、刺激的なお話でした。
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ES細胞との違いを知ろうと思い読んでみました。日本独自の技術、秘めた可能性、他国の追い上げ等とても分かり易かった。
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特記事項は特にないが、とても読みやすいし、学問的にも一定のレベルが保たれているので、好感できる。山中さんのお人柄がよく出ているのではないか。奈良先端大も先見の明があったなあ。本書は、日本の科学研究に対する敬意を深めさせてくれる。
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山中伸弥教授は2012年にノーベル賞を受賞したが、本書は受賞前の2011年の発刊である。
しかし、すでに重要な賞を数々受賞しており、社会的に大きなインパクトを与えている中で本書が発刊された。
すでに10年以上前の時点での内容であるが、iPS細胞の基本をおさえるには良い本であった。生物に疎くてもその重要性と課題がよく分かる内容であった。
驚きであったのはiPS細胞には4つの遺伝子が必要だが、その4つの遺伝子で細胞が初期化されるメカニズムが解明されていないということだ。研究が進めば進むほど生命の謎が深まるような現状と言う。
「細胞というのは完璧なシステムである」と養老孟司先生は言ったが、まさに細胞というシステムは超複雑系で細胞同士の情報のやり取りによって、全てが有効に機能するという一つの完全なシステムであった。
研究には運が必要だ。山中伸弥教授の真摯なお人柄がその運を引き寄せたのか。それもあるだろうが、やはり努力が大きいのだろう。人の3倍働くと決め、実際に同時に3つの実験を行なっていた程の努力が運を引き寄せたのだ。
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ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授のもたらした、iPS細胞革命について取材したNHKスペシャルがベース。番組ならば、イメージがわきそうな内容でも、文字で読むと難解に感じる部分はありました。再生医療や創薬に繋がる画期的な発見だったことは理解できました。未来を明るくできる技術として、発展してもらうことに期待したくなりました。
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数年前から巷で話題になってた”iPS細胞”なるもの。あまり気にかけてなかったけど、すごい発見だったんだな。しかも、発見の過程を読むと呆気なく見つけたっぽいような。。。大発見というのは、得てしてそういう偶然(幸運?)によりもたらされるものなのかな。でも、iPS細胞を発見したのが山中教授のような人で良かったと、本作を読んで、つくづく思った。山中教授も切望しているように、iPS細胞が医療の現場に、難病に苦しむ患者のみなさんに活かされる日が1日でも早く来るよう祈りたい。
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山中先生、超スゴい!な本。。。超スゴい人なのは間違いないですが、あまりに惚れすぎて冷静さを欠いているような。。。
そして、前半と、後半のインタビューと、書いてあることは大体同じです。半分読めば大丈夫。
本としての出来はともかくとして、iPS細胞はかなり凄まじい。パンドラの箱を開けてしまったというような・・・。
万能細胞の切り開く未来は、基本的には明るいように思いますけれど、この薄ら寒さはなんだろう?
ここのところ、色々な動物実験の本を読んだので、大抵のことには慣れたと思ったけど、でも「腎臓の細胞から生物できちゃった!」とか、「マウスとラットのキメラ作れた!」とかには・・・うーむ。
理論的には、iPS細胞から精子と卵子を作って受精させる、みたいなことも、できるかもしれないそうで。。。
まったく、人間というのはとんでもない生き物ですな。。。