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子供時代に戻って、何か一つ自分にアドバイス出来るとしたら、かなりの確率で「ガンダムを見とけよ」とアドバイスすると思う。なぜ見なかったのか記憶が定かではないが、ガンダムを見ていなかったせいで、話題についていけなかったという経験を、これまでに何度となく経験している。それがプライベートな場だけならまだしも、時折り、打ち合わせの場などでも出てくる。子供のころに、公文式などやっている場合ではなかったのだ。
一方で会社に入ってしばらく経ってから、『ONE PIECE』なるものの存在を知る。こちらは二巻か三巻くらいまでは読んだ記憶があるのだが、ゴムゴムの実を食べたところあたりで挫折。この漫画を読むには、あまりにも心が汚れてしまったらしい。
そんな自分にとって、本書の登場は福音であった。双方の漫画のことのみならず、その読者層の世代としての特徴も書かれている。ガンダム世代にも、ワンピース世代にも、はたまた狭間の世代にとっても、膝を打つような記述が多いのではないだろうか。
◆本書の目次
第一章 ワンピース世代論、ガンダム世代論
第二章 『ONE PIECE』とワンピース世代
第三章 ガンダム世代にとってなぜワンピース世代の若者は理解しにくいのか
第四章 『機動戦士ガンダム』とガンダム世代
第五章 日本社会の矛盾とガンダム世代の苦悩
第六章 ワンピース世代の反乱
多くの人にとって13~19歳のティーンエージの時に見ていたアニメが、その後の行動規範を決定づけるという。自分の世代で言うと、キン肉マンからスラムダンクあたりまでだろうか。日本人の思想は、ある意味において漫画によって形成されているという側面がある。年齢で分ける危うさはあるが、会社の中を見回しても、多くの人は概ね下記の二つのタイプに分類されるとみて間違いないだろう。
◆ガンダム世代の特徴
1960~69年生まれ
キーワードは「組織への従属」「人類のニュータイプへの進化へのあこがれ」。「個人の感情は押し殺してでも組織に従うべきだ」という考え方。タテ社会という枠組みの中で生きているのが特徴。
◆ワンピース世代の特徴
1978~88年生まれ
キーワードは自由と仲間という価値観。「自分で正しいと思うことを判断する」という行動規範。ヨコ社会という枠組みの中で生きているのが特徴。
本書においては、この二つの世代がなぜ分かりあえないのかを分析しながら、大胆にも日本の未来予測へと話を展開している。しかし、注目したいのはその差異より、共通点にある。双方の世代が、その方向がタテであれヨコであれ、ムラ社会というものを強く意識しており、「ウチ」と「ソト」を明確に切り分けているということなのである。
このような問題は、いつの時代にもあったことなのだろうと思う。経済が右肩あがりの時代には水面下におさまっていたものが、下降局面においては隠しきれずに表面化してしまうということなのだ。この状況を打開するには、「ウチ」と「ソト」を分けない世代、すなわちソーシャルネイティブの台頭を待つしかないのだろうか。
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『ONE PIECE』世代の20代と『機動戦士ガンダム』世代の40代を2つの軸に、世代間の違いや現代の日本社会、未来の日本社会を解き明かしていく。
何でも世代で区切るのは難しいと思うかもしれないが、少年期〜青年期にあった出来事が少なからず、その世代に影響を与えている。このことを知れば、自分の世代以外のことをわかってあげられるかもしれない。
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40代周辺を”ガンダム世代”、20代周辺を”ワンピース世代”と位置付け、
それぞれの作品の世界観をシンクロさせるような分析の仕方でしょうか、なかなかに面白い視点でした。
その狭間にいる自分達は、、”北斗の拳世代”とでもなるのでしょうか。
「貧すれば鈍す」、そんな雰囲気を感じさせる一冊です。
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2つの漫画をメタファーとして、世代を現す。価値観が違うので理解できないときもあるが、価値観が違うというのを知っていれば対処できる。ちなみに、自分はドラゴンボール世代だけど、これも考えて見たい。
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題名だけで判断して、軽い気持ちで読み始めてみたら大間違い。
とても的を得た考察でした。
私はどちらの考え方も何となくわかるエヴァ世代ですけれど。。。
日本で世代間の争いは起きるのだろうか?
