- カテゴリ:一般
- 発行年月:2011.6
- 出版社: 日本経済新聞出版社
- サイズ:20cm/483p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-532-35471-8
紙の本
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理 原著第10版
市場は、本当に効率的なのか? 最新の研究成果をもとに、分散投資の有効性を徹底検証する。住宅バブルの破綻と世界的な株価大暴落などに関する記述を盛り込んだ原著第10版の翻訳。...
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理 原著第10版
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商品説明
市場は、本当に効率的なのか? 最新の研究成果をもとに、分散投資の有効性を徹底検証する。住宅バブルの破綻と世界的な株価大暴落などに関する記述を盛り込んだ原著第10版の翻訳。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
バートン・マルキール
- 略歴
- 〈バートン・マルキール〉1932年生まれ。プリンストン大学経済学博士。同大学教授。多くの米大企業の社外取締役としても活躍。
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紙の本
名著です。株式投資とは一体なんだろう?と本書で振り返るのは正しい行為です。
2011/06/17 00:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rindajones - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んだのは今月発売の第10版ではなくて、前の第9版です。是非とも10版も読んでみたい。とにかくに、株式投資(株に限らず他の投資物件に当てはまります)に興味、そして実際投資活動をされている方は必読でしょう。
アクティブな株式投資をしたことがない「臆病な投資家」の私は、アクティブな株式投資をやってみようと試みたが、どうしても株というものを買えない(もしくは空売り)出来なかった。その理由は「どういう理由で俺はこの株を買いたい(売りたい)のだろうか」ということを説明できなかったからに他なりません。
そんな折、以前読んだ橘玲氏の「臆病者のための株入門」を読み返して、その参考文献にあった本書を手にしました。17世紀オランダのチューリップ・バブルも含めて、投資(「投機」との違いを論ずることには意味がありません)という人類の営みの背景や結末を、2000年のインターネット・バブルの崩壊まで見事に網羅しています。勿論、1990年の日本の株価と地価によるバブルも含まれています。著者の結論に否定的な方や、本書を読んでもなおアクティブに株式を購入する個人投資家の意見をお聞きしてみたいものです(純粋に彼らの考えを伺いたいだけ、そこに興味深い思想があるかもしれないから)。
株式投資(株式以外の様々な投資対象が含まれます)の戦略、すなわち売買のタイミングの見極め方には、テクニカルとファンダメンタルという二つがあります(両方の良いところ取りの戦略もあるでしょう)。「タイミングを見極める」とはすなわち、将来の株の価値を予測することです。基本的に著者はこの両方の戦略を否定しています、「将来は予測不可能」ということ。「不可能」は言い過ぎだとしても、「概ね不可能」ということです。この「概ね」こそが「リスク」ということかもしれません。
本書を読んだ私の理解で、テクニカルとファンダメンタルの説明をしてみます(理解の誤りは全て私の責任で、本書には何の責任もありません)。テクニカルとは、過去の株価をグラフなどのチャートを用いて、将来の株価を予測して売買を行うこと。極端には、その会社の業績が良かろうが悪かろうか関係なく、チャートが指示する予測に従って売買すること。所謂「デイトレーダー」と呼ばれる個人投資家の多くが使用する戦略。片やファンダメンタル戦略は、企業業績や新製品情報などその会社の膨大な情報を分析することにより売買を決定するもの。主に機関投資家(証券会社に勤務する職業トレーダーの方たち等)が採用する戦略。
という風にこれらは一見すると片や博打的(テクニカル)、片や堅実的(ファンダメンタル)に映りますが、どちらも大量の情報から未来を予測しよう(予測できる)と考えていることに違いはありません。ちょっと荒っぽく言うと「占い師」と似ています。
デイトレーダーの方は良いとして、顧客のお金を運用するディーラーが実は占い師と同じで良いのでしょうか。その手数料(占い料)が安ければ問題ありませんが、そういう訳にはなりません、手数料こそが彼らの収益源だからです。「損した際の手数料は頂きません」という良心的な投資信託は(恐らく)無いでしょう。
本書の結論をザックリと書くと
株式市場の平均収益率に連動するインデックス・ファンドを
買って持ち続けないさい(Buy & Hold)
