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対談本なのにあまり話がぶれることもなく、アーティストを網羅しており、非常に密度が濃い。そして、「ヒップホップは音楽ではなくゲームである」というテーゼのもとに一通り歴史が頭に入ったところで、人物・作品中心のロックと対比しつつヒップホップの「場」について考察する第6部以降の切れ味が素晴らしい。しかしこれはヒップホップの本質というよりは、著者二人もたびたび言っているように認識の仕方の問題が大きいように思う。むしろ、これを機にいろいろな音楽のとらえ方が変わりそう。
一方「音楽ではない」と言いつつ、サウンドに関しても大事なことをたくさん指摘されているので、その部分については別の機会にきちんと整理し直すことができれば、さらに得るものがありそう。
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こういうのが電子書籍になって、該当の音楽が聴けると良いなあと思いますね。
収集欲をそそる本でした。あと日本もサポートしてくれる続編希望。
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いや〜面白い。菊地成孔氏のアフロ論などの音楽論にも繋がる話がありつつ、しかしかなり分かりやすい本になってる。オールドスクールからニュースクールを経て、どのように今のようなラップの姿になったのか…、自分にとってはスッポリ空いた空白の部分を埋めてくれた、意外にもかなり衝撃的著作!
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ヒップホップの歴史はジャズの歴史に似てる。90年代の黄金時代がリアルタイムだったのに…。サイプレス・ヒルがヒットしたり、2PACの映画「グリッドロック」はリアルタイムで観たり。こうして俯瞰してみると面白い。続巻も買う。
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中学生の頃に背伸びして聴き始めたヒップホップ。トラックやライムが心地良いと思えるようになるもイマイチはまり切れていなかった。
そんな中、最近本書を目にしたので「これはっ!」と思い購入した次第である。
この本はヒップホップの誕生から現代までの歴史を著者の2人が対談形式でお届けするという形式で、著者の一人である大和田俊之さんは慶應大学で教壇にたち、私も授業を取ったことのある先生だ。
本書に登場する大和田先生のゼミ生(生粋の帰国子女)によれば、ヒップホップとはコンペティションなのだという。レペゼン◯◯(◯◯出身)と言うように、地元主義が強く派閥間での対立も多く、よく歌詞の中で他人へのDIS(攻撃)が含まれている。この人物関係+音楽がヒップホップという「場」なのだという。そしてヒップホップに限らず様々なコンテンツが、コンテンツそのものだけでなくその背景にある情報も含めて消費されるという意味で世界はヒップホップ化していくと論じている。
本書はヒップホップを理解するためのバックグラウンドを理解するのに有効だが、全くの初学者である私にはレベルが高いと感じた。なのでヒップホップの知識がほとんどない人は細かい人名などは気にせず、ザクザク読んで、自分も知ってる部分のとこだけCD聞きながら理解を深めれば良いと思う。
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ヒップホップカルチャーを学ぶことができる良作 。
ヒップホップの楽しみ方がわかります。興味がない人も面白いんじゃないでしょうか。んー気になるアーティストが多数紹介されていたので、今度音源をチャックしたいです。そんな感じで、この本には新たな発掘がありますよ!!おすすめです。
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2012 3/27読了。つくば市立図書館で借りた。
ネットで話題になっていたのを見て面白そうだったので手にとってみた本。
『アメリカ音楽史』の著者で慶大准教授の大和田さんと、ライターの長谷川さんの対談形式で、ヒップホップの成り立ちから現在までのシーンの変遷、慣れてない人はどう考えて聞くと良いかと話が進んでいく。
ヒップホップってなんとなくなイメージはあったけれど、この本を読んでみて実は全然知らなかったことが良くわかった。
途中、明らかに音源かけながら対話しているところが多数出てきて、そこは是非どんな音を鳴らしながら話をしていたのかが知りたくなった。そういう意味では本でもいいけどラジオ/テレビになってるとまた楽しめたのかも知れないとかなんとか。まあそうなってたら自分手出してないだろうけど、って思うと複雑だが。
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長谷川町蔵とポピュラー音楽研究者の大和田俊之がヒップホップの歴史と魅力について語る。
とりあえず、黎明期からヒップホップに付き合ってきた日本のロックファンが、ネイティブ・タンの衰退以降は離れていったという指摘に唸りました。あぁ、僕だけじゃなかったんだ。
ヒップホップを「音楽」ではなく「ゲーム」として捉え、「場」への志向という視点から分析する語り口に対して、大いに納得してしまいました。
というか、ヒップホップを聴きたくなってきたよ。
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ヒップホップを全く知らない自分ですが、結構楽しめた。用語、出てくるラッパーなど99%知らない(唯一わかったのがエミネム)が、それでも楽しめた。
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ヒップホップの誕生から現在に至るまでの話が延々と書いてあって、正直興味ないとか、聞いたことのない人には実感が伴わない内容であるかと思いきや最後の方にある「ヒップホップの楽しみ方」の部分が面白かった。
