紙の本
真実の「小沢一郎」を知ろう
2011/12/03 12:36
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投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る
「悪党」とは、副題にもあるとおり小沢一郎のことだ。しかし、「悪者」「犯罪者」の意味ではない。南北朝時代に南朝・後醍醐天皇の忠臣として北朝・足利尊氏に反旗を翻した、楠木正成を中心とする野武士集団のことである。時の政府、官僚組織に戦いを挑む小沢一郎を楠木正成に見立てたのである。そもそもは、佐藤優が言いだしっぺだ。佐藤優に私淑し、自らも「悪党」になることを心に誓った元私設秘書の石川知裕が、側に仕えて文字どおり同じ釜の飯を食った素顔の小沢一郎を語る。
本書執筆の動機について。
〔私がまだ民主党に属していたら、この告白譚は焚書坑儒のような扱いをされただろう。それでも、私は筆を執った。権力批判を超えた「集団リンチ」さながらの、子どもに見せられないドラマを平気で垂れ流す言論状況に一石を投じなければいけないからである。
それで「悪党」と呼ばれようと、私はもう構わない。〕(p17)
つまり、小沢一郎に対する世間の誤解、マスコミによって造られた「虚像」を覆すのが狙いである。日本には、まだ「小沢一郎」が必要だから、その真実の姿をみんなに知ってもらいたい、ということだ。
しかし、単に政治的な主張を述べているのではない。むしろ、主義主張よりもエピソードを中心に書かれているので、とても読みやすい。石川知裕の自伝的な要素もあり、政治家の仕事についても知ることができ、その面でも読む価値がある。
それにしても、〔日本のリーダーにふさわしいのは、官僚を動かせないがカネに清い菅直人か、カネに汚いが官僚を動かせる小沢一郎か〕(p217)と書いているが、小沢擁護の本書(本人は、「小沢擁護」でも「小沢排除」でもないと述べるのだが)で、そこまで言ってしまっていいの?
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陸山会事件で逮捕された元小沢一郎秘書で衆議院議員の石川知裕の小沢一郎秘書時代の回想録&小沢一郎論。同じ国策捜査で逮捕された佐藤優がサポートして書いたらしい。深沢の小沢邸の話っていろんなところで書かれているけど、実際に住み込みをしていた人が書いたのは初めてなんではなかろうか。改めて、小沢一郎のような政治家をつぶすこの国の仕組みを憂ふ。
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この本を読んだからといって、小沢一郎のことはあまりわからない。わかるのは、小沢一郎のちょっとした普段の顔と秘書の仕事。題名からくる期待は裏切られる。
あと、読んでると著者の人となりが垣間見える。著者は国会議員である。
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もう少しおもしろかろうと期待したけど、それほどじゃなかった。
時間が飛び飛びに書かれているので、まとまりに欠けた。
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とにかくおもしろい。あと、つくづく「小沢一郎」を知らないのに論評している人が多いことを知る。著者は小沢の書生をやってただけにリアリティがあった。
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今の時期だからこそ、是非とも読むべき本。
第2部第3章「悪党とウェーバー」だけでも絶対に読むべき。
「集合的無意識」についての言及は、どんな組織においても自戒として必要です。
むろん、悪党とは「悪い奴」という意味ではなく、楠正成らが「悪党」と呼ばれていたことに由来しています。佐藤優さんの影響大です。
また、青年・石川知裕の成長物語としても読めます。
近々、ちゃんとブログにまとめたいと思います。
ちなみに僕は、石川議員は無罪であると確信しています。
(判決の結果がどうあれ)
「陸山会事件」は完全な検察のでっち上げととマスコミの無知からくる作られた事件です。
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昔懐かしい秘書の世界。こういうノリの世界は、政治の風景の中からも無くなりつつあるのでは。ミニ小沢的な政治家は、昔は、いくらでもいたが。これからは、時代が許容しないだろうな。
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小沢流の選挙術に触れることができ、楽しめた。小沢流が良いか悪いかは別として、国会議員が何をしているのかをざっと理解できる本。読みやすい本ではあった。
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「君も裁判で金がいるだろうし、この時期、変なところから調達したんではまずいから、俺の名前をだして本でも書けば、少しは売れるだろう。そうやって自分で稼いだ金を費用に当てるといい」てなところが、思い浮かぶような出来でした。
まあお互い追い詰められている中での(だから読むべき内容はあまりないです)、男らしい応援の仕方といえば、言えなくもないですが。
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暴露本というわけでもなく、政治論?を唱えているわけでもない。
でも、今まで知らなかった現在の書生生活が丁寧に書かれていた。
息子に、こんな大学生活を送り、こんな生き方をしてる人がいるんだ。とりあえず、読んでみな。と勧めてみた。
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石川さんによる小沢一郎に使えたエピソードと人物評。
感想とポイント箇条書き。
・ものぐさで、義理堅い。???
