紙の本
映像作品のような小説
2012/01/31 14:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:胡柚子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書というより、映画かドラマをみているような気持ちで読みりました。それぐらい、視覚に訴えてくる作品。
「掃除」という架空の競技をめぐる青春小説で、奇想天外、リズム感、スピード感のある作品です。
マイナー競技と思ったら、意外に裏があるという設定も魅力。
ただ、本書ではあまりに謎が多く、すぐ続編を出してくれないと……と思ったのも確か。
やっと続編が単行本ででたので、謎がどんどん明らかになることを期待してます。
紙の本
アイディアは面白いと思います
2016/02/13 22:15
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い設定と三崎さんらしい世界観で
どんな風になっていくんだろうかと
最後の最後まで期待感が続くのですが・・・
広げた風呂敷を上手く畳めなかったという印象です。
それでも細かな描写はワクワクさせるものがあるので
それなりに楽しめました。
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感想はブログにて。
http://croco.blog14.fc2.com/blog-entry-234.html
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独特の用語と世界観に慣れるまでに少々時間がかかったが、青春部活ものとしておもしろく読んでいった。・・・と思ったら、ラストがジャンプの打ち切り最終回か!という尻切れトンボでえっ!?という感じ。後で知ったが続編出るようです。やっぱりそうだよなー。
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やばい、掃除ちょー面白い。
スタイル的には、エースと呼ばれる少年の挫折。からの〜後輩の女の子との甘酸っぱい出会い。からの〜自分探しの努力。からの〜栄光へ。
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架空世界の日本で、高校生が「掃除」というスポーツに打ち込む話。
これは…SF?…異世界青春ものというか。
少年漫画のようで、面白いです。
藤代樹は高校2年生。
高校だけに限られている特殊なスポーツ「掃除」を部活で行っている。
箒のような「長物」で、羽根つきの羽根を小さくしたような「塵芥」を自在に操り、回収する競技。
技術だけでなく芸術的な美しさも評価される。
マイナーな部で、樹は部に入っていることを両親には隠している。それには、わけがあった…
樹は、既に州大会新人戦で優勝した腕前。
実は子どもの頃に祖父に「長物」を貰い、一人で練習していた積み重ねがあった。祖父はその後、失踪してしまったのだが。
もうすぐ正式な大会に出て、優勝でもしたら、隠し通すことは出来ないが、まだためらっている。
幼なじみの梨奈は、有力者のお嬢様で、無敵の美少女。
何かと無理を言ってくるが、まったく太刀打ち出来ない樹。
「彼氏失格よ」などと言われて「彼氏じゃない」と抵抗はするのだが。
後輩の偲という可愛い少女に出会い、その優しい風情に救われる思いになります。
だが、偲は「掃除」の強力な選手で、しかも「居留地」の流儀らしい謎めいた技を持っていた。
「掃除」とは、もともと旧国技にも関連する実戦用の物だったらしい。
偲とは、やがて互いに教え合うことになるのだが、ライバルでもある。
「召喚部」で一人わけのわからないことをやっている友達も「掃除」の腕前はなかなかのもの。
この友達とのいきさつや、数々の試合の様子などが、少年漫画ぽくて、妙にわかりやすい面も。
試合だけでなく、「異邦郭」という社交場での「添え舞い」を仮面を付けてバイトでやっていたりと、色々なシーンが展開。
超絶技巧がつぎつぎに繰り出されていくが、それが「掃除」っていう。
樹たちが特訓したり、行き詰まったり、精神的な問題を乗り越えていく様子が、いきいきと描かれます。
スポーツ物の漫画で、全然知らない競技の場合、けっこうこんな感じかなと。
ほかに「肩車スポーツ部」とか、おかしな設定も楽しめます。
この世界の設定は斬新で、描写も流麗で面白いんですが、謎が多すぎるのが、感情移入するのにちょっと、難ですね。
少しずつはわかっていくのですが、そのテンポがやや遅い。
高校生が意味も事情もよくわからないまま、ひたすら練習しているっていうのも、あり得ない事じゃないけど。
さあ次の段階へ!
というところで、終わってます~。既に次作も出ているので、乞うご期待!?