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「アマゾンのロングテールは二度笑う」や「会社のデスノート」の著者で元BCG、現百年コンサルティングの鈴木貴博さんの本。
現在の40代を「ガンダム世代」、20代を「ONE PIECE世代」と定義して、前者は組織内の序列を重視(と同時に組織自体も重視)するタテ社会の文化、後者を自分に近い(選択した?)ヨコ社会に属していると説明。
なぜなら10代の頃の支配的な文化が世代自体に大きな影響を与えており、その価値観からは世代の多くが逃れられない為としている。
全体の2/3程度は、それぞれの世代の特徴や衝突しやすい価値観について言及されている。
個人的には各世代感の特徴を述べているパートまでは、あまり目新しい部分も感じられず、帯の「世代間闘争はより熾烈になっていくに違いない」とのドラッカーの言葉との乖離感があったが、後半1/3は現代日本での今後起こりうるであろう低成長/財政破綻局面での世代間闘争がテーマになっている。
この本のテーマは世代間闘争。
かつ、財政破綻がなぜ起きるのか、どうすれば回避できるのか、では無く、起こる事前提での生活インパクトやその世界での文化の予想は面白い。
確かに現状のジワジワ湯であげられている状態では最早「世代間の格差」では無く「世代間闘争」の方が現実感があるのかもしれない。
後半は読み応えもあり興味深い部分も多いので、前半でやめない方が良いと思った。
あと個人的に興味深いのが、低成長下での若者に対して、何がなんでも頑張ってキャリア構築=高収入確保では無く、比較的スローライフに近い、満足を知る事を勧めている点。
経営コンサルタントの主張でそういったものは珍しいように感じた。
個人に対する啓発よりも、世代へのアラートだからだろうか。
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ワンピースを知らない人にも分かるよう、簡単なストーリーと解説がある。その程度で分かった気になっては怒られそうだが、そういう知識もないと読み進められない。
著者はガンダム世代なので、こちらの分析は秀逸。一方のワンピース世代のほうは少々つかみかねているような印象もうけるが、それでも細かいところまで良く見ているものだと感心することしきり。それぞれの評価だけでも十分面白い。
あとがきで、ガンダムとワンピース
二つの世代の間にエヴァンゲリオン世代の存在を示唆する記述があり、それの解説も今後の楽しみ。
全体を通してガンダム世代の悲哀を感じとってしまうのは、単なるオジサンのひがみなのか…
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ガンダムを見ていたからといって自己犠牲をやむ無しと思う人間になった覚えはない。たぶんそういう人の方が多いと思う。とはいえ我らの世代にそういう価値観を持っている人間が多いのも確か。その意味でこの本の指摘は興味深い。私自身はそんな解釈で納得したが、読み手を選ぶ一冊とも思える。
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タイトルだけで借りてみた本。それぞれの漫画、アニメが絶頂期のころに青年期を迎えた世代がどのような世代か分析し、未来を予測する内容。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3970184.html
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弟が誰かに勧められてか何かで買ってきていたのを借りて読んだ本。
極端な対比だが言ってることは何か面白くてあっというまに読めた。
ちなみに自分はワンピース世代に入る。
ワンピース世代は幼少期に過酷な環境にあったから
これからもっとつらい時代になってもガンダム世代より耐性がある
ってことでおk?
自分に都合のいい読み方をするとこうなると思う。
他の方のレビューにもあるように
エヴァンゲリオン世代はどうなるのかなー?と思った。
ていうか私もエヴァは見てたような…。
放映されていた当時は自殺者増加がえらい問題にされていた時代で
たまたま同時期に放映されていたエヴァがやり玉に挙がっていたことを思い出す。
うーん。こういう時代の人をどう表現するのか興味あるんだけど。
ガンダム世代、ワンピース世代のことより多く書いてるねw
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世代間の格差を、「ガンダム」と「ワンピース」という2つのキーワードに強引にまとめて論じた本。確かにその通りと思ったが、インパクトはなかった。最終章の近未来シミュレーションは面白かった。
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読んでいて苦痛。世代に損得があって感性行動の違いがあるが、それは良いが、それをガンダムやらワンピースの影響というのは無理。因果関係錯誤のバイアスだと思う。寧ろ、そういう感性の違いがあるから受け入れられる作品が違ってくるのではないか。で、若いのが横社会ってのは全く違う。横ってのは同じ資格で結ばれてる訳で、奴らのはただの自我の拡大だと思う。不良の集団が形を変えてるだけだと思うな。
