紙の本
どうやって伝えるか
2015/08/28 13:23
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
三並英太は東雲侑子と“付き合って”いる。元々は、西園幽子という作家が東雲侑子だと気づいた三並英太が、短編小説しか書けないという彼女のために、その作風を広げるための仮想彼氏として付き合い始めたのがきっかけだ。紆余曲折の末、彼らは一応付き合っていることになっているはずだが、実は互いにその思いを口にしたことはない。
そんなある日、クラスメイトの喜多川絵夢に、東雲侑子が小説家だと言うことを知られてしまう。そして喜多川絵夢は東雲侑子に演劇の脚本を書いて欲しいと依頼する。
一方、三並家でもトラブルが発生していた。兄の景介とその彼女である有美の関係がこじれている。景介が他の女と会っていたことが原因らしい。そのうち、いつも家に来ていた有美が、家に寄りつかなくなってしまう。
そして三並英太と東雲侑子の関係も、小説や脚本の進行の遅れの影響もあり、徐々に疎遠になってきていた。そこに、三並英太は喜多川絵夢からの告白を受けてしまう。
言葉にしなければ伝わらない。でも全てを言葉にすれば良いというものではない。後者の姿勢を持つ人が相手の場合、その行動に不安を抱いてしまうことも多い。特にそれが好きな人であれば尚更だ。不安が不信を呼ぶようになれば、どれほど強固だった関係も、たやすく壊れてしまう。
だからこそ、その前に適切にケアをしなければならない。それをどんな形でするかはセンスだろうし、それによって相手を惹き付ける度合いも変わるのだろう。その意味で、景介らが取った行動は、当事者にとってはとても心に響く行動だったと思う。
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まさかの続編。今回もほろ苦さのある青春恋愛物語。まぁ最後は落ち着くところに落ち着いたからメイン側は苦くはないのか。英太の不安な気持ちは身につまされる思いで読んでました。終盤になるにつれてページを繰る手が止まらなかったです。オジサンも本当にこういう青春を送ってみたかったよ。
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2年生編です。
なかなか、英太のニブチンぶりにイライラする巻でしたね。
読者は、新キャラ・喜多川さんの真意にすぐ気が付いた
方が大半と思います。
しかし、東雲さんも、ずるいとは思いますが…
てか、彼女はもともとずるい子かもしれないですが(笑)。
兄貴もなかなか可愛いところを見せてくれます。
その兄貴達含め、クラスメイトなど、1年時は
三並家+東雲さんの物語だったのが、本編でも
言われてますが一気に交友関係?が広がります。
これが次巻への伏線というかにもなってましたね。
さて、動き出した二人の関係がどうなっていくかは
次巻3年生編に書かれてます。
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☆4.3
お互いに不器用で、初々しくて、もどかしいけど、可愛い。
今回はそれに、女の子その他大勢が関わり、少し賑やかになりました。
相手が何を考えているのか。
どうしたらいいのか。
人付き合いをしていく上で心情を汲み取る事は大切ですが、中々上手くいかないもの。
好きな相手に対しては尚更。
そんな悩みであったり、自分の気持ちに対する疑問が積み重なり、すれ違いが起きてしまう。
なんとももどかしい恋愛模様に少し懐かしさを感じながら、感情移入しながら読んでいました。
展開としてはベタだけど、読み進める手が止まりませんでした。
あとがきによると続編が出そうなので期待しています。
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2年生になると、付き合っている、事が浸透。
そして彼女が小説家である事が、クラスメイトにより
ばれてしまう。
人から見たら、ものすごく違う態度。
それに本人達は気付かず、もやもやと…。
前回に引き続き、な甘酸っぱさに
苦みがプラスされたような。
しかも今回、ごたごたが登場しますし。
兄と同じように。
いや、途中で同じ事してるのに気が付け、と
突っ込みたいですが。
言葉にする事、言葉にしない事。
両方とも納得すべき所も、しない所も。
とはいえ、結局どうしていても、不安は不安です。
そこをどう埋めるか…にかかってる状態?w
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2011 12/30読了。WonderGooで購入。
付き合いだしたものの侑子のスランプもあって四六時中は一緒にいるわけではない二人の間に、三並に想いを寄せる快活な少女が近付いて来たことで二人はすれ違い始め・・・な巻。
