紙の本
精神科医一族の物語
2022/10/10 22:13
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
基一郎の死去後、病院を承継した徹吉。だが岳父ほどの人望を得られず、一家は徐々にバラバラになっていく。その隠しきれない暗さに、戦争に突き進む日本社会も重なるものの、まだまだ世情を他人事として捉える暢気さもあり、余計に不穏さが浮かび上がる。実家に顔向けできないものの、繋がりは求めてしまうが母の冷たい態度に支那行きを決断する桃子。夫・徹吉を嫌悪しつつも名声に浮かれる龍子。航空機マニアの俊一(茂太先生?)、なにより要領の悪い周二(著者?)らもいい味出してる。戦時下で一族はどうなっていくのか?次巻も早く読まねば。
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楡家の人びと
2022/12/31 20:47
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作のラストで基一郎が亡くなり、功罪合わせて遺産に振り回される人々。家の外に出て行った人もいれば、新たに生まれた人もいる。
物語の始めに中心になるかな、と思っていた人が成長して楡家から離れ、登場しなくなった一方で、新しく生まれた人が元からいた人と絡み合って話が展開していく。
紙の本
あいかわらず冴えない楡家の男たち
2019/08/12 22:37
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代は震災後から戦中へと移っていきますが、基一郎没後も楡家の男性陣は冴えません。基一郎という人の存在があまりにも大きかったからかもしれません
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企画コーナー「追悼- Steve Jobs・北杜夫」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/11/1-12/22まで】
湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1604136
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第2部は楡家の二代めに当たる人々やその子供たちが主役です。
初代の楡基一郎が強烈なキャラクターを発揮していたことからその後に続く人たちはどんな人でも苦労する宿命を負います。
それぞれが持って生まれたその気質のまんま、第二次世界大戦開始までの不穏な時代に沿うように、みんな穏やかざる人生を歩む様子が書かれています。
叙情的な部分とユーモラスな部分が織り交ざった、ドクトルマンボウと純文学を書き分けた北さんならではの小説です。
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戦争に進んでいく不穏な空気と楡家の崩壊(?)が絶妙にシンクロしている。
史実を背景に物語を語りたい(語りたがる)作家は是非見習ってほしい。
最後の第三部、期待しとります。
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引き続き2部。登場人物たちがいきいきと大変魅力的。できの悪い息子たちですら、現代の日本にいればそれなりに秀才だろうに。当時、上の学校に行くのはほんとうの秀才ばかりだったろうから。
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楡脳病科病院の創始者楡基一郎から院長職を継いだ婿の徹吉。関東大震災も、火災による病院の消失も、後から思えばまだ立ち直ることのできる出来事でした。やがて日本は戦争に突入します。
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大黒柱が去った後のバタバタを中心に。残された人たちも個性的だけど、物語中でも描かれているように、やっぱり先代と比べると皆が小粒に思えてしまうというか、そのせいで、展開そのものもやや小ぶりになってしまった感がありました。病院の勢いがやっと戻ってきたところで、今度は世界大戦に突入してしまう訳ですが、その絡みで、やっぱり家も没落してしまうんでしょうか。そのあたりが描かれるであろう下巻の結末に、期待は大きいです。
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シナ事変から太平洋戦争開戦と時代は楡家の人びとを押し流して行く。昭和初期の精神史を読むようだ。特に楡俊一の友人で空母瑞鶴に乗った軍医の語る開戦までの経緯は迫力がある。
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昭和元年〜第二次世界大戦までを記録。
終盤近くの、ある楡家の友人目線による真珠湾攻撃開戦時の空気感が生々しく、良かった。
仄かなユーモアと戦争突入前の日本の緊迫感がバランス良く、中弛みしなかった。
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登場人物が多いけれど、それぞれ特徴がしっかり際立っているので混乱せずに読める。昭和、開戦へ。一つ一つは日常の細かいエピソードだけど、少しずつ時代は移ろっていく。
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あれほど心を病むような慣わしに翻弄された人びとは、災害や病、そして戦争によって周囲のつながりが狂い出す。それは精神をむしばんでいくような毒ではなく、日常の生活や風景に溶け込んでいて知らぬ間に身体へと染み込んでいく。この緩やかな悲劇が怖くなる。
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これはとてつもなくいっちまっている作品ね。
ちなみに実話がどうも元になっているようで
ある本を書いている人は…なのです。
結局この家は欺瞞の塊だったのでしょう。
見せかけの栄華を見ている感じですね。
その裏側には目も当てられない負債があるというのに…
院代の望むとおりにならないところが
没落を示唆していて痛々しかったです。
どんなに良くしようとしていても独り歩きだからね…