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言葉と世界観のファンタジー具合が素敵。
中盤まで読み進めるのにかなり時間がかかったけど、中盤からはすいすい読める。
青春なストーリーも「掃除」というスポーツの魅力も良かったのだけれど、
いまいちはまらなかった。
手放すことに決定。
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久しぶりに三崎亜記の本が文庫にあるのを見て購入。内容は全く知らず。。
あの人の相変わらずの、「現代社会から少し軸をずらしたパラレルワールド」が健在で、とても面白かった!!
続編なのか、続編があるのかもさっぱりわからずに終わってしまってかなり混乱してるところで、検索したらやはり続編が!…いや、梨奈とか日登美さんとの関係を思うと、前作があってもおかしくなさそうだけどね?
現代社会の概念にとらわれてると思いつけないような発想が新鮮で、読むのが好きな作家です。今回のテーマは掃除!まったく、よく掃除からここまでストーリー作れるもんだ。。
ところで、ところどころの設定に読み覚えがあるような気がしたのはなぜか。どこかで読んだことがあるのか?その疑問だけが払拭できなくて、すごくもやもやする。。
続編がもうすぐ単行本発売ということで、ちょっとそわそわしてしまう。。文庫化は遅いだろうしなぁ…!
(2012/01/28)
前は世界観のみでかなりの評価ですが、それを知った上で再読すると、三崎さん独特の文体が、目につく。。
すごく客観的なのか、それとも主人公の目線なのかが限りなく溶け合った地の文。
正直、これだけ取り上げると私的には三崎さんの文は多少苦手な部類に入る。
でもそれを凌駕してしまうくらい、世界観の構成の仕方が好きだ。
文体が好きなわけでなく気に入りの作家って、そう言われれば私の中では珍しいのかもしれない。。
(2012/11/25)
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「コロヨシ!」三崎亜記
奇想青春小説。特になし。
架空のマイナースポーツ「掃除」。国家から制限を受けたこのスポーツに、否が応にも魅き込まれる主人公の青春を描く。
管理制限スポーツという形での歪んだ部活動、「掃除」の歴史的背景のきな臭さ、仲間や関係者達との熱いやり取り、謎の少女との出会い、スポーツに対するひたむきな情熱と成長の物語ー。
いや、正直言ってB級小説のにおいをぷんぷんと感じるんですよ。いつもの三崎亜記と違う~。
でも、一気読みです。面白いです。
「掃除」は、僕の中でのイメージでは“スーパー羽子板”みたいな感じで、“長物”を使って“塵芥”を自在に操り、美しさ、早さ、連携プレーなどを競う。
全くの架空のスポーツでありながら、ここまで青春小説!できる設定力と筆力がさすがです。スピード感、大満足。
あと、「西域」-「居留地」-「この国」という架空の三国関係が、中・韓・日の関係を模しているんですが、全く嫌味なく東アジアの文化交流風情をストーリーに盛り込んでいて、素晴らしい。
なんというか、、西日本の小説だなって感じました。(4)
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仮想スポーツ「掃除」をテーマとした
意外と展開は王道な青春スポ魂小説。
掃除というスポーツだけがフィクションで
あとは現代の学校が舞台かと思いきや、
歴史や国自体もどうやら現実とはことなる世界観のよう。
舞台である国は果たして「日本」と呼ばれているのか。
「居留地」「西域」といった独特の歴史を辿った
国の文化の描写も面白い。
映像化したらカッコいいだろうな。
少年漫画でも張り合える緊張感。
伏線だらけで謎が多いのはもどかしい。
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文庫にて再読。日本によく似た世界で繰り広げられる架空のスポーツ「掃除」をテーマにした青春小説。小説の世界だからこそ成り立つリアリティが素晴らしいです。嵐の如く周囲を巻き込む最強の美少女の梨奈を筆頭に個性が豊かすぎる登場人物達の活躍も楽しいです。またその一方で時折感じる世界から見捨てられた孤独感が物語の奥行を深めている気がします。今手元にある続編も読んでいるところなので、そちらの感想もまた後日。
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「一瞬の風になれ」のような青春スポーツもの。