青春小説の王道展開とは言え、えーいなんでこう、どいつもこいつも自己完結して勝手に思い悩むくせに相手に聞こうとしないのかー。
なんて考えてしまうのは自分がもういい年こいた大人だからか。
高校生ってこういうものか。そうだったかも知らぬ。なるほどそうか・・・。
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超純愛物語、まさかの続編。1作目が素晴らしすぎて読む前から蛇足臭がしてたけど、これはこれでアリ。
前回からどうなるかと思ったら相変わらずつかず離れずみたいな状態だった二人。さらに東雲はスランプに陥ってしまう。
そんな中新キャラ・喜多川が登場。彼女は三並に積極的にからんでいき・・・
今回も三並と東雲の距離感がたまらない。どうなるのかどうなるのかとハラハラしながらページをめくった。
これが本当の青春なのか、恋愛なのか。私には無縁すぎてもう・・・
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少し近づいたと思ったら、離れていく二人にヒヤヒヤハラハラしっぱなしでした。 間に挟まれる短篇小説もとても綺麗でよかったです。
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どんな続編になるのかと思ったけど、ここまでストレートにくるとは。読み終えてみると上下巻なんじゃないかと思えるほどw ほんとうに変化球一切なしの恋愛小説だなあ。
1巻の少し曖昧だけど彼ららしい、落ち着くとこに落ち着いた着地点。そこをしっかり揺るがして転がるお話に目が離せなかった。それにしても、劇中の『いとしくにくい』はキュンキュンしすぎて困る。
そして、これ程までに真っ当な恋愛小説でありながら、東雲にスク水もビキニも着せる手腕にも脱帽w
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p.259「どこまで説明させる気だ、お前」という台詞がまさにソレという感じの小説。ストレート以外投げないよとあらかじめ宣言されている感がすごい。
前作では主人公とヒロインが一対一の話だったが、今回は明確な3人目が登場する(もっとも、主人公兄やその彼女さん相手に対する嫉妬はしてたけど)。それに伴って2人はゆっさゆっさ揺さぶられるが、危機に直面して一歩一歩立ち止まれる彼らが何とも素敵だった。
この本を読みながら、エゴに囚われて過ちに気付くのがいつも遅すぎた自分の青春時代を思い出して云々って人もいるのだろうか。自分はそうだった。
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続きが読めることは素直に嬉しいけれど、多少の蛇足感は感じる。
なんかちがうんだよなー。新キャラ増やした事で東雲さんの描写が足りなくなったとかそんな所のように思える。
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ベタベタ。予想を大きく外すようなことはない。まあ恋愛モノはえてしてそういうものだけど。
とらドラとかと違ってコミカルではないから、爆発的なヒット作にはなりづらいんだろうな。
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自分の高校時代と重ねながら読んでました。 東雲さんや喜多川さんみたいな子はいなかったけどな!
魔法はない、超能力もない、異世界からの使者が来る事もない。 ただひたすらに平凡な日常。 心の機微とか互いの不安に想う気持ちとか、そういう心理描写が美しい。
彼氏彼女の関係が公になった2人。 このもどかしい距離感が何とも言えず「いとしくにくい」のです。
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いい。相手が何を考えているか分からずに不安になるという心境が初めての体験として初初しく書かれていて、自身の高校時代を時折思い出したりもしつつ感情移入しながら読んだ。東雲の長編恋愛小説も読んでみたい、あの幻想的な短編の描写を見る限り、とても美しいものになると思う。また、章の冒頭ごとに出てくる東雲の書いたものは、そういえば野村先生の文学少女とかのものに雰囲気が似てるなとも感じた。続編タイプのものではないけれど、短編の語り部を変えてのアフターストーリーなどが出ると嬉しい。
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伝えられない想い。強い想い。愛おしい想い。憎らしい想い。
東雲さんが愛おしい。抱きしめたい。離れたくない。ずっと一緒にいたい。
それだけ。ただそれだけ。
お互いに想い合う気持ち。美しい相思相愛。
ずっと見守っていたい。いつまでも。二人を。