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紙の本
側室顚末 (幻冬舎時代小説文庫 妾屋昼兵衛女帳面)
著者 上田 秀人 (著)
世継ぎなきはお家断絶。苛烈な幕法に苦しむ大名旗本は、秘かに妾屋を訪れた。そんな稼業を営む山城屋昼兵衛の元に、ある日、仙台藩主の側室の求めが。だが、それを機に将軍継嗣にも絡...
側室顚末 (幻冬舎時代小説文庫 妾屋昼兵衛女帳面)
妾屋昼兵衛女帳面 側室顛末
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商品説明
世継ぎなきはお家断絶。苛烈な幕法に苦しむ大名旗本は、秘かに妾屋を訪れた。そんな稼業を営む山城屋昼兵衛の元に、ある日、仙台藩主の側室の求めが。だが、それを機に将軍継嗣にも絡む大規模なお家騒動が勃発。巻き込まれた昼兵衛は、側室を守る大月新左衛門と共に、大藩との熾烈な暗闘を繰り広げる—。人気沸騰の著者が放つ新シリーズ第一弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
藩と幕府の駆け引き、藩内部の御家騒動など読み所は豊富な時代小説シリーズ
2011/10/30 21:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上田秀人の新しい時代小説シリーズの初刊である。徳川十一代将軍徳川家斉の時代である。今回は仙台伊達藩で生じた一種の御家騒動の一端を描いたものである。主役は妾を斡旋する妾屋・山城屋昼兵衛である。当然ながら刀の使い手が登場する。仙台藩で剣術指南役に惜しくも敗れた藩士である。大月新左衛門というのがこの人物である。
本編では、このところのシリーズでつねにテーマになっていた将軍位継承にまつわる陰謀、もめ事、暗闘などとは異なり、仙台藩内部の御家騒動である。そうはいっても、幕府と仙台藩と、舞台は替わるが中身は今度は藩主の後継争いになる。これを争う闘いという点には違いがない。
後継者、つまり子供がない場合はお家断絶である。藩全体が消えてなくなるので一大事である。ストーリーがそうでなければ妾屋・山城屋昼兵衛の出番はない。シリーズ化されているので、本編以降もおそらく様々な藩での後継争いに駆り出されることであろう。
本編での主人公は当然、山城屋昼兵衛であるが、主役級の脇役として剣の腕が確かな大月新左衛門が登場する。いつものことのように剣の師匠付きである。仙台藩が依頼した側室の護衛という役回りである。
昼兵衛が側室候補の元武家娘を面接して採用を決める。単に面接して話をするだけでなく、必要な手続きを行う辺りはなかなかリアルである。こまかいことではあるし、ことの真偽までは分からないのだが、さもありなんというやりとりがなかなかリアルという訳である。
いつもは幕府の要職にある旗本が主人公になることが多いが、今回はいわば民間の一業者に焦点を当てている。従来ではあまり出てこなかったが、今回は藩財政がいかに逼迫しているかが前面に出てくる。これもリアルであるが、いかにも窮迫している藩の困惑ぶりがよく描かれていると思う。読者に飽きさせない工夫が随所に散りばめられている。
紙の本
市井ものとはまた別の楽しみ
2022/11/13 19:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代モノの作品は、下町の風物や捕物帳などのいわゆる市井ものが面白いうと思ってきたが、この作品のような武家物もなかなかに面白い。登場人物も市井ものと異なって完全に自由自在とはないかないが、その制約の中でどれだけイキイキとした話を作上げることができるかが、作者の力量であろう。その点でこの作品は成功していると思う。江戸時代後期の武家の困窮と商人の活躍もちゃんと描き出されている。