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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの話も手放しでのハッピーエンドではなかったけれど
やれやれと一息つけたのが救いでした
毎日まじめに生きているつもりでも
あの時あーすれば良かった こーすれば良かったと
後悔する心情に共感できて切なく感じました
紙の本
つうさんがいちばん
2016/03/21 20:31
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんといっても『つうさんの家』が一番。老婆おつうとある娘が心を通わせて行くお話。つうさんの心情がたまらない。余韻がありすぎて、思い出せばいつでも泣けてしまうほどの切ない話。切ないけれど、つうさんの小さな望みが叶ったと思えばこの悲しみも乗り越えられるかな。まだ口も上手にまわらないおとちゃんが可愛すぎるでしょ、『あんがと』。『野紺菊』、母も年老いた義母が子供に戻って行く中で、一緒に寝ていた。赤ちゃんのようでかわいいと言っていた。何を想い、老婆は野紺菊を摘んできたのか。表題『彼岸花』は惨く辛い。おたかに合掌。
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江戸時代を舞台にした、短編物語集。
つうさんの家と、野紺菊という話が良かった。
つうさんの家は、父親が事業に失敗し、見知らぬつうさんに預けられた、おたえの話。
ワガママが少女が成長するという点では、千と千尋の物語に似てるかな。ラストは、感動するお話。
野紺菊は、ぼけた姑を、義姉おさわと世話をするおりよのお話。おりよの養子である、幸吉のキャラが最高!彼が物語を読んで、一家が笑って一つになるというエピソードは、本当に心が温まる。
この作者のわ他の本物読んでみたいな。
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江戸の世の人々の日常と、暮らしの中の悲喜こもごもを描いた短編集。宇江佐センセの得意とするところ(たぶん)であります。これまでの江戸の町人たちにとどまらず、農村やら尼寺やら、舞台がずんずん広がっています。
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読んでいると物語に出てくる人物を自分の身近な誰かに置き換えていることある。物語の中の人たちは、時代は違っても、同じような気持ちで毎日を送っているのだろうな。
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宇江佐真理先生の新作です
最近は介護とか実体験されているのではないでしょうか
作品に陰を感じるのです
でも、家族の赤裸々な姿を描くのは流石です
やっぱ・・・最後は家族だな
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「縁は異なもの味なもの」という諺がある。男女の縁は不思議にうまくできているという意味だが、男女間に限らず、縁というのは神様が与えてくれる無限大の可能性だ。
「つうさんの家」、「おいらのツケ」、「あんがと」はまさにそのことを感じる作品である。
宇江佐さんの人柄が垣間見える、江戸に生きる人々のぬくもりを味わう短篇集。
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女性が主人公の江戸市井人情ものをこんだけ読める短編小説に書ける作家は稀有だと思う。乏しい俺の読書経験では宇江佐真理がダントツではないかと思うのだが。
現代であってもどこにでもいそうな女性が、恋や仕事や家族に悩み、それでも日々の生活を淡々と確実に送っていく。登場人物当人にとっては揺れ動く生活なんだろうけど、読み手からは観るとなんとなく優しく柔らかく思えてしまう日常描写。
この人たちが食っている、飯と汁と青菜と魚を食ってみたい。ここに出てくる居酒屋の隅っこの方で燗酒なんぞを舐めてみたい…。宇江佐さんの小説を読むといつも思う事だけど、この本では余計にそう感じてしまった