・選挙にうるさく、つねに情報を頭と鞄にいれている
・小沢一郎にひかれていた政治家も、そのうちマスコミがバッシングして自分が選挙に勝てなくなるから手のひらかえして去っていく
・写真は本人に無断で使用した
・なんでマスコミはバッシングするんでしょう?原点はわからず。
・ぞうきんがけ(下働き)をしてないから足腰の弱い政治家ができた。
他の政治家の人物評もあったりして、おもしろいです。
おすすめ。
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知りたい小沢氏の事は何も書かれていなかった。
裁判費用は自分で稼ぎなさいというのが本当の所。
書生生活をしない今の政治家は駄目ということを言いたいだけの内容。
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あんまり政治本は読まないが知り合いがでてくる縁で読了。文体はスムーズでなく、話も右へ左へ飛ぶがそれがまた本人の息を伝えてくるような気がする。学んだことはやっぱりコミュニケーションにものぐさはいかんということと、ぶれてはいけないということか。
読んだら主義主張は違っても、なんとなく小沢一郎を応援したくなってしまう。石川知祐にしてもやはり政治家というのは人の心をぐっとつかむのがうまい人の仕事だと実感した一冊。
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『小沢一郎とは何者か?』『日本の政治に小沢一郎は必要なのか?』一人ひとりが答えを出さなければならないこの疑問に関するヒントをを秘書として小沢一郎を身近に見てきた人間が解き明かしてくれる一冊でした。
『小沢一郎とは何者なのか?』
この問いに対する答えは皆さん一人ひとりがおそらくお持ちでいらっしゃるのですがこの本は小沢一郎の秘書として長年彼に仕えてきた筆者にかけない生身の小沢一郎の姿が描かれていてタイトルの『悪党』というのは南北朝時代の楠正成たちをさす言葉だそうです。
本書の構成は目次より
目次
第1部 「悪党」登場
第1章 逮捕まで、そして逮捕から
第2章 悪党の思想と外交戦略
第3章 悪党に仕えるということ
第4章 悪党の急所
第5章 悪党と選挙、大連立
第2部 「悪党」解剖
第1章 悪党とキン肉マン
第2章 悪党とマルクス
第3章 悪党とウェーバー
第4章 悪党とチャーチル
第5章 悪党とサンデル
第3部 対決
小沢一郎が語った「原発」「遷都」「復権」
となっていて、
筆者の個人史と小沢一郎に対する見方がちょうど交互になるような構成になっており、筆者が秘書として小沢一郎の下に入り、自らを『レレレのおじさん』と称するまでに朝は4時から起床して小沢低を端から端までほうきをかけていたり、小沢一郎の『かばん持ち』として彼が行くことろに同行したり、後に彼が秘書たちの中でも格が上がってきて選挙活動を指揮したりする場面はかつて(あまり詳しくはいえませんが)自身も『徒弟生活』の真似事をしていた時期のことを思い出してしまいました。
特に、先輩の秘書から仕事が終わった後に酒の席に誘われ、つい夜中の2時3時になるまで深酒をして翌朝は当然寝坊をして小沢一郎本人にたたき起こされる場面は本当によく笑わせていただきました。後半部は筆者の『小沢一郎論』で彼を『キン肉マン』になぞらえてみていたり、小沢一郎がイギリスの名宰相・チャーチルを大いに尊敬していることを始め、故事歴史に一家言をもっている存在であるということをこの本を読んではじめて知りました。
巻末のほうで筆者と小沢一郎の『恩讐を越えた』対談が収録されているのですが、ここを読みながら行間から緊張感がにじみ出てくるような緊迫したやり取りをしていたことが非常に印象に残っております。2012年は筆者にとっても小沢一郎にとっても検察との『裁判闘争』の最終局面を迎えるそうで、個人的にはこの裁判を『国家の主人は誰なのか?』 『小沢vs特捜検察最終戦争』もしくは『田中角栄型の政治にどう決着がつくか』などのさまざまなことを思いながら行方を見守っておりますので、そのような意味でもこの本が上梓されたことは重要な意味を持つのではないかと思っております。
佐藤優氏が帯で『この本は危ない。誰も書けなかった小沢一郎がいる』と書いてあるのがわかるような気がいたしました。
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「これまでになかった小沢一郎論」であることは間違いない。秘書という至近距離から見た、等身大の小沢一郎の姿がよく描かれていると思う。けっして露骨に小沢一郎を賛美しているわけではないが、筆者がすごく小沢一郎が好きなんだな、というのがよく伝わってくる。かなり小沢一郎を擁護した筆致になっているのは否定できない。それだけに、ここに書かれている小沢一郎論を鵜呑みにしてしまうのは危険だと感じた。内容では、「庭掃除もできない人間には日本の大掃除もできない」という小沢一郎の言葉が印象に残った。