秘境ブータン (岩波現代文庫 社会)
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紙の本
神秘の国
2012/01/25 18:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たま3 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブータンと聞いて最初に思うのは、似ている服装。
しかも、その名前がキラとゴというのだから、笑ってします。ゴという服 = つまり呉服?
私は、ひそかにブータン人と日本人は大昔に同じ民族だった?と想像しているんですけど。ところどころに挿入された白黒の写真じゃちょっと不満だ。
でも、この写真がなんだか妄想をかき立てるのだ。どんな色なの?きっとこの空は真っ青に晴れているに違いない!とか・・・。
いいな、いつか行ってみたい!この本に書かれているのは1958年のブータンだ。是非一度、今のブータンを見てみたい!
紙の本
幸福の国の知られていなかった時代。
2017/12/27 18:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の友人にブータンに魅せられた人がいます。
何年か住んだときの話を聞いていたので、親近感から
この本を手に取りました。
誰もブータンを知らなかった昭和33年の探訪記です。
昭和57年の再訪時の様子も、あとがき的に数ページで
触れられていますが、新しいブータン事情というよりも
近代化が始まった程度でとどまっています。
現在、首都のティンプーでは、車も走っているしIT化が進んで
スマホで情報を得る人も多いようです。
お隣のインドや周辺の国々でも同じくですが、インフラ整備は
ITが先行しやすいみたいですね。
だからといってブータン人の気質やお国柄が急に変わるわけでも
ありません。友人から聞いていた話と通じるところがあり、
そうだよねと一人合点しながら読んでいました。
ブータンといえば近代化が進みつつあるのに、あえて発展を
ゆるめて幸福度を高める国という印象がありませんか。
旅番組でも、素朴な場面を積極的に放送していますし。
この探訪記のときで人工65万人。
面積は九州よりちょっと大きいくらいです。
チベットとの国境には七千m級のヒマラヤ連峰がかかっています。
ヤクという牛の一種を飼う家が多いです。牛乳を集め、チーズを作り、
荷物を載せ、人が乗ったりもします。
ミタン牛という小型の半野生種や、馬系のラバなども飼います。
山岳系遊牧民であり、段々畑も持つ農耕民族の面も持っています。
定住という感覚が薄いのも特徴の一つです。
二・三か所の住処を持ち、夏には畑を耕し、寒くなると
移動するという生活です。家は女性が守り、男たちは通い夫という
立ち位置も、遊牧民的な影響があるのかもしれません。
王様だって、城の庭先で平気でテントで寝泊まりします。
実際、王様一族との距離が近いようなのです。
ラマ教の教えは分からないのですが、ブータンでは僧侶を大事にし、
律儀で従順な人たちというのが標準的なブータン人のようです。
あえてボロをまとうのも文化です。
それでいて家の中には蓄えが一年分あるなど、実利的な
人たちでもあります。
ブータンの存在が、何が幸福かを問いかけるきっかけをくれたことは
記憶に新しいです。ブータン人の価値観が見えてくる貴重な一冊です。
それにしても著者はとてもお話好きな感じがします。
電気も電話もない時代です。
よくこれだけの情報を拾ってきたなと感心しました。