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江戸人情物六つの短編集。《つうさんの家》父留吉が営む「美濃屋」の不振で店をたたみ、一家は大坂の叔父の家へ身を寄せることになった、娘のおたえだけが途中の山奥にあるつうさんという老女に預けられることになるが…おたえは不満で我儘に振舞うが…。《おいらのツケ》父親の病気がうつるのを避けるため三吉は、幼い頃から隣家の夫婦に面倒を見てもらっていた。大工見習いになった今も隣に住む実母よりも、養家の夫婦のほうが実の親のようなものだったが…養父が亡くなり上方で修行している養家の息子が嫁を連れて戻ると居場所が…。
《あんがと》血は繋がっていなくとも、家族以上に助け合って生きる4人の尼僧、その尼僧院の境内に置き去りにされた幼い女の子おと。尼僧たちは困惑しながらも幼子を慈しみ育てるそれがやがて尼僧たちの日常のはりとなるが、やがて伯母夫婦がひきとりにやってくる…。《彼岸花》庄屋の総領娘として生まれたおえいは家のため恋もあきらめ婿を取り、跡取りとして慌しい日々を送っているが、今だに家内で権勢を振るう気の強い実母と、武家に嫁いだことを鼻にかけながら実家に度々無心にくる妹に頭をいためている、ある日母親の不在を理由に妹の頼みを断る。やがて嫁ぎ先から届いた知らせは…実は妹は…。ほか、《野紺菊》《振り向かないで》
なぜか、表題作《彼岸花》より《あんがと》が心に残る。核家族となった現在では考えられないような、家・家族の力が強かった時代、血の繋がりの有る無しにかかわらず、共に暮らした年月の人と人との繋がりをほろりとさせ考えさせられる作品。宇江佐さんの筆力が冴える。良い作品を譲って頂いたかおりさんに感謝。
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今も昔も人の想いというのは変わらないのだと温かい気持ちになる.そして無意識に自分に欠けている部分や忘れている部分を探しているように思う.きっと自らが幸福であることを認識するのは,それが失われた時なのだろう.それを気付かせてくれる素敵な一冊でした.
以下あらすじ(巻末より)
江戸の小梅村で庄屋を務める家に生まれたおえいは気の強い母親と一家を切り盛りしていた。武家に嫁いだ妹は時折物やお金を無心に実家を訪れる。そんなちゃっかりした妹が許せないおえいは、ある日母親の不在を理由に妹の頼みを断る。やがて妹の婚家から届いた知らせは―。嫁ぎ先でいじめ抜かれた妹に手を差しのべられなかった姉の後悔を描く表題作など傑作全六編。
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喜びと悲しみは繰り返す。唇かみしめて、
涙こらえる日もあるさ…。ささやかな幸福を
求めて生きる江戸の庶民を描いた短編集。
嫁ぎ先でいじめ抜かれた妹に、手を
差しのべられなかった姉の後悔を描く表題作
ほか全6編収録。
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祖母の家に宇江佐真理さんの本が大量にあり、そのうちの一冊として読んでみた。
江戸時代のお話短編が6編が集録されていた。
どのお話も個人単位程度の転機が訪れる。そして酸いも甘いも経験し、全てが良好というわけではないけど幸せを感じて生きていく。
取り分け特別な人生ではない、けど平凡な人生をありがたく生きていく感じが心地よい。
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宇江佐真理「彼岸花」、2008.11刊行、2011.8文庫、独立短編6話。堪能しました。味わい深く、そして考えさせられ、ふむふむと納得の6話です。特に「つうさんの家」と「野紺菊」は白眉でした。山の中での武家の娘、薙刀の名手だった老婆のつうさんと(孫の)おたえ15歳が一緒に過ごしたわずかな日々。金で買えないものはこの世に山ほどある。健康、幸せ・・・。ボケが始まったおすまを介護するおりよと義姉のおさわ、秋から冬に咲く青紫色の野紺菊の美しさが。「おいらのツケ」と「あんがと」もなかなかでした。
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ひさしぶりに宇江佐作品を堪能した。信頼している友の夫と深い中になってしまうなんていう話「振り向かないで」は、現代のドラマだったらうんざり、と思うようなものだが、宇江佐さんの筆にかかると、どうしようもない人間の哀しみとなって描かれていて、しみじみ。表題作「彼岸花」も哀しかった。他人と所帯をもってしまうと、もう生きる道は全く異にしてしまうのだから、親兄弟でもその生き方に口出しはできないのだろうかと、歯がゆい思いをしてしまう。結局人間は孤独だなぁとため息が出るが、決して読後感は悪くないのだ