架空のスポーツ「掃除」をテーマにしていて興味を引いたので読んでみたけれど、「舞」の表現が想像をかきたてるもので面白かった。
個人的にはクィディッチと重なるようなイメージをもちました。
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青春真っ只中のスポーツ小説のようだが、主人公の樹がプレイするスポーツは、・・・「掃除」?掃除といっても、お掃除ではない。長物と呼ばれる長い棒状の道具で塵芥を巻き上げ、巻き上げる風で塵芥を操作し、回収する、芸術競技である。また、掃除は国の暗い歴史に紐づく競技であり、「制限付きスポーツ」として、国に監視され、高校生の3年間しかプレイすることのできないスポーツである、という、奇想天外な設定である。
また、その掃除が存在する世界観もまた、とてもよく作り上げられたパラレルワールドである。日本風の設定だが、過去戦争に負けた代償として「国技」を排された世界。県ではなく州に分けられた、全く違う世界として描かれている。でも、主人公たちは、全く普通の高校生なのだ。全くのパラレルワールドを当然の世界のように描き、普通の主人公たちが自分たちと同じように生きている世界感は図書館戦争に近い感覚かも。
幼いころから祖父から掃除を習い、新人戦でいきなり州大会まで進んでしまった掃除部エースの樹は、試合としての掃除をやる意味を見失っていた。そんな樹が、掃除のその字も知らないような顔をしたとぼけた顧問、居留地から来た謎の少女、偲との出会いにより、さまざまな掃除を体験し、真摯に掃除に向き合っていくようになる序章。
相当奇想天外な設定でありながら、主人公は普通のスポーツ小説のように、試合の勝ち負け、掃除をすることの意味に真摯に悩み、向き合っていくし、普通の高校生のように女の子にどきどきしたり、親に隠し事をしたり、将来のことに行き詰ったりする、すがすがしい青春小説である。掃除を開始する号令「頃良し!」、想像するしかない、美しく華やかな舞のような掃除の様、きな臭い部分を残しつつも、全体的に爽快感にあふれた気持ちのいい小説である。大きな変革が起こりそうなラストに続きが気になってしょうがない。
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「掃除部」で全国大会をめざす高校生の話。
掃除といっても、華麗に舞い、競いあう競技。なんだかよくわからないけど、掃除がかっこよく思えてくるお話である。
しかし、掃除には隠された秘密があり、2つの掟がある。
・高校3年間しかできない
・掃除部に所属するものは国家組織の管轄におかれる
「図書館戦争」にも似たエンタメ小説。三崎亜記ってこういうのも書くんだなぁ。
完全に次作を意識した終わり方で、謎がいっぱいのまま消化不良…。
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ふーむ。
佐藤亜紀氏の作品は大好きなので、
青春スポーツものという、私の一番苦手な項目2つを擁する(日本語おかしい)
この作品に、愛が故にあえて手を伸ばす。
ところが実は、非情に読みづらくて何度も挫折しかけたというのが本当のところ。
四字熟語は本当に美しく、
地の文も競技の説明も、まさに凝りに凝った技巧のオンパレード。
なんだ、掃除部って???
競技としての掃除、国に監視される競技という偉くこだわった設定に、
主人公の生い立ち、謎の女子生徒、幼なじみ、
召喚部に入る謎の親友、、
と、伏線なのか物語を深めるための捨て石(?)なのか、
とにかく佐藤ワールド炸裂なのだ。
美しく織りなされた複雑な縦糸に、
キラ星のように挟み込まれる競技の凝った構成も、まさに秀逸。
ただ、正直、この競技が今ひとつ、
私の頭の中で画像として起き上がってこなかった。
文句を言われるのを覚悟でいうと、
個人的には「塵芥」のイメージがどうも、だめだったのかも。
「塵芥」とは競技で使用される羽子板の羽根のようなもので、
手にした「長物」でそれを空中に巻き上げ、
素早く華麗に処理する競技ということになるようなのだが。。
その舞う様が、どうにも頭の中で美しい象を結ばない。
「塵芥」というからにはチリ・芥のように軽やかなものを想像していたのだ。
それがきらきらと空中に舞う、といったような。
それがごつごつした豆?石?のようなものでは、
はらりはらりと舞う‥というものではないようで。
単にイメージの問題だと思うのだけど、
カンカン音が響き、ばたばた走り回る様はおよそ、
私の最初にイメージした舞ではなくて、むしろ無骨な武道チックな。
という、かなり自己中な理由で、この競技自体に入り込めず。
ということで好きなワールドなのに、この低めの評価で。佐藤先生スミマセン。