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読割 50
紙の本
乱反射 (朝日文庫)
著者 貫井 徳郎 (著)
地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に...
乱反射 (朝日文庫)
乱反射
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商品説明
地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【日本推理作家協会賞(第63回)】【「TRC MARC」の商品解説】
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書店員レビュー
他人事だと思いますか?
ジュンク堂書店郡山店さん
読んだのはだいぶ前なのにずっと心に引っかかっている本です。
たとえば家庭ごみをコンビニのごみ箱に捨てたり、犬の散歩中にフンの始末をしなかったなどのマナー違反や迷惑な行為を、ちょっとぐらいとか自分だけならと軽い気持ちでしてしまったことはありませんか?そういう行為が重なることで、取り返しがつかない事が起きてしまうかもしれない。
これは決してありえない話ではありません。
紙の本
法で裁くことのできない行為について考えさせられる
2016/08/23 02:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱやぱや - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めてから,登場人物の多さに少し驚きました。しかし,読み進めていくうちに登場人物たちの行為がどんどん繋がっていく。このストーリー展開には,ただただ感動しました。貫井徳郎さんの文章力はすごいなと素直に感じました。
作品で描かれている人間の嫌な部分,自分勝手な考え,怠慢・・・それらに腹立たしく思うこともあるでしょう。正直,読んでいて嫌な気分になることもありました。なんでこんな考えをするんだ?おかしいだろう!と。読後感もよくはないでしょう。しかし,もしかしたら自分にもそういうことろがあるのではないかと考えさせられました。
登場人物たちの行動は,それだけをみれば些細と言っていいほどのルール違反,モラルが欠けたものだと言って済むようなもの。しかし,それらが組み合わさることによって,最終的に人の命が奪われることもあり得る。法で裁かれるのは結果を直接引き起こした者。しかし,結果を間接的に引き起こした多くの者は法で裁かれません。そのことについても深く考えさせられました。法で裁かれないとするならば,自分で自分を裁くしかない。自分の行為を深く反省し,被害者に誠意をもって謝罪をする。法で裁かれない者ができることはそれくらいしかないのではないのかと思い至りました。
今後は,今まで以上に自分の行動に責任をもち,規範意識をより強く持って生活していきたいです。
なお,貫井徳郎さんの本は読んだことがなかったのですが,乃木坂46の齋藤飛鳥さんのおすすめだったので初めて読みました。読んでよかったです。
紙の本
どこにでもいる人々、どこでも見られる光景
2012/01/24 22:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジアラト - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこにでもいる普通の人たち。怖ろしいばかりに実際の人々をトレースして書かれているようで、自分や知人とその存在が重なっていった。そして、彼らの、ほんの僅かな、身勝手・怠慢・見栄・責任放棄などの微かな不道徳による罪悪感。群像劇における彼らの行動が、如何なる展開を生んでいくのか? 物語を読み進めるリーダビリティとサスペンスは、読者の心を掴んで離さず、やがて恐ろしい因果を紡ぎだしていく。
この話は、決して他人事なんかではない。私たちの周りでも当たり前にある、どこにでもある光景なのだ。
電子書籍
だいすき
2023/04/28 23:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本が今まで読んだ本の中で1番好きです。
本好きの友達がいないのでおすすめしても誰も読んでくれなくて哀しい
紙の本
どんどん表題近づいていく快感
2014/11/09 12:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おこめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
貫井さんらしい作品と思っています。
人間の良心の多面性が「乱反射」という名前にぴったり。
かなり嬉しく悲しい読後感でした。
すごかった…。
紙の本
苦しいけれど、意味深い。
2022/05/04 21:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:michaq - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語の世界に自分がいたとして、登場人物のような些細なエゴを自分が持たないだろうか?その結果自分の預かり知らないところで他人を傷つけていないか、考えると怖くなります。でも実際、そういうことの積み重ねで世の中に良いことも悪いことも起こっているんでしょうね。
紙の本
苦しい
2020/12/08 23:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ありすばぁ - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰がどうするのが良かったのかが解らないけど…正解はあっても無くても、読後感は、ただ苦しい。ホントに悪い人はいないかも。でも、誰もがちょっとずつ良くない。
紙の本
なんとも言いがたい
2020/01/30 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すねよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
救いのない内容だと覚悟してはいたが、いざ読んでみると最後まで救いがなかった。しかしながら、深く考えさせられる問題が盛りだくさんなので議論してみるのも良いかもしれない。
紙の本
最後の最後に、かすかな明るさ
2019/05/26 10:28
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者らしい長篇。
ひとつの事故(あるいは事件)の、そこに至る経過とその後の経過を、詳しく事細かく丁寧に描いていきます。
誰もが身に覚えのありそうな「悪」。
悪と呼べるのかどうかもわからないような悪。
それを問う作者の斬り込みは、鋭く深く、容赦ない。
しんどいしんどい話だけど、最後の最後に、ハッピーエンドとはとても言えないけど、かすかな明るさを残す。
そのあたり、やっぱり貫井徳郎らしい作品です。
おすすめです。
紙の本
乱反射
2013/02/27 18:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
複数の登場人物が普通の家庭で普通の悩みや解決をするシーンが交互交互におりなし、最後には一本の糸になる。偶然というものは得てしてそういうものかと。逆に、ほんの僅かでもずれていれば、何事もなく過ぎてしまったかも。
このような展開の本もあるのだなと改めて実感。
電子書籍
小さなエゴ
2019/05/11 22:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒豆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼い子どもが街路樹の下敷きになって死亡した。
事故死かと思われたが、これは「人災」だった
犬の糞の始末をしない老人、混雑を避けるために夜間診療を受ける学生…
その他にも多くの人の小さなエゴが重なり合って悲劇が生まれた。
正直、登場人物達のような考えは、自分にも全く身に覚えがないといえば嘘になる。
読後感は良くないけど胸に刺さる小説だった。
それと事件発生までの登場人物達の日常パートは、丁寧に描写されているのですが冗長で少し疲れた。
紙の本
些細なことの積み重なりが
2018/11/03 14:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ありがちなちょっとした事の集合が幼児の命を奪うことに。
事故の裏に隠れた、様々な日常生活がオムニバス風に前奏曲のように流れ、最後は自戒にと。
誰を責めていいのか・・・辛い。
読み応えのあるストーリーだった。
紙の本
再読ですが、価値あり
2017/02/14 10:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
再読。
子供を喪う気持ちも読んでいて辛かったが、何より数多くのかつ、小さなモラル違反が絡み合って悲劇に繋がるのはツライ。
「聖人君子のような」は理想であって、現実ではかなり難しい。
だからと言って、当然モラル違反を良しとするわけでも無い。
作中の父親も最後に「自分も同じ」と感じた場面は読んでいて何とも言えない気持ちになった。
再読ですが、読んで正解。
感化される自分がある意味清々しい。
紙の本
社会規範的で教条的な小説か
2014/06/08 21:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はいわゆる探偵小説でも、警察小説でもない。もちろん、推理小説とも言えない。しかし、4年前に日本推理作家協会賞を受賞している。推理作家協会賞の対象がどのようなものであるかは知らないが、構成が推理小説のように組み立てられているということと思われる。文庫本にしては分厚い約600頁のボリュームである。
ある新聞記者の幼い子供が、街路樹の倒壊の下敷きになって死亡した。これが事件の全てである。物語の主筋は何故街路樹が倒壊したかを追求することに充てられている。この過程を丁寧に追って小説として仕上げたものが本書と言って良い。
どこにでもありそうな話であると思う。このような事件を分析していくと、街路樹の管理に明らかに手落ちがあれば、管理者の責任が追求される。しかし、それでは小説として成り立たない。そこで、その責任を分散させたわけである。多くの一般市民の間に分散させた。
関与した一般市民は分散された責任の重みを感じてはいない。否、感じるほど重くはないという認識である。中には全く気付かず、親である新聞記者に指摘されて初めて気づく人もいる。しかし、これらの責任は一つ一つは些細なものであるが、偶然に重なれば如何様な事件も生じるということである。
責任の重みは、マナーの問題であったり、すなわち犬の糞の始末をしなかったり、単なる風邪の治療に病院の夜間診療を利用し、当直医が当たるべき救急医療を阻害するなど、本人が街路樹の倒壊との関係と結びつけられないほど希薄なものである。
さて、このストーリーで楽しめたかといえばNOである。現実的なようで現実離れしている。楽しむというよりは、社会の中での自分の行為は、ややもすると本書にあるように人の生死に関わる場合があるという、やや社会の規範的な内容になっていると思う。
楽しめなかったが、作家の腕は確かで途中で放棄するようなことはなく、夢中で読み進んだことも確かである。しかし、私の好みには合わない小説であった。
電子書籍
潔く認める強さ
2017/09/20 18:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えんげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人一人のまあ普通のごくありふれた傲慢さが連なった不運。
きっと誰しもが被害者だし加害者かと。
むしろ絶対に加害者にならないなんてことは不可能。
ただ、想像力を働かせることや、自分の弱さや過ち、不運を認める潔さは持ち合わせてたいと思った。
紙の本
サスペンス的スリルと現実味の作品
2015/06/22 21:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いつもこころにラバーソウル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとりの幼児の死の顛末と責任追及をドラマに描いていく。さまざまな視点からささいな行動が思いがけない形で繋がっていき……、というストーリーがカウントダウン形式でつづられている。先が読めるぶん、スリリングにかけるのかと思いきやかえっていまかいまかと胸がすりきれるような思いがした。視点もよく噛みあっているし、なるほど、たしかにありそうなキャラだと頷いてしまう。よく練られた作品だ。
ただどうしても気になってしまったのが、冒頭部分の伏線回収。もっとうまく回収されていて、具体的には幼児の死に直接関係していくのかと思いきや……、もっとシナリオに組み込まれているとよかったが。そう思い始めると各視点にもこじつけがましいようなところが読後感として残ってしまった。読んでいる間はそんなことはなかったのだが。この作品のよさはやはり読んでいる間のスリルと各視点のリアルさなのかもしれない。