というものです。市場の平均収益率を超える利益を、長年に渡り達成し続けるのはプロのディーラーでさえ困難。仮に平均を超える投資信託があったとしても、手数料分でマイナスになる場合も少なくありません。有名な実験の数々(目隠しをした猿が投げたダーツが選んだ銘柄がプロのディーラーより優れていた実験結果、など)が証明しています。
「じゃ、だれもがその方法で儲けられる訳ね」と結論づけられないところが、「フリーランチ(ただ飯)はあり得ない」ところです。
その理由を二つほど挙げてみます(細かくはもっとあると思います)。
一つ目。インデックス・ファンドを持ち続けている期間に市場平均が上昇する必要がある。ただしこれは、インデックス・ファンドによる運用期間をより長くすることでこのリスクを減らせる、と信じるしかないでしょう。そもそも、市場平均が上昇しない厳しい状況の中、優良な個別株を選択することの方が更に難しいことでしょう。
二つ目、これが重要かもしれません。いかなる事態においても運用を続けること。例えば、リーマンショックのような事態で大暴落している状況においても買い続けられるか、株価が何十倍もなっている時に「地味?」なインデックス買いを「ショボショボ?」淡々と続けられるかどうか。
二つ目は「行動ファイナンス理論」にその解を求めることができかもしれません。つまり心理学です。一見クールそうなプロのディーラーも所詮人間です、機械のように一貫した売買を続けられるはずはありません。表には出さないまでも株価に一喜一憂しているはずです。
この心理面のコントロールは非常に大切です。「1万円の損と1万円の儲け」を全く同じに受け止めて行動できることが、このゲームに勝利できる大切な要素になるようです。加えて、「時間」も非常に大切です。短期よりも長期が勝ります。絶対的ではありませんが、長期の方が断然有利です("Time is Money")。
本書は1973年から5年毎に改訂されて、この第9版に続く第10版が近日発売されます(原書は発売済み)。第9版には間に合わなかったリーマンショックについての記述に興味があります。
もう一度言いますが、本書は名著です。分かり易い表現は原書もそうでしょうが、翻訳もうまいです。単なる株式投資の歴史として本書を読む姿勢でも十分楽しめます。「株式投資って一体なんだろう?」という疑問に余すところ無く答えてくれます。
そして投資家の方にも有益なことも間違いありません。本書を読んでから「なんとかセミナー」に参加しても遅くないと思います。その頃には「なんやこのセミナーは?」となることでしょう(特に証券会社の主催のセミナーだとしたら尚更かもしれません)。参加する時間を、他のことに使った方が有益だと、私は思います。そういう姿勢こそが「時間を味方につける」ことかもしれません。
銀行員(だと思う)に訳が分からない外国株を買わされた隣の雑貨屋さんのオバさんの様な方こそ、インデックス・ファンドを購入をすべきなのでしょう。そんなオバさんらが(失礼ながら)本書を読むとは考えられませんが、そんなオバさんにこういった商品を勧めない(勧めれない)銀行や投資会社の姿勢には疑念が募ります。従って、本書の内容は証券会社にとっては極めて印象が悪い内容でしょう。
本書を読んだ後でもアクティブに株式を売買しても良いと思います。それが抗えない魅力的なゲームであることは本書でも述べられています。その時の気持ちの持ちようは、本書を読んでいるかそうでないかで、違うかもしれません。
紙の本
感想
2015/08/11 10:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ラファエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
株を始める前には敗者のゲームと合わせてまず読むべき本だと思います。個人的な感想としては、筆者の意見におおむね賛成ですが、大部分が米国市場をベースに書かれており、日本の市場へあてはめたDataがあればより面白かったかもしれません。
紙の本
インデックス投資
2016/04/05 08:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:撫子の丘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
具体的に米国ETFの存在と活用特徴を述べています。
インデックス投資の長期運用の有効性について確証しています。
ポートフォリオ配分はシンプルで参考になりました。
紙の本
投資初心者にお勧め
2015/11/08 22:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lulu - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、これから株式投資を始める方にお勧めしたい一冊です。長期投資を前提としたインデックス投資の利点がデータを用いて論理的に記されています。2011年出版なので最新のデータは入っていませんが内容は普遍的なものであると思いますので問題ないと思います。どうしても最新のデータが入っているものが読みたいという方は、本書は約五年に一回程度最新版を出しているようなので、もう少し待ってみてもよいかもしれません。