「ヒップホップの楽しみ方」では本の序盤~中盤にある概要を元にヒップホップと他の文化の類似性について記載してある。
プロレスとの類似性という話がしっくり来て、要するに作る側の人間は問題を起こしたりビーフによって悪目立ちすることで話題を生み、聞く側の人間はそれを含めて楽しむ。
少なくとも文化系にとっての楽しみ方としては、自分との類似性、親近感を持つことではなくテレビの向こう側にあるエンターテイメントとして捉えるのである。
この楽しみ方は理に適っていると思うし、楽しむための視点を学ぶという理由において入門書として優れているものの、どうしてもやっぱり文化系から見るヒップホップは距離を置いたものというか、若干見下し気味になるような気がしないでもない。
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ヒップホップには全くの素人だけど、面白く読めた。食わず嫌いの人ほど読んでみると、世界が広がるかもしれない。
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ヒップホップの歴史とその特徴を大まかにつかむことができた。ヒップホップを音楽ジャンルとして捉えず、「場」と捉えることで、そのゲーム性の面白さを理解できた。これから発展するカルチャーは市場原理主義のゲームから逃げないジャンルが面白くなるように思った。
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トライブ=部族転じてファン集団=ヘッズ レペゼン=代表転じて出身 イル=イカれてる転じて格好いい ドープ=麻薬転じて最高にイカした コンペティション 弱肉強食の世界 コンプトン ビーフ=アーティスト間の争い 競技 ジャマイカ ブロンクス クールハーク ジャイアンのジャイ子への愛 ジェームスブラウン ドラムブレイク RUNDMC 起承転結の否定 アフリカバンバータ けんかが強いのに文科系 ブロックパーティ ネイティブタン デラソウル アメリカの黒人人口ってたかだか12〜13%なんで フォークロア【folklore】 民間伝承。民俗学 サウスセントラル→サウスロサンゼルス チカーノ バンダラップ サイプレスヒル ドジャース イーストLA 大喜利をやっている落語家に、道徳を求められても困る いかにクリエイティブに悪口をいうか ハンチング帽 ロックとフォークは自殺のことばかり考えていて、ラテンは他殺のことばかり考えている ロックは純文学、ヒッブホップはTwitter カニエウェスト リルウェイン リヴァースクオモ ハーバード大卒 ヴァンパイアウィークエンド 韻を踏みまくった歌詞はヒッブホップからの影響が濃い ミュージッキング音楽は行為である ワイルドスタイル ビートストリート 友情努力勝利 シグニファリング ワンピースはジェイZみたいな存在 手塚治虫はマンガ界のJB ヒッブホップはプロレスである ファンも分かった上で乗っている ビートたけしはスタンスが非常にギャングスタラッパー的 すべらない話って完全に仲間内でサイファーを作ってフリースタイルをやっているノリ 誰でも知っている日常のネタをいかに異常な発想で膨らませてウケをとるかというのもヒッブホップ的 feat. ひな壇芸人 ガレージバンド 初音ミク インディーロックはTwitterじゃなくてFacebook 知り合いにいいね!マークを付けてもらって自己充足みたいな
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「ヒップホップは即実的なルールのもとに行われるゲームである」という主張はとても興味深く、引き込まれました。音楽好きの日本人のためにヒップホップを分かりやすく解説する、というコンセプトも面白いと思います。
ただ、「入門」とタイトルについている割には、あまり丁寧な作りではない気がしました。
特に、年表が無いのは致命的な欠陥だと思います。
アーティスト名は本文中に数多く登場するのですが、それぞれが活躍した年号など横軸の情報が薄いため、大局でのヒップホップの流れが見えにかったです。いちおう、章を追うごとに現在へと近づく構成にはなっていますし、前半のヒップホップ誕生部分は流れに沿っていて理解しやすかったですが、後半の章は年代とリンクさせて理解するのは難しかったです。
例えば、冒頭にヒップホップ年表を記載しておくだけで、そこに戻って流れを確認しながら本文を楽しむことができるようになり、ヒップホップ史の流れも理解しやすくなるのではないかと思いました。
入門というのだから、紙面上ももっと工夫をして欲しかったです。例えば、アメリカの地図を記載して、その上にどのアーティストがどの地域で活動しているかを図解で分かるようにするとか、「音楽だけでなくアーティスト同士の人間関係を楽しむこともヒップホップの要素の一つ」と言うのなら、レーベルを含めた人物相関図を載せるとか。ヒップホップを題材にするのであれば、もっと遊び心が入った本に仕上げても良かったのではないでしょうか。
また、せっかく「音楽ライター」と「アメリカ文学者」の対話形式となっているのに、あまりその肩書きと役割分担が効果を発揮していなかったのも残念でした。どちらがどの発言をしているのかも、意識して読まないと頭に入ってこないと思います。
読み進めていく中で、ところどころヒップホップに対する新しい発見があって面白いとは思いましたが、それ以上に、少し工夫をすればより分かりやすく面白い本になったのではないか、ということを強く感じました。
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この本がもう15年早く出てれば、拙宅のCDラックにHIPHOPはWARREN Gとハルカリのみなんて状況にはならなかったはず。「HIPHOPなんてワルの自慢話」くらいに食わず嫌いしてる人程読むべき。その開かれた音楽性は、デジタル化・データベース化の先駆けとしても凄く示唆的。