電子書籍
経基から義朝まで
2022/10/24 18:49
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
頼朝を産んだ河内源氏の前史について経基から義朝まで語られている。関東での基盤をのちに鎌倉幕府を開くことから遡及した記述ではなくその限界点も含めて記述されており勉強になった。
紙の本
河内源氏
2023/04/29 18:17
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鎌倉時代など、源氏が権力を握ってから書かれた歴史書や、戦後の発達史観で描かれたものとはまったく別物の、資料などをもとに描かれた河内源氏の歴史。武家の棟梁といったものに対する幻想が自分の中で崩れた気がするが、そうした幻想がどのように作られていったのかも調べて見たいと思った。
紙の本
源氏といえば「頼朝」「義経」そして源平合戦が知られているところ。
2012/06/17 21:50
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投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
源氏といえば「頼朝」「義経」そして源平合戦が知られているところ。
本書は、清和源氏の本流ともいえる河内源氏7代、頼信、頼義、義家、義親、為義、義朝、頼朝と続く歴史を記述しています。
天皇家はもちろん、上皇などの院、摂関家、ライバルである平家など、複雑に絡み合った権力闘争の中で、一族がどのように武家の棟梁となったか。そして、時に衰退し、時に興隆する様は、歴史そのもの。
系譜だけしか見ていなかった源氏の歴史が、その時の棟梁の具体的な行動を通してよりリアルに理解できます。
私が読んでいて最も感じたのは、彼らが政治家としての緻密な戦略があるということ。
武士といっても、平安期は貴族としての性格もあわせもっているため、血筋が重要になります。婚姻関係を長期的な視点から戦略的に考え、実行していく様は現代の政治家よりもょっぽど緻密です。
歴史をみると長期的な視点で物事を考え進めることで、頼朝という頂点に立てる人材を出すことができたと言えるのかもしれません。
龍.
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
武家の中でも名門の歴史を解説。頼朝の家系がどのように時代を乗り越えてきたかがわかる。同族同士の争いが激しいのにも原因がある。
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源頼朝の祖先の系統である河内源氏の歴代と流れ。経基(承平・天慶の乱)、満仲(安和の変)、頼信(摂関家への奉仕、平忠常の乱)、頼義(東国進出、前九年合戦)、義家(前九年、後三年合戦、兄弟の対立)、義親(反乱)、為義(摂関家との関係、河内源氏の躍進、保元の乱)、義朝(東国での躍進、保元の乱、平治の乱)。頼朝についてはむすびでかるく触れられる。
軍事貴族である彼らは中央で摂関家や院と関わり、受領などで地方にも影響力を延ばした。貴族と武士は対立する関係ではなく境目もあいまいであった。また、義家などは大きな軍事力を持っておらず、配下のメインは河内周辺の武士であった。彼は英雄ではなく合戦を泥沼にし、人生には光と影があった。河内源氏は代々兄弟や親せきで争った。
江戸時代の武士像を描いて鎌倉幕府成立ありきで河内源氏を見るのは危険であると思われる。
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日経新聞の書評でかなり高評価だったので読んでみた。が、平安末期の武士の話はまったくの専門外ということもあり、かなりしんどかったのが正直なところ。登場人物たちの名前やそのイメージがないので、保元・平治の乱あたりまで話が進んでこないとついていけない。武士とは「軍事貴族」であるとか、なじみのない考え方(学界では常識?)も多く出てきてとまどうことも。判断に迷う。
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あらためて関連書籍を紐解きたくなりました。
歴史は楽しい。
興味を引く事で溢れていることを感じます。
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新聞の書評を見て本屋へ行ったが在庫がなく〇マゾンで注文しても”お取り寄せ”状態・・・。
本日届きましたが再版かかってたんですな^^;
期待して読みます♪
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1 河内源氏の成立
2 東国と奥羽の兵乱
3 八幡太郎の光と影
4 河内現時の没落
5 父子相克-保元の乱の悲劇
6 河内源氏の壊滅-平治の乱の敗北
むすび 頼朝の挙兵
痛快な通史である。