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私自身は「ガンダム世代」と「ワンピース世代」の中間にあたります。なんとも中途半端な感じです。しかし、書いてある内容については非常に共感できるものがありました。縦のムラ社会に生きる「ガンダム世代」と横のムラ社会に生きる「ワンピース世代」。高齢者偏重の社会保障と分かりながらも支える「ガンダム世代」と社会保障の負担をやめていく「ワンピース世代」。
なんとなく腑に落ちる表現でした。
後半になると経済の話になります。非常に怖いエピソードが紹介されています。日本がデフォルトをハードランディングさせる話などです。このあたりは、堀江貴文氏の「0311再起動」のエピソードと似た社会が描かれており、これから大きな変化の波が押し寄せてくることを予感させます。
やはり、これまでの社会システムでは日本が荒波を超えていくことが難しくなってきていると感じました。大きな社会システムの変革には、現在の日本は少しサイズが大きすぎるように思います。道州制によってもう少しコンパクトで機動性の高い社会システムに移行した方がいいように思いました。
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ワンピース世代とガンダム世代の間に産まれてワンピースとガンダムをこよなく愛する旦那に読ませたらどうなるか。
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まず、自分の立場を本書になぞらえて書いておくと、1973年生まれの自分は、ワンピース世代(1978~88年生まれ)とガンダム世代(1960~69年生まれ)のちょうど中間にあたることになります。
自分の認識では(世間一般的にも?)、自分の世代はがっつりガンダム世代だと思うのですが、定義をわざと上にずらしているような感もあります。もちろん、人気アニメ・コミックである『機動戦士ガンダム』『ONE PIECE』を子供の頃に楽しみ影響を受けた世代ということなのですが、放映・連載当時13~19歳の世代をそれぞれ定義しているので、やはり世間の見方よりは5年程度上の世代になってしまうのではないかと思われます。
より一般的に使われる言い方をすれば、「新人類世代」と「ポスト団塊ジュニア」でしょうか。まあ、この言い方では本が売れないというか、そもそも書籍にならなかったでしょうけど。
本書では、矛盾を感じつつ組織の中で生きることを選ぶガンダム世代と、自由と仲間、すなわち横のつながりを第一に考えるワンピース世代を比較する形で論が進んでいきます。ところが、この世代間の特徴が前提となってしまっていて、事例は作者の都合のよい形でしか使われていないとか、世代間構想の本質に踏み込めないままアニメの設定だけ持ってきたような底の浅い論に終始してしまった感があります。
事例でいうと、野球の独立リーグからプロ野球(NBP)にドラフトで入団したある選手が、入団する球団に対する不満をブログで述べて問題になった事例を取り上げています。筆者は彼が指名されたNBPの球団が成績を残していないことを理由に、不満を述べるのも当然だという書き方をしていますが、彼がもといた独立リーグの球団も万年最下位だったわけで(ドラフト指名された年は勝率5割になったように、戦力と成績を整えてきましたが)。
柔道から総合格闘技に転向した石井選手の事例にしても、自由や仲間よりも自分が活躍できる場を求めての行動にみえるし、その行動力は買うとしても何かを守るための行動とは質が違うように思うのです。
そしてやはり、一番の疑問は、世代の違いではなく、年齢や社会経験の違いで、このような行動差が現れているのではないかというところです。つまりはこれから15年、20年たった後、ワンピース世代が本書に書かれている行動をそのままとり続けられるのか、組織の有り様を知ることで組織社会に飲まれていくことはないのか、ということです。
というのも、どの世代も、上の世代の思想や行動を否定しにかかるからです。ウィキペディアに記述された、以下の1文を引用します。
「成熟した成人として、社会を構成する一員の自覚と責任を引き受けることを拒否し、社会そのものが一つのフィクション(物語)であるという立場をとるとされた。」
(「新人類 - Wikipedia」より引用)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%BA%BA%E9%A1%9E
驚くべきことに、本書でワンピース世代の特徴としてあげられていることが、ガンダム世代とぴったり重なる新人類世代の特徴として記されています(残念ながら、この文章を裏付ける出典は示されていませんでしたが)。何が言いたいかというと、ガンダム世代も、上���世代が作った社会を否定し、そこから自由でありたいというのはワンピース世代と変わらなかったわけです。社会人として20年あまりの経験が、彼らを変えてしまったのでしょうが、それはワンピース世代にも同じく起こりうることです。
最後の未来予測ですが、ここまでドラスティックな変化は起こらないでしょう。若者政府のくだりは、自由を重視するはずの若者世代が、組織を作って仲間を縛っている時点で、これが起こりうるとしたのは噴飯ものです。ただ、ケータイ社会やグーグルの台頭がそうであったように、変化はいつの間にか起こっているのでしょう。その結果としての、若者を中心とした経済圏の発生は、あり得る話だと考えています。