紙の本
やっぱりロダーリは凄い
2015/09/12 15:31
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投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は読者に結末をゆだねる物語である。なんて挑戦的なんだろう。用意された結末で満足できないなら自分で考えればいいなんてむちゃくちゃだ。教科書に載せて子供に読ませたらいいと思う。
紙の本
凡庸なファンタシー?
2015/08/23 09:32
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投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説を読むまでなんて凡庸な結末を用意する作者だろう。想像の翼もありはしないと…読み違えておりました。なんと結末の部分は子供たちが考え出したものを3っつ[例]として付け足したものだそうです。子供たちに物語を素材として与えて、その感想ではなくその先を考えさせる…この試みはいろいろな場面で応用できるのではないでしょうか?ただし強要しないこと、創作が、または読書が楽しみではなく義務になってしまったら、そんな学校の勉強みたいなこと面白くありませんから、なにより創作も読書も自由が一番ですよね(笑)
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岩波少年文庫で読了している「チポリーノの冒険」や「青矢号」、さらにはこの本と同じ光文社古典新訳文庫の「猫とともに去りぬ」のどれもが楽しい物語だったので、この本は長らく KiKi の Wish List に載っていて、読むのを楽しみにしていた1冊でした。 今回、電車旅のお供の本を選ぶにあたって、この本に真っ先に手が伸びたのにはそんな KiKi の期待値が大いに影響していたことは間違いありません。
なかなか面白い構成の本で、掲載されている20編の物語の前半部分はどこかで読んだことがあるようなデジャヴ感満載の出だしなんですけど、それらはすべて未完の物語となっています。 未完・・・・とは言っても、一応それぞれのお話には3つの結末(あらすじのみのものもアリ)が用意されていて、その中から読者がお好みの結末を選べるようになっています。 その1つ1つが個性豊かで、悲観的なものアリ、楽観的なものアリ、ピリッと皮肉が効いているものアリで、どこかのお菓子のキャッチ・コピーじゃないけれど「一粒で三度美味しい」。 更に更に、「その3つが気に入らなければ自分で結末を作りなはれ」というおまけ(?)までついてきます(笑)
解説によれば1969年10月から1970年3月にかけて「イタリア国営放送」で放送されたラジオ番組の脚本に著者本人が後日手を加え、1970年から1971年にかけて子供向け漫画雑誌に掲載され、後日単行本化された「遊ぶためのたくさんの物語」という本の邦訳なのだそうです。
この本の楽しさは「作られた物語」を味わうのと同時に「私ならこうするのに・・・・」とか「こんな結末はどうかな??」と空想し、「ああ、これはダメ、これじゃハチャメチャ!!」とか「うんうん、我ながらいい感じの結末じゃない??」な~んていう風に似非(エセ)作家気分を味わえちゃうことなんじゃないかしら?? ファンタジー作家志望の人の「練習帳」にはまさにピッタリの教材かもしれません。
もっとも KiKi は最初の2篇ほどは普通に本を読むように印刷されている物語をそのまま追っかけてしまったので、3つの選択肢の中で自分に一番フィットする結末はどれ??という楽しみ方しかできなくて、一番おいしそうなおまけ部分は堪能しきることができませんでした。 で、3篇目にしてようやく上記のような遊び方ができることに気が付いたんだけど、改ページなしで出てくる「結末 その1」「その2」「その3」をチラ見したいというスケベ根性は抑えがたく、結果、この本に掲載されている3つの結末のどれかにどうしても引きずられちゃうんですよね~。 そういう意味では KiKi なんぞはまさにロダーリさん(もしくは B.ムナーリさん)が仰るところの「消費者 or 単なる記号の反復者」に過ぎないことを露呈してしまうことに相成った次第です。
そこで1つ思いついたこと。 それはこの本に書かれている3つの結末の印象が薄れるだろう何年後かに、もう一度この本を・・・・というよりこの本に提示されている20編の物語の前半部分だけを抜き出して、3つの選択肢を読まない状態で自分なりの結末をいくつか書いてみるという遊びをしてみようかな・・・・と。 こういう遊びをするの���ブログっていうツールは結構便利だと思うんですよね。 20編それぞれを別のカテゴリーに設定しておいて、前半部分はヒマな時にそれぞれのカテゴリーの最初のエントリーとして写しておくんです。 で、この本で選択肢になっている3つの結末部分はもちろん無視!! そして思いつくままに後半部分をそれぞれのカテゴリー下でいろいろ書いてみてそれを繋ぎ合わせて自分で読んでみたり、人(できれば子供)に読んでもらう・・・という遊びです。 ね? 何だか楽しそうでしょ♪
ま、てなわけでそんな遊びを思いついちゃった以上、現在積読状態になっているこちら(↓)はその遊びが終わるまではず~っと積読しておくしか仕方なくなってしまいました。 というのもね、この本(↓)はこの「羊飼いの指輪」(というよりはラジオ放送の内容)を元ネタに、ロダーリさんがあれやこれやと分析・考察した一種の理論書らしいんですよね~ ^^;
ファンタジーの文法
著:G.ロダーリ 訳: 窪田富男 ちくま文庫
こういう遊びはもっと幼い時にやっておきたかったような気もするけれど、訳者の関口さんがあとがきで紹介されているイタリアの古い諺
なにもしないより遅い方がマシ
転じて、関口解釈; 遅くなってしまったからといって、しないことの言い訳にはならない
を手前勝手に解釈し、老後の楽しみが又1つ増えたとほくそ笑んでいる KiKi なのでした。
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ファンタジーの練習帳と副題がついている通り、それぞれの物語に3通りのストーリーが用意されています。
作者のお気に入りもありますが、読み手が選べるエンディングはおもしろいな、と思いました。
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神保町の古書店で買いました。
(2013年8月17日)
読み終えました。@京都駅。
(2014年1月2日)
う〜ん、です。
(2014年1月5日)
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”読者参加型”の短篇という企画は面白い。短篇と巻末の「著者の結末」を照らし合わせながら読むともっと良かったのかも。最後に読んでも、どんな物語だったのか良く思い出せないので。あと、この光文社古典新訳シリーズは、レーヴィ、ブッツァーティ、ロダーリを読みましたが、すべてが同一人物による翻訳なので、今回の『羊飼いの指輪』は少し辟易してしまった。もしかするとそれは文体に対してではなく「幻想」に対してなのかも。
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大人が読んでも楽しい童話集。
結末が3つ用意されているところがまた面白い。子どもと接してきたロダーリだからこそ、未来に期待する気持ちが大きいのかもしれない。
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オーソドックスな昔話に近い標題作からタクシーが宇宙を飛ぶSF系まで、様々なテイストの作品が詰まった短編集。老人や子供、ピノキオ、犬など主人公も幅広いです。
各作品に3つずつエンディングがあり、並置される事でそれぞれの特徴がより明確になっているような。日常の中の非日常が、ユーモラスに描かれてます。
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さて、この話のオチ、あなたならどうする?
短編集。でも、ちょっと面白いのは、それぞれ結末が3つ付いていること。読者が好きなのを選べる。もちろん、著者の選んだ結末も最後に書いてある。解説によれば、このそれぞれの物語の元になっているのは、ラジオ番組らしい。ロダーリと子どもたちがスタジオで、みんなで話し合いながら物語の結末を考える番組で、子どもたちの創造力を引き出す。物語自体は、童話や民話で聞いたことがあるような、もしくは星新一のショートショートみたいな感じ。教訓めいていたり、ナンセンスだったり。こういうのもありなんだ、と思える作品。
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どんな物語も、「入り口」があって「出口」がある。
グリム童話やピノッキオなど、あれ?これどこかで?というモチーフをロダーリがアレンジした入り口が用意され、その先の結末が3つ用意されている。
始まり部分を読んで、自分だったらこの先をどう作るかな、と考えてみたり、用意された3つからどれが一番好きか、考えてみたり。
巻末で、ロダーリ自身だったらこれにする、という回答とその根拠をあげる。
ロダーリだったらどの結末にするのか、ということより、その根拠のほうが、なるほどこういう理由でこれを選ぶのか、と、面白い。
何もないところにお話を作っていくのは、制限がなくて自由奔放のようでありながら、入った以上、その入り口には適した出口があるのだな、ということがわかる。
正解というものはないと思われがちだけれど、どれかが最適で、そうでないものはやはりちょっと収まりが悪い。
一般的に言っても、終わり方には、ハッピーエンド、オープンエンド、悲しい終わり…などいろいろあるけれど、その最も適したものを選んだかどうかで、読んだ印象は変わる。
そういう意味では、これしかない!という最適な正解があるのだ。作者はそれを模索しながら書いているに違いないし、その緊張のない結末は、どこか駄作のそしりを免れないということだよね。
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とてもいい本です。
結末が3つに分かれていて、読者がどれも気に入らなければ自分で作ってみよう、という形式の本。
結末が別れていても物語は楽しめるし自分で考える楽しみがあって、ロダーリの本の中でもかなり面白い方。
解説にあった受け手と送り手では物語のコードの受け取り方が違う、という話は目からウロコだった。
本編もそうだが解説で引用してある「ファンタジーの文法」を読むと創作をしてみたくなる。想像力が大切であるとロダーリは語っていたようだ。
私も本を読むばかりではなく昔のように少しは書いてみようかと思う。
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「いまある学校の姿の先にあるものを見据え、学校という『時間制の少年院』の壁が崩壊するところを思い描くには、現在もなお、多大な想像力が必要であることは否めない。それだけでなく、この世界がこれからも存在し続け、より人間的なものとなっていくだろうことを信じるためにも、想像力というものは不可欠なのだ」(p.269)
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20編のおとぎ話(というくくりでいいのかしら)に、それぞれ3つずつ違う結末が用意されているという仕掛けが面白い。味わいとしては星新一『未来いそっぷ』を彷彿とさせるものもあったり(あそこまで毒はないですが)、美しい童話として成立しているものもあったり。小さい子に読み聞かせて3つから選ばせたり、さらに自分で考えさせたりするのも面白そうだと思いました(実際に作者がラジオでやっていたようですが)。私がこの作品を知ったのは、ツイッター経由で、この話の作り方がラーメンズの小林さんと通じるものがある、という惹句を読んだからですが、それこそ「読書対決」を思い出しました。面白かった。
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ファンタジーは、幻想よりも広い意味。創造性一般を指す。ムナーリともつながるものだとは知らなかった。『ファンタジーの文法』を続けて読むつもり。
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新・読書法の誕生。20本の短編それぞれに3つの結末が用意されており、どれが最もふさわしいか論じ合うのもよし、第4の選択肢を自分で創作してしまうのもまたよし、です。
九州大学
ニックネーム:天神(あまがみ)ルナ