10世紀なかばの承平・天慶の乱からはじまり、治承・寿永の争乱の幕開けとなる頼朝挙兵に終わる河内源氏の栄枯盛衰の物語が本書である。
中世の武士ほど、中等教育までの教科書と歴史学研究の乖離がはなはだしいものは少ないのではないか。武士とは貴族である、と本書は至るところで主張する。それすらも乖離のごく一例である。詳細はぜひ手にとって読んでいただきたい。
本書を読めば、評者をはじめとする素人が、いかに通説的理解に染まっているのかがよく分かる。
本書でもたびたび引用される『愚管抄』に、保元の乱以降は「武者ノ世」だという有名な一説がある。恥ずかしながら『愚管抄』も『吾妻鏡』も読んだことがない。しかし、高校の日本史の授業や大河ドラマなどを通じて、鎌倉時代になってから記された古典を源流にした「源平観」や「誇張された武士像」に多かれ少なかれ影響を受けている。
そのすり込まれた武士像を、厳密な史料批判によって再構築・再解釈していくのが本書の最大の魅力である。
とにかく饒舌に時代背景を説き、人脈の広がりを示し、舌鋒鋭く通説(とくに東大の先生の)を斬って捨てる。とにかく早口でまくし立て、ノートが追いつかないほどのスピードで黒板に書きまくる元木先生の講義そのものである。
一読すれば、普段この時代に興味関心の無い評者のような人間に対しても、好奇心をかき立て、歴史書を手にとってみようと気にさせるという点で、歴史学の新書として期待される最大の役割を果たしていると言えるだろう。
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頼朝を生んだ河内源氏の人たちのことが漠然とした知識しかなかったが、よく理解できた。
頼朝が偉大だったために、その祖先たちも多分に美化されて伝えられたのだと思う。
頼朝の祖父である為善が意外に問題児だったのも初めて知った。
頼朝が義朝の嫡男だったのも初めて知った。
また、歴史を見る目が変わる。
登場人物が複雑すぎて、分かりにくい点もあったが、為になった。
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源氏の本と言うと、義朝もしくは頼朝以降で考えてしまいがちですが、この本は頼朝に至るまでの河内源氏について書かれたものです。
平治の乱における、清盛と義朝の関係は、対等と見られがちだけれども、位階からしても対等であるはずがなく、清盛対義朝ではなく、清盛対信頼であるということはもっと広く知られるべきことのように思いました。慈円の認識で理解していることを思い知りました。
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源氏のみならず、武士の発生から鎌倉幕府成立直前までの武家の変遷を、まったく新しい視点から洗い直した一冊。大河「平清盛」放映前にこれを読めたことは幸運と言うほかなし。「源氏の血は荒っぽい」などと情緒的な見方は一切排除した推論方法はほかの時代にも応用出来そう。
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平安後期の河内源氏の実態を描く。「武家の棟梁論」を中心とする発展段階的な河内源氏理解を一蹴し、軍事貴族として王権・摂関家とも深い関係を持ちつつ、自力救済という側面もあわせ持ち、盛衰を繰り返すという等身大の河内源氏像を提示している。保元・平治の乱当時、源氏と平氏はまったく対等な立場ではなかったという指摘は新鮮だった。対立説への痛烈な批判が随所に織り込まれているのも、ある意味興味深かった。河内源氏を通して、平安後期政治史の良い復習になる一冊だった。
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河内源氏は源頼朝を輩出した清和源氏の一門。その歴史を経基王の時代から延々と解説している。
三点ほど要旨というか参考になるものを抜くと
・王朝を警護するのが軍事貴族としての勤め
・戦役の成否は在地武士の動員に依存。
・貴族から武士へという『必然の前提』にとらわれすぎて前提を見誤っていた
この在地武士の動員が必要、というものが以前九州の南北朝時代についての本を見たときに何故戦争が長期化したか、について考えた時にでてきた疑問をふと氷解させた。
(日本史全般だが)平安時代は意外と自分のなかで盲点だったためテストが終れば少し調べてみる。
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現在の大河ドラマも同時代を背景としており、なんとなく読んでみた。
ドラマ同様、登場人物が複雑で取っつきにくいのだが、読み進めるうちに徐々になれてきて、面白くなってきた。
歴史書だけを参照しては浮かびあがってこない人物の生きざまが描かれているところに、引き込まれていくのではなかろうか。
武家も貴族の一派であるという理解だけで、清和源氏、桓武平氏の意味するところや、豊臣秀吉が将軍ではなく関白に就いた経緯が推量でき、歴史への興味も湧いてきた。
読み終わった後、不人気といわれる大河ドラマが面白くなったことも付け加